特典で稼ぐ王者   作:ボルメテウスさん

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第4話 狙い撃つ象

「さて、ガララワニのステーキ。

それにアーモンドキャベツのサラダだ」

 

「うおぉ、美味そう!

頂きますっ!!」

 

その一言と共にトリコとめぐみんは目の前にある食事を次々と吸い込むように口の中へと入れていく。

 

「あははっ、それにしても見たことがない食材が多いですね」

 

「まぁな。

ほとんどが魔界産だからな」

 

「魔界産?」

 

「あぁ、この世界には俺達が住んでいる世界の他にも魔界や冥界に天界などがあるんだ。

こいつらはそこから俺が採ってきた」

 

「それって、不法侵入とかにはならないんですか」

 

トリコの一言を聞いて、不安になったクリスは思わず質問する。

 

「それについては心配するな。

俺は依頼を受けていたり、ある程度信頼を得ているからな。

問題にならない程度には取っているからな」

 

そう言いながら、トリコは豪快にステーキを食べる。

 

「そう言えば、最後の一人はどこにいるんですか?」

 

そうしてメンバーが集まっている中で、最後の一人が気になって質問すると

 

「あいつか?

少し探し物をしていてな」

 

そうしていると、テレビに映し出された内容を見る。

 

『日本に近づいている謎の物体については未だに謎が多く確認はできていません。

しかし、船を取り込んでいる事から危険性が高いと考えられております』

 

「飯を食べているが、仕事だ」

 

「えっ?」

 

ニュースを見たりんねはすぐにタンスからとある物を取り出す。

 

「高速火車」

 

「へっ?」

 

一体何が出てきたのか疑問に思っている間にりんね達は外に飛び出し、外に放置されているソリに乗り込む。

 

「それは?」

 

「死神道具の一つで急いでる時に使う道具だ。

本来だったら足だが、全員で使う場合はこうやって」

 

そう言い、ソリに取りつける。

 

「行くぞ!!」

 

「あっはい!」

 

りんねに促されるままに乗り込む。

 

「出発!!」

 

「ひゃっ!!」

 

 

同時に高速火車は炎を放ちながら、飛び始める。

 

そうして、彼らはニュースで報道された場所から少しだけ離れた無人島へと墜落する。

 

「ぎゃふっ!」「がぁ!」「ぶっ!」「きゃ!?」

 

ソリは同時に壊れてしまい、りんねが一番下にめぐみんが重なり、トリコが上に乗りかかり、クリスがその上に座る形になった。

 

「おっ重い」

 

「なっ私はそんなに重くないですよっ」

 

「とりあえず降りるか。

おい、新人、怪我はないか?」

 

「あっはい、なんとか」

 

そう言いながら、4人は態勢を整えながら、彼方に見える物を見つめる。

 

「あれが報道されていたのですか」

 

「あぁ、勘は当たっていたようだしな」

 

そう言って、ジュウオウチェンジャーを見つめると、そこにはバラックシップと名前が記されていた。

 

「それじゃあ、あれも転生者の特典!?

だったら早く止めないと」

 

「でしたら、私の爆裂で!」

 

「止めておけ。

爆裂魔法と合わさった爆発で、ここら一帯が無くなっちまうぞ」

 

めぐみんは既に爆裂魔法を撃つ準備はできたばかりに構えるが、すぐにりんねが止める。

 

「だったら、ジュウオウキングで!」

 

「ここからじゃ、距離が遠すぎるだろ。

その前に蜂の巣だぞ」

 

「だったら、どうすれば」

 

全ての行動ができなくなり、このままでは大きな被害が出てしまう。

 

クリスはすぐに頭を抱えそうになった時だった。

 

「よぉ、遅れて悪かったな」

 

「おぉ!!」

 

その声が聞こえりんね達は見てみると、そこには垂れがちな目尻が特徴的な青年が笑みを浮かべながら現れる。

 

「えっこの人は一体」

 

「俺達のメンバーで最後の一人であるクロウ・ブルーストだ」

 

「あぁ、それにしてもまさか新メンバーが女の子か」

 

そう言いながら、少し残念そうにクリスを見つめる。

 

「えっ、あの私何か」

 

「あっ気にするなお嬢さん。

俺が女嫌いなだけの話だから」

 

「えっ!」

 

クロウから出た単語を聞くと、クリスはすぐに顔を赤くしながら、クロウとりんねとトリコを交互に見ていた。

 

「言っておくが、男色の趣味もないからなぁ!!」

 

「そっそうですか」

 

クリスが何を考えていたのか察したクロウはすぐに大声を出しながら、否定した。

 

