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「こっここが、拠点になる場所」
クリスがたどり着いた場所、そこは駒王学園の旧校舎よりもさらに奥にある老朽化した部室棟だった。
「今日からここに住むぞ。
二階は男子、一階は女子で風呂トイレは共有になっている」
そう言われながら案内された部屋を見ながら、未だに固まっているクリス。
「なんといか、色々と予想外です。
それに借金って一体なんなんですか?」
「それはだな、街で起こる転生者との戦いでの修理代や被害者の慰謝料などだ」
「それって、予算で降りないのですか?」
「最初は降りていたよ。
だけどな「食事はまだですかぁ!」....」
「えっ?」
りんねがクリスに説明している時に扉が開き、見てみると、そこには少女が立っていた。
黒い髪に小柄な体型、紅の目にそれに合わせた赤いジャージに黒いマント。
その他にもなぜか包帯や眼帯など、様々な場所で気になる部分が多い少女が立っていた。
「むっ?
りんね、誰ですか、そいつは?」
「こいつは雪音クリス。
今日から俺達の仲間になる」
「雪音クリスです」
そう言い、クリスは頭を下げた。
「ならば、私も答えましょう!」
そう言い、少女はマントを翻しながら、クリスに向けて指を指す。
「我が名はめぐみん!
転生者を喰らいし青い牙を持ち、爆裂魔法を操る者なり!」
そう言い、めぐみんはクリスに向けて言った。
「あの、ニックネームか何かですか?」
「本名だ」
「えぇ」
あまりの名前に思わず、クリスは微妙な顔をする。
「またですか。
まったく、この世界の人も同じ反応ですか」
「という事はやっぱり別の世界から?」
「はい、一週間程お腹を空いていて、思わず食べたのがジュウオウチェンジャーでそのままジュウオウジャーになってしまいました」
「・・・・」
その言葉を聞いて、既にクリスは眩暈がしてきた。
「私が変身できないのに、そんな理由で」
「なんですかぁ!
私が変身できた理由に何か不満でも」
「いや、絶対にあるだろ」
めぐみんはそんなクリスの態度が気に入れないのか、思わず威嚇するように睨みつけるが、りんねはそんなめぐみんに向けて文句を言う。
「んっ?」
そうしていると、ジュウオウチェンジャーから鳴り響く音に気付くと、りんねは見つめる。
「賞金首がこの近くにいるのか。
めぐみん、付き合え」
「えぇ、私はもうお腹がペコペコで動けません」
「だったら、お前だけ今日の晩飯抜き」
「ふっ私の力を見せてやりましょう!!」
そう言い、先程までやる気のない姿からは想像ができない程に恰好をつけながら立ち上がる。
同時に走り出すと、りんねもすぐに追いかける。
「あの、大丈夫なんですか?
その、私が言うのもなんですか、不安で」
「お前が心配する気持ちも分かる。
確かにめぐみんの言動や行動に不安に覚えるかもしれないが、あいつはあれはあれで頼りになる奴なんだよ」
そう言いながら、彼らは目的である転生者を見つける。
「さぁ見つけましたよ、転生者!
大人しく私達の生活費になってもらいましょ!!」
「あぁ」
そう言っている間に既にめぐみんは目の前にいるてきに向けて宣戦布告をするように杖を突きたてる。
そこで待ち受けているのは背中に蝶の羽を生やした青年だった。
「ふむ」
同時にりんねはその手に持ったジュウオウチェンジャーを構える。
NEME:蠅の王
TYPE:スペシャルアビリティ
賞金:20万円
概要
自身の身体を細胞単位で分割し、様々な大きさ・数の「蠅」を作り出す能力。
ただし、現在は完全に使いこなしていない事もあり、数には限りがある。
「なんですか、あなた達は?
