特典で稼ぐ王者   作:ボルメテウスさん

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第20話 覚醒のクリス

堕天使の討伐依頼が正式に降りた。

 

これまで秘密に動いていたつもりだが、大量のはぐれエクソシスト、さらには契約先の人間の殺害など明らかな行動が見えた為、依頼先から正式な依頼で討伐を行う事になった。

 

堕天使を始め、はぐれエクソシストの危険性が高い為に彼らが逃げないように二つのチームに分かれて、りんね達は行動していた。

 

「私、本当にできるんでしょうか?」

 

そう言いながら、りんねと一緒に行動しているクリスはふと呟いた。

 

「なんだ、いきなり弱気な事を言って」

 

そう言いながら、未だに逃亡しない堕天使の動きを観察しながら、りんねはクリスに呟く。

 

「いえ、私がこの力に覚醒しても、皆さんのように役に立ていなくて」

 

そう自分のこれまでの戦いでの不安を明かすようにクリスは言う。

 

「・・・お前は勘違いしている。

役に立つとかそんなの関係ない。

なによりもクリス、お前にはお前にしかできない役割があるんだ」

 

「私にしか」

 

その言葉に疑問に思っている間に迫りくる気配にりんねはすぐに気づく。

 

「どうやら、話は後だ」

 

「っ!!」

 

その言葉の意味を知り、クリスもまた構える。

 

【イーグル!】【タイガー!】

 

「「本能覚醒!!」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、すぐに姿を変えたりんね達は逃亡しようとする堕天使達を見つめる。

 

「悪いが、逃がす訳にはいかない」

 

「ちっ、ここにも追ってがいたか!」

 

「どうでも良い、ここで殺すだけだ!!」

 

その言葉と共に、堕天使達は各々の手から光の槍を作り出し、ジュウオウイーグル達に向けて襲い掛かる。

 

ジュウオウイーグルはそのまま手に持ったイーグルライザーでその攻撃を切り落とし、ジュウオウタイガーもまたその攻撃を避ける。

 

だが

 

「なっ!?」

 

「きゃっ」

 

彼らの背後から襲い掛かってきた怪物によってその動きは止められた。

 

「こいつらはっ!?」

 

そこにいたのはまるで何人もの女性の体を繋げたような外見をした怪物だった。

 

同時に懐から光始め、その気配から

 

「お前っ転生者!?」

 

「まぁ、そういう事だな」

 

そう言い、下衆な笑みを浮かべる。

 

「まさか、堕天使になっていたとはな」

 

「あぁ、おかげでこういう風に油断した奴らを誘い込む事ができたからからな」

 

「相変わらず、下衆いな」

 

「言うなよ」

 

そう隣にいる堕天使と肩を組みながら言う。

 

「ちっ、まさか人間じゃなくて堕天使に転生した奴がいるとはな」

 

「あぁ、おかげでアザゼルや他の奴も騙せたぜ。

なんたって、人間じゃなければ宿らない力だと思い込んでいたから、こうやった光景を楽しめたからな」

 

「たのしんでいた」

 

その言葉にクリスはゆっくりと呟く。

 

「あぁ、ゲームでも良かったけど、こうやって現実で見ると、本当に興奮するぜ!!」

 

そう堕天使は愉悦な笑みを浮かべた。

 

「許さないっ!」

 

「なにができるというんだ、お嬢さんはははは!!」

 

そう言いながら、馬鹿にするような笑みを浮かべる中で

 

「確かにお前達のような奴らがいるな。

この世界のルールを利用した奴らは。

でもな」

 

「んっ?」

 

そうしていると、ジュウオウイーグルもまた笑みを浮かべていた。

 

「クリスは俺達ジュウオウジャーの中でもたった一人だけ、大きな違いがある」

 

「大きな違い?」

 

「彼女は転生者だ。

転生して、この世界の一つの命として生まれ変わった。

だからこそ、俺達とは違い、この世界のルールも適用される」

 

「ルールって、まさか!」

 

Killter Ichaival tron

 

突然響く、歌声、同時に彼女を拘束していた化け物は吹き飛ばされる。

 

だが、その姿は、それまで身に纏っていたジュウオウタイガーとしての姿でもなかった。

 

その身に纏っているのは純白のボディスーツに赤い鎧を身に纏っており、その手にはクロスボウを持っており、光の赤い矢が装填されていた。

 

「なっまさかっそれはセイクリッド・ギアっ!!」

 

それを見つめると驚きを隠せなかった堕天使達だったが、同時に顔を上げる。

 

「悪りぃが、こっから先は逆転なんてさせるつもりはないからな!!」

 

その言葉と共に、普段の彼女では考えられない荒い口調と共に、クロスボウの引き金を引くと共に光の矢が堕天使に向かっていく。

 

「なんだっこの矢はっ!?」

 

「ぐっ」

 

次々と放たれる光の矢に驚きを隠せずに飛翔しながら攻撃を避ける堕天使だったが、同時にクロスボウの形が変わっていく。

 

先程まで片手で持つのに問題ない大きさのクロスボウから人一人分の大きさのガトリングガンへと変わる。

 

同時に引き金を引くと、その場では痺れる程の音が響いており、堕天使達の翼を瞬く間に散っていた。

 

「ぐっ」

 

「銃って、なんなんっすかっあいつのセイクリッドギアはっ!!」

 

「さぁな、あたしでも分からない!

けどな、てめぇらをぶっ飛ばさないと、今は気が済まないんだよ!!」

 

その言葉と共に取り出したのはジュウオウチェンジャーを手に取り、構える。

 

【ホーク】

 

「本能覚醒!!」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声が鳴り響くと同時に白い鷹の力が宿った姿、ジュウオウホークへと変わる。

 

「っ!?」

 

「疾風の王者 ジュウオウホーク!」

 

その宣言と共にその手には先程までのイチイバルのボウガンが放たれ、りんねを拘束していた怪物を吹き飛ばす。

 

「なっなんだよっこの展開はっ!?」

 

「都合が良すぎるだろ!!」

 

そう言いながら、逃げ出そうとするが

 

「逃がすかよ!!」

 

同時に巨大な弓矢となって、二人の堕天使を打ち抜く。

 

ARTHEMIS SPIRAL

 

「なっ」「があぁ!?」

 

貫かれた二人はそのまま地面へと倒れ込み、同時にその身に宿っていた特典はクリスの元へと回収される。

 

「やったな」

 

「おう!」

 

そう言い、自然とハイタッチした。

 

「んっ?」

 

「どうしたんだ?」

 

そう言いながら、変身を解除したクリスだが

 

「なんか少し、雰囲気変わったか?」

 

「そうですか?」

 

「あれ?」

 

再び話すと、いつもの穏やかな喋り方だった。

 

僅かに疑問に思ったりんねだが

 

「ほら、早く仕事に戻りましょう」

 

「んっあぁ」

 

促されるように、言われ、すぐに向かった。

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