「まったく、クロウがそんな言い方をするから彼女は勘違いするんですよ、ホモ」

 

「おい、だから違うと言っているだろ。

たくぅ」

 

そう言いながら、クロウはジュウオウチェンジャーを取り出す。

 

【エレファント】

 

「本能覚醒」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

同時にクロウの姿は緑の象へと姿を変える。

 

「森林の王者、ジュウオウエレファント」

 

そう変身を完了すると同時に武器であるジュウオウバスターを取り出す。

 

「それは確か、めぐみんも持っていた」

 

「あぁ、ジュウオウジャーの共通武器だ。

そして」

 

ジュウオウエレファントが取り出したのは、ジュウオウキューブだった。

 

「それは」

 

「こいつはキューブキリンと言ってな、こういう使い方ができる」

 

そう言い、ジュウオウバスターに装着されている全てのキューブを外し、変形したキューブキリンをそのまま装填する。

 

『キューブキリン~!』

 

その音声と共にキューブキリンはまるでスナイパーライフルを思わせる形へと変形する。

 

「えっ!?」

 

「キューブキリンを始めとしたジュウオウキューブウェポン達は巨大化する他に、こうやって俺達でも使える武器になる事ができるぞ」

 

そう言いながら、キューブキリンが変形した武器、キリンバスターを構える。

 

「でもどうやって攻撃するんですか!?」

 

「ジュウオウチェンジャーを見てみろ」

 

そう言い、クリスはジュウオウチェンジャーを見るが

 

「俺は狙撃は結構得意だからな」

 

そう言い、キリンバスターを構えながら、狙いを澄ませる。

 

「そこだっ!!」

 

その一言と共にクロウは引き金を引く。

 

キリンバスターから放たれた一撃はそのまま光を超えながら、バラックシップに向かって一直線に飛んでいき、船内のある場所へと向かう。

 

「なっ!?」

 

その光はやがて船内にいた人物を飲み込む。

 

「何がって、うわぁ!?」

 

同時にバラックシップの進行は止まり、同時に光となって消えていく。

 

「ふぅ」

 

「えっ何が?」

 

「なに、大した事はしていない。

転生者を気絶させただけだからな

特典は確かに強力だが、転生者本人を倒せばなんとかなる」

 

そう、ニヒルな笑みを浮かべながら、ジュウオウエレファントの変身は解除される。

 

「それにしても、クロウはなんでこんな所に?」

 

「いやぁ、バイトで言っていた蟹漁をしていたんだけど、何時の間にか海に投げ出されていた。

気が付けば、ここでサバイバル生活だぜ」

 

「バイトで蟹漁って」

 

「俺も蟹食いたいなぁ」

 

その話を聞いためぐみんは思わず冷たい目で見ており、トリコは蟹の事を思ったのか涎を流していた。

 

 

「ジュウオウチェンジャーで連絡すれば良かったじゃないですか」

 

「ここ、圏外だから」

 

「ジュウオウチェンジャーって、電波で繋がるんですか!?」

 

その一言に驚きを隠せずにクリスは思わず叫んでしまう。

 

「しかし、お前達が来てくれて脱出できるぜ!!」

 

「そうだな、ソリで」

 

そう言い、見てみるとソリは半壊された状態のまま、高速火車は海に投げ出されていた。

 

「・・・・ソリ、直さないとな」

 

「だっだけど、りんねさんが高速火車を買えばっ!!」

 

「ここ、圏外だから死神道具取り出せない」

 

「・・・・」

 

その後、彼らは力を合わせて日本に帰ってこれたのは3日後の出来事だった。

 




今回は茨木翡翠さんからのリクエストです。
NEME:バラックシップ
TYPE:モンスター
賞金:100万円
概要
全身の磁力は周りの船や戦闘機、飛行機を引き寄せて体の一部にし武装を使用可能にしてしまうほど幽霊船。
自分だけの最強の船を作り上げた結果、最強を認めさせようと街を破壊しに向かっている。
直ちに破壊しなければ街が消える要注意
設定:転生する前から船の整備士をしており転生後も船整備していた
ある日整備していた船が氷山にぶつかり沈没してしまったため、二度と自分の整備した船が沈没しないように積み荷にあった磁力発生装置を自分につけて磁力人間になり周りの船などを引き寄せて自分だけの最強の船を作ろうとし、最強を見せつけに街を破壊しようとしている。

また、今回の死神道具は烈 勇志から頂きました。
名前:『高速火車』
値段:500円
概要:急いで移動する為に使われる死神道具。小型の火車を両足に装備する感じ。

まだまだ、募集中ですので、皆様の応募お待ちしています。

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