私の邪魔をしないでくれませんか?」
「そうですねぇ、その特典を大人しく渡してくれれば見逃しますが?」
「チンピラです」
「チンピラだな」
めぐみんは既に怒りが爆発しそうな顔で目の前にいる転生者に向けて、暴言を吐いていた。
それに対して、りんねとクリスは同時に同じ言葉を出す。
【シャーク】
「本能覚醒!】
【アーアーアアアーッ!】
その声と共にめぐみんの姿はジュウオウシャークへと変身する。
「荒海の王者 ジュウオウシャーク!」
その名乗りと共に手に持ったジュウオウバスターを構える。
「まったく、品がありませんね。
私はここで退散させてもらいますよ」
その言葉と共に目の前にいた転生者は身体を分裂させた。
「身体がっ!!」
「落ち着け。
奴の特典だ」
「特典って、そもそもここにあるタイプってなんなんですか?」
疑問に思ったクリスはすぐに尋ねると
「タイプというのは、転生者が持つ特典の種類を表します。
武器の特典ならばウェポン、生物ならモンスター、自身の身体に変化するのはスペシャルアビリティ、身に纏い変わるのはアーマー、そのどれもにも含まれない未知のアンノウン。
その5つです」
めぐみんはそうクリスに言いながら、ジュウオウバスターを構えていた。
「奴の能力は確かに分裂していて、逃げられるのは厄介です。
ですがっ!」
「まさかっ、クリス!」
「えっ?」
何が起きるのか察したりんねはすぐにクリスの手を取るのと同時に走り出した。
「光に覆われし漆黒よ、夜を纏いし爆炎よ、
紅魔の名の下に原初の崩壊を顕現せよ。
終焉の王国の地に、力の根源を隠匿せし者、我が前に統べよ!」
同時にクリスの手に持っていたジュウオウバスターの銃先に黒い光が集まりだすのと同時にその先を何もない空間に向ける。
「エクスプロージョン!!」
その言葉と同時に引き金を引くと、そこから溢れ出した炎は一直線に伸び、同時に爆発した。
「きゃぁ!!」
「ぐぅ」
りんねは身に纏った羽織で、迫りくる風をクリスから守りながら、見つめる。
そこには先程まであった全ての物が消え去り、爆発した中心部には気絶した転生者が倒れていた。
「快感!
どうだ見ました新人!
これが私の最強の力、爆裂魔法です!!」
「これがっ爆裂魔法!
でもっなんで敵の位置が分かったんですか」
「そう言えば言っていなかったな。
俺達には動物達の能力を付加されている。
俺は鷲の能力、そしてめぐみんは鮫の能力が備わっていて、目に見えない敵でも音を感じ取って、そこに向けて打ち込む事ができる」
「まさに私の爆裂魔法を高める為にあるような能力です」
そう言い、キメ顔でめぐみんは言う。
そうして戦いが終わり、りんねはすぐにジュウオウチェンジャーを開いて、確認すると
「・・・・」
「という事で、早く帰りましょう。
どうしましたりんね、私の魅力にメロメロになったからと言って抱かなくても良いじゃないですか。
あれ、ちょっと待って、なんで足を持って」
そのまま無表情になると同時にめぐみんの足を持つ。
「この馬鹿鮫がぁ!!」
「ぎゃあぁあ!!」
りんねは血涙を流しながら、めぐみんの足を持ち上げ、ジャイアントスイングを行った。
突然の事で混乱しながら、めぐみんをそのまま投げ飛ばした。
「ぎゃふ!」
「どっどうしたんですか!!」
「これを見てみろ!!」
そう言い、見せたのはジュウオウチェンジャーの画面には被害額が書かれており、全額34万9900円という数字だった。
その数字を見た瞬間、クリスは頬を引き釣りながら、りんねはすぐにボタンを押した。
同時に爆裂魔法によって消滅した全ての景色が元に戻り、代わりにりんねの手元には100円だけあった。
「・・・はぁ、今回はまぁ、これぐらいで良かったがな」
「これぐらい!!」
りんねの言葉に驚きを隠せなかったクリスはすぐに驚きの声を出すが、りんねはすぐにめぐみんの元へ行く。
「さっさと帰るぞ。
まったく」
「うぅ、目が回るぅ」
そう言いながら、めぐみんを抱えたりんねは哀愁漂う背中を見せながら、家へと帰ってく。
「あはは、やっていけるのかな」
そう言いながらクリスもまた彼らと共に家へと戻っていく。