特典で稼ぐ王者   作:ボルメテウスさん

10 / 35
第9話 爆裂探偵

夏休みを利用して、りんね達は京都へと向かっていた。

 

「なんで、こんな事に」

 

「ほら、売りますよ」

 

彼らは廃車を改造して作り出した弁当屋で金を稼ぎながら、京都へと向かっていた。

 

一目を避けながらの遠出の為、寝泊まりできる拠点と共に日用品なども買う為に夜はトリコとクロウが運転を行い、昼間はりんねとめぐみんとクリスの三人で弁当を売っていた。

 

「それにしても、よく売るのを許可できましたね」

 

「まぁ、トリコとクロウが色々と手を回してくれましたからね。

とりあえずはさっさと売れますよ!」

 

そう言いながら、めぐみんはクリスに文句を言っていると

 

「きゃーー!!」

 

「んっ?」

 

何か声が聞こえ、めぐみんはジト目になりながら、クリスは慌てた様子ですぐにコンビニへと向かう。

 

「なんだ変な事か?」

 

「とりあえず行きましょう。

この騒ぎでは弁当の売り上げに響きますので」

 

そう言いながら、りんねはめぐみんと共に事件のあったコンビニへと入っていった。

 

そこにはコンビニ内にいた客だと思われる女子高生やおじさんに店員が集まっており、その現場を見ていた。

 

「これはっ!!」

 

そこに映っていたのは人の死体だった。

 

一人の女性がトイレに頭から突っ込んでおり、ギャグにしか見えない状態だった。

 

「死んでる」

 

そこでめぐみんはさっそうと女性の脈を測り、トイレから顔を取る。

 

そこには何が起きたのか分からないように目を見開きながら死んでいる女性の顔だった。

 

「一体何が起きたというの!!」

 

「まさか自殺なのか!!」

 

「お前っ!!」

 

その状況に混乱している客の中でめぐみんは周りを見渡していた。

 

そして、その手にはジュウオウチェンジャーを取り出して、周りを見つめた後に

 

「動かないでもらいますか!!」

 

その声と共に、その場にいた全員が動きを止めた。

 

「この中に既にこの事件の犯人がいます!!」

 

「「「「「っ!!!」」」」」

 

その一言に、全員が驚きで目を見開いた。

 

僅かに現場を見た程度で犯人が分かったというめぐみんの言葉に、その場にいた全員が驚きを隠せずにいた。

 

「何を冗談言っているの!!」

 

そう言って、女子高生は切れたようにめぐみんに向かって叫ぶが

 

「なに、簡単な事ですよ。

本当に既に全ての謎は解けているので!!」

 

「え」

 

コンビニで起きた謎の密室殺人に対して、めぐみんは何時の間にか用意していた魔法使いの帽子をかぶりながら、宣言した。

 

「犯人が分かったって、これのか」

 

「はい、まぁ推理は結構無茶苦茶ですが、この場合はそれで良いんです」

 

「??」

 

そう言いながら、めぐみんはとある人物に向けて、指を指す。

 

「犯人はあなたです!!

女子高生A!」

 

「はぁ!?」

 

いきなりの事で戸惑いを見せる第一発見者の少女に向けてめぐみんは宣言する。

 

「何を言っているの!

なんで私が犯人な訳!!」

 

その言葉に流石に切れたようで、女子高生はめぐみんに向けて睨みつける。

 

「いや、単純にその蛇口を触っていたので」

 

「なんで蛇口を触っていただけで犯人な訳!!

第一、なんで蛇口に触っていたという証拠でもあるの!!」

 

「なに、あなたの手、さっき見たら僅かに濡れていたんですよ。

おそらくは蛇口の先に手を振れていたので僅かに濡れたのでしょう」

 

「っ!!」

 

「確かに、なんか悲鳴が聞こえたから俺達も来たけど、その時にはトイレの前にお嬢さんがいたな」

 

「だっだとしても、どうやって殺したのよ!!

トイレは密室なのよ!」

 

「良いでしょう、ならばまずは犯人はどうやって被害者を殺したのか説明しましょう。

まずは被害者の死因は確かに溺死です」

 

「まぁ、素人目でしか分からないけど」

 

「そう、結果的に溺死になりましたが、溺死になる前にとある事が起きたのです。

被害者の身体の幾つかに火傷のような跡がありますよね」

 

「えっえぇ」

 

それは何か様子が可笑しいと感じたりんね達によって既に確かめており、身体には最近になってできた火傷の痕があった。

 

「だけど、それが何と関係しているんだ?」

 

「では、火傷はなぜできたんですか?

はっきり言いますと、このコンビにで火傷の原因になる物など、店員のいる場所以外にはあり得ません。

被害者の荷物にはライターもありませんし、何よりもこんな綺麗な火傷を作れるはずはありません」

 

「それは、最初から火傷をしていたんじゃないの?」

 

「そうですか?

私達が弁当を売っている時には、あのような火傷の痕はありませんでしたよ。

見間違いはまずありえない程に目立ちますよ」

 

その言葉に関心するようにクリスは言う。

 

「めぐみんさんって意外と頭が良いんでね」

 

「普段はあれだけど、頭脳に関しては俺達の中で一番賢いぞ」

 

めぐみんの意外な推理に関心しているクリスだが、話はまだ続いていた。

 

「だからって、何よ!!

火傷があったて、それが溺死となんの関係があるのよ!」

 

「それがあるんですよ。

次にこの現場に来てから、可笑しいと思ったのは暴れた形跡がまるでなかった事です」

 

「暴れた形跡?」

 

「はい」

 

そう言い、めぐみんはトイレにある死体があった場所を見る。

 

「見た限りでは、被害者はトイレの水へと顔を突っ込んで、そのまま溺死したのは分かります。

ですが、溺死する寸前までまったく暴れなかったなどあり得ません」

 

「確かに、自殺しようとしても、無意識に息を求めるはずだ。

それなのに、まるで暴れた痕がない」

 

「この事から考えて、被害者の身に何が起きたのか。

そこで火傷がつながります」

 

「火傷?」

 

「えぇ、ずばり火傷は電気によってできたのです!!」

 

「電気?

