特典で稼ぐ王者   作:ボルメテウスさん

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第27話 揺れない天秤

「クロウの事ですか?」

 

「はい」

 

とある日、りんねと千翼は勉強をしていた。

 

近く、駒王学園に入学する事が決まっている千翼だが、その学力は恐ろしい程に低かった。

 

それは彼自身が頭が悪いという訳ではなく、彼自身の年齢は実は5歳であり、勉強ができる環境がなかったのだ。

 

だが、千翼自身の学習能力は高く、偏差値が高い駒王学園への入学試験日までならば順調に勉強すれば問題ないという事だった。

 

だがめぐみんは頭脳は高いが、教えるのはあまり得意ではなく、トリコは食材関係以外にはあまり強くない為、りんねとクリスの交代で勉強を教えていた。

 

そんな中で千翼はふと、それ以外のメンバーであるクロウについて聞いてきた。

 

「そう言えば、私もあまり関わりが少ないのですが、どういう人物なんですか?」

 

「クリスさんも?」

 

その言葉を聞いて、千翼も驚いていた。

 

「クロウか?

あいつとの出会いは結構特殊でな。

俺がまだジュウオウジャーとして活動前に出会ってな、その時から色々と教わっていたんだ。

それでジュウオウジャーになると決まってメンバーを集める時にクロウに声をかけたんだ」

 

「えっと、それってつまりはクロウさんって、スカウトされたんですか」

 

「まぁな。

トリコも宇宙で活動中に出会ったんだ」

 

「うっ宇宙!?」

 

その言葉に驚きを隠せないようだったが

 

疑問が減る所か増えてしまって、頭を悩ませた千翼。

 

そんな時だった。

 

「りんねぇ、すぐに来てください!!」

 

めぐみんの声が聞こえ、すぐに立ち上がる。

 

「っ!!」

 

ジュウオウチェンジャーから鳴り響く声に驚いた一同だったが、すぐに助けに向かった。

 

向かった先にはジュウオウチーターとジュウオウスナッパーがボロボロの状態になっていた。

 

「これは一体」

 

「お前は転生者」

 

「はい!

そうですね」

 

そう言いながら、この状況を作り出した人物とは思えないような明るい声で叫んだ。

 

「こいつは一体」

 

「厄介な奴ですよ。

何度も攻撃しても、全然倒せないです」

 

「はい、私は決して諦めるつもりはありませんから」

 

そう言いながら身体から溢れ出す力をこちらに向けていた。

 

「こんな悲しみに満ちた世界を変えてやる!人々の幸福を、未来を護る為に、私は戦います!

明日も人々が笑ってられる世界にしてみせます!

だからこそ、金の事しか考えていないあなた達を止めてみせます!!」

 

「それって、誰から?」

 

「見た目は怖いですが愉快な青いおじさんです!

だからこそ、私はあなた達を止めてみせます」

 

「なるほど」

 

その言葉で目の前にいる転生者がバングレイの刺客だという事が分かり、同時にその思考の危険性も分かった。

 

周りの惨状は酷く、人々の事について考えていない事が分かる。

 

だからこそ

 

「まずはこいつの特典についてだな」

 

そう言って、ジュウオウチェンジャーを構えて、その特典を調べると

 

「気合と根性?

違うな、これは」

 

りんねが見た限りでは、能力だけ見れば自身の身体に影響を及ぼすはずのスペシャルアビリティのはずだ。

 

精神にも関与も含めてもそれは不可解で、それなのに、その種類はアンノウンというのは可笑しい。

 

「これは一体」

 

「・・・なるほどな」

 

一同が悩んでいる間に遅れてやってきたクロウは何か分かったようにニヒルに笑みを浮かべる。

 

「どういう事なんだ?」

 

「まぁ見てな」

 

そう言い、取り出したのはスーパーライザーだった。

 

「何か手があるのか?」

 

「まぁな、だけど今まで成功した事のない技だけどな」

 

【ジュウオウエレファント!】

 

その言葉と共に懐から取り出したのは3つのメダルをそのままスーパーライザーに挿入する。

 

【ダイナマン!メガレンジャー!タイムレンジャー!