なにふざけているの?」

 

「ふざけてなんかいませんよ。

電気に当たった被害者はそのまま身体が痺れてしまい、動けなくなってしまったんですよ。

スタンガンなどで身体が当たれば身体が痺れて動けないようにです。

つまりは、被害者は身体を痺れさせられて、そのまま溺死したんです!!」

 

「はぁ、あのねぇ、確か少しは筋が通っているようだけど、そんなの現実で起きる訳ないでしょ」

 

「いやぁ、でもですね。

あなたが蛇口に触っているならば、全てがつながりますよ」

 

そう言い、めぐみんはジュウオウチェンジャーを構えた。

 

「転生特典である超電磁砲。

電気を操る能力を持っていますし、人を痺れさせる程の電力だって、簡単に操れますよね?」

 

「はっはぁ、何を言っているのっ!!」

 

めぐみんは冷めた目で女子高生を見つめると

 

「大方、それを使ってトイレで変な音を立てて、それが気になった被害者に向けて電気を出したんですよね。

そのまま電気で動けなくなった被害者はそのまま倒れて、トイレの中へと顔を突っ込んで溺死。

運の要素も強いですが、考えられる限りでは、これが当たりですね」

 

「あっあんたっいい加減にっ!」

 

「いい加減になんですか!!

私は、今、結構怒っているんですよ!!」

 

その言葉と共にめぐみんは怒りに震えたように拳を握りしめる。

 

「そんな恰好良い能力を持っておきながら、トイレで自殺させるように見せる!?

馬鹿みたいな能力の使い方をして、私は怒りマックスですよ!!」

 

そう言いながら、めぐみんは何時の間にか手に持っていたジュウオウバスターを構えていた。

 

「あっあいつ!!」

 

何を行おうとしているのか察したりんねは、すぐにジュウオウキューブを取り出す。

 

【ゴリラ】

 

「本能覚醒!!」

 

同時にりんねはジュウオウゴリラへと変身し、その手にはキューブカブトガニを装填したジュウオウバスターを出す。

 

「エクスプロ―ション!!」

 

「カブトシールド!」

 

同時にめぐみんは爆裂魔法を女子高生相手に遠慮なく放ち、ジュウオウゴリラはめぐみんの前に構えたシールドを使い、爆発の衝撃から客や店員を守った。

 

「ふぅ」

 

同時に見てみると、先程まで様々な物が置かれていた棚は無くなり、女子高生は真っ黒になりながら気絶していた。

 

「爆裂!!」

 

「加減を知れ!!」

 

「ぎゃーー!!」

 

自慢するような表情で言っためぐみんに対して、ジュウオウゴリラが拳を使ってめぐみんの両こめかみで挟むように圧迫する。

 

「あぁ、もうこいつの賞金だけじゃ足りないぞこれは」

 

「んっ?」

 

そう思っていると、女子高生から出てきた特典はそのままめぐみんの方へと吸い込まれる。

 

気になり見てみると、全員のジュウオウキューブには新たに追加されたゴリラ以外にもチーターのが追加された。

 

「こっこれは私の新たな形態の誕生です!!」

 

「ちょっと待てっ!!

今でもやばいのに、新しい力って!!」

 

「借金増えますね」

 

めぐみんの歓喜する声とは反対にりんねは落ち込み、クリスはそっと肩を叩く。




今回登場した転生者の戦闘はあまりありませんでしたが、次回からジュウオウシャークの新形態も登場予定です。
記載がまだでしたが、ジュウオウジャーの変身形態はりんねが変身するジュウオウイーグルは原作通りのゴリラとホエールを予定にしておりますので、ジュウオウイーグルは外れます。
また変身形態自体も一人3形態までと考えておりますので、気になる人は早めにお願いします。

今回登場したのは烈 勇志さんの転生者です。
ジュウオウキューブははっぴーでぃすとぴあさんからアイディアを頂きました。
活動報告ではまだまだ募集しておりますので、皆様の応募、お待ちしています。

転生者
NEME:レベル5『電撃使い(エレクトロマスター)』
TYPE:スペシャルアビリティ
賞金:500万円
概要
【とある魔術の禁書目録】や【とある科学の超電磁砲】で登場する少女『御坂 美琴』の超能力。
電撃を操る能力であり、最大出力が10億ボルトに達する電撃や落雷、雷撃の槍、砂鉄の剣や鞭など多数の攻撃技を持つ。また直接戦闘に限らず、能力を利用したハッキング、そして電子機器に対するサイバーテロも可能。
発する電磁波はセンサーの役割を果たしており、空間把握などに応用して死角からの攻撃にも対応出来る。
美琴嬢自身は体に負担がかかるから使っていないが、体内の電気信号の操作も使用する事もでき、生体電流を数パーセントだけ強化する事によって身体能力を強化する事も可能。
特典とは違うが、神器『魔剣創造』を宿しており、魔剣を大量に生み出し、電磁操作によって自由自在に動くビット攻撃を可能としている。

設定:
転生をする前は平凡な女子高生だったが、邪神の戯れで勝手に事故死によって転生された際、強大な力を特典として与えられると同時に性格を歪めるような仕組みをし、結果的に自分こそが思考の存在だ考えるようになり、普段ではその様子を見せない様に振る舞い、夜中頃には自分の気に入らない相手を死なない程度にボロボロにするように裏側では動いている。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。