ジュウオウエレファント!デリートシステム!】

 

その音声が鳴り響くと同時にジュウオウエレファントの身体は緑色の光に包まれると同時に装着されたのは鎧だった。

 

それも見た目はまるでロボットを思わせる見た目をしており、背中には人一人分程の大きさのジェットパックを背負っており、その両手には巨大な大砲を背負っていた。

 

「まったく、始めてのこの形態になったし、危険だと思っていたこれとは相性が良いとはな」

 

「そんな武器を持っていたとしても、私は決して負けるつもりはないですよ!」

 

そう言いながら、転生者はこちらに向けて笑みを浮かべていた。

 

それに対して、ジュウオウエレファントは変わらず、構える。

 

「さて、ここから本番だ。

っ本能覚醒!!」

 

その一言と共にジュウオウエレファントの胸にある結晶から緑色の光が放たれ、銃口をしっかりと転生者に向けた。

 

「これはっ」

 

「クロウ自身が持っている力だ。

揺れる天秤と言われており、その力を使って威力を上げるようだけど」

 

「でも、あいつは」

 

「任せろ」

 

その言葉を聞いた瞬間、りんねは

 

「分かった」

 

「りんね」

 

「俺はクロウを信じる」

 

その一言を聞き、驚きを隠せないめぐみん達だったが

 

「そうですね、頼みましたよ」

 

同時にめぐみんの一言と共にジュウオウエレファントに向けて、目を向ける。

 

「ふぅ、狙い撃つぜ。

ジ・アンブレイカブル・フルクラム」

 

その一言と共に、ジュウオウエレファントは引き金を引いた。

 

同時にハルコンネンⅡの銃口の二つから放たれたビームは螺旋状に収束し、そのまま転生者に向かっていく。

 

「これぐらい気合でっ!!根性でっ!!!」

 

そう言い、ビームを受け止めた転生者はそのまま吹き飛ぶ。

 

吹き飛ばされながら、ゆっくりと崩れ落ち、その身体から光が溢れ、ゆっくりとクロウの元へと辿り着く。

 

「負けた?」

 

その言葉と共に転生者は驚きを隠せなかった。

 

「俺の持つ力は迷いのない判断を力に変える能力。

お前の気合や根性で復活する能力だが、それは言葉ではなく、心から言わないといけない」

 

「そうだよ、だから」

 

「けど、俺はここまで、俺が勝つという事をお前の心に刷り込ませたんだ」

 

「どういう事?」

 

その言葉を聞いてよく分からなかった千翼は首を傾げたが、

 

「新技や新フォームを習得する、成功した事のない技や作戦をいざという時に使用する、遅れてやってきた味方キャラ。

これらは決定的な勝利フラグ!」

 

「それはお前も僅かにだが、確かに思ったはずだ。

そして、クロウの持つ揺れる天秤によって、クロウが絶対に勝つという意思に追い詰められた」

 

「そんな事で」

 

そう言いながら、ゆっくりと転生者は眼を閉じた。

 

「どういう事?」

 

「気合と根性、つまりは精神力だけで因果を歪めて行われる能力だな。

どのような危機でも精神で乗り越える事ができる。

つまりはあいつを倒すには能力や強さ以上に、決してこちらが負ける事のない意思を見せつける。

まぁ俺にぴったりだった訳だよ」

 

そう言ったクロウはゆっくりと転生者に近づく。

 

「とりあえずはこいつを連れていくとするか」

 

そう言いながら、クロウは担ぐ。

 

「クロウさん、あなたは一体何者なんですか?」

 

そう言いながら千翼は疑問に思ったように聞く。

 

「どうしたんだ、新入り?」

 

「俺は他の皆程、あなたの事を知らない。

だからこそ、なんで戦っているんですか?」

 

そう言ったクロウは

 

「他の奴らと変わりないさ、俺は借金を返す為に戦っているだけさ」

 

そうニヒルに笑みを浮かべるクロウに対して、僅かながら、疑問に思いながらも、千翼は頼もしさを確かに感じた。

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