特典で稼ぐ王者   作:ボルメテウスさん

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第6話 合体の龍

「うぅ、初登校から学校をさぼってしまいました」

 

あれから一週間、初めての事件から多くの出来事に巻き込まれたクリスは入学してからすぐに休んでしまう。

 

その事もあってか、クリスは周りの目を気にしているが

 

(なぁ、クリスちゃんって、病弱なのは本当か?)

 

(あぁ、今でも大人しいし、間違いないと思うよ)

 

(病弱ヒロインありかも!!)

 

クリスの想像とは反対に、クラスでは大きく祭り上げていた。

 

「何をしているんですか、クリス」

 

そんな事を悩んでいると、クリスに声をかけてきたのはめぐみんだった。

 

「あっめぐみん。

そう言えばお昼だったけど、弁当は「そんな事よりも仕事ですよ」えっ!」

 

めぐみんからの言葉に驚きながらもすぐに真剣な目でめぐみんを見つめる。

 

「ついてきてください」

 

その言葉と共にめぐみんと共にある場所へと向かった。

 

「あのっ転生者がこんな昼から活動しているんですか?

もしかして、学校外に」

 

緊張で手に震えながらも、めぐみんに質問すると

 

「何を言っているんですか。

こんな目立つ所で戦う訳ないでしょ」

 

「そうですよね」

 

その言葉に少し安心して、ため息を吐いていると

 

「つきましたよ」

 

「えっ」

 

そこはテントだった。

 

そのテントの中にはりんねがおり、マスクとサングラスを付け、さらにはニット帽で顔を分からなくしている状態のりんねが何やら並べている。

 

「来たか」

 

「お待たせしました。

ほら、クリスも」

 

「えっえっ!?」

 

戸惑いながらも、クリスは手渡された衣服を身に着けるのだが

 

「なっなんですかこれはっ!!」

 

「売り子の衣装です」

 

そう言われ、身に纏ったのはりんねとめぐみんに比べて、胸元が僅かに見えていた。

 

「クリス。

我々の活動には多くのお金がかかります。

戦闘による被害の修理費、情報での費用、被害者の記憶消去に時には死者の蘇生。

そのようにジュウオウジャーという活動には多くのお金が必要であり、転生者との闘いで得られる賞金だけではとてもではないが生活できません!!」

 

「修理費って、だいたいはめぐみんの爆裂魔法だよね」

 

そんなめぐみんの言葉に思わず突っ込んでしまうクリスだが、そんな事はまるでなかったように話を続ける。

 

「それらもあって、個人でのお金は非常に少なく娯楽も少ない。

人間は娯楽なしで生きられるか?

否、人間は娯楽があってこそ、生きられる。

楽しさのない人生など、死んだも同然です!

だけど、娯楽には多くのお金が必要です」

 

「それで、その、この大量の弁当はなんですか」

 

そう言いながら、見渡すと、そこには大量に積まれた弁当が置かれており、中身を見ながらクリスは尋ねる。

 

「スペース寿司ーションの弁当です。

私が爆裂で驚かしている間に詰め込んだ大量の食材で作りました」

 

「スペース寿司ーション?」

 

これまで聞いた事のない名前に疑問に思ったが瞬時に

 

「ごっ強盗!?」

 

「いえ、我々はそんな事はしません。

これは宇宙にある貝のような生物で、内部に入った生物を寿司を喰っているのに夢中になっている間に捕食する生物です」

 

「なんだか、回転寿司が怖くなりそうなんですけど!!」

 

「問題ありません。

ようするに中で食べなければ安全です。

まぁ暴れていたので、思わず焼き貝にしてしましたいが」

 

「なんだか、酷い」

 

「とにかく、それらの激戦よって手に入れた食材で作り上げたこの至高の弁当を売って、我々の娯楽の為のお金を稼ぐのです!!」

 

「あの、六道さんはそれで大丈夫なんですか」

 

「なに、バイトだと思えば良い。

それにお前だって生活で色々と買い足したいのがあって、来たんじゃないのか?」

 

「いえ、めぐみんに無理矢理連れられてきました」

 

「そうか」

 

「さぁ、そう言っている間にほら、お客さんがどんどん来ますよ!!」

 

そう言いながら、めぐみんの声に合わせるようにどんどん客が山程来る。

 

「えっえぇ、これってどういう事なんですか?!」

 

「学校で寿司なんて普通は食べられないので、この盛り上がりは当たり前です!!

さぁどんどん売っていきますよ!」

 

その言葉に合わせて、山のように積まれている弁当が次々と売られていく。

 

「それにしても、なんでこんなに」

 

(((あの店員さんの胸、最高!!)))

 

そんな中でめぐみんとクリスとは別のクラスの3人組は何度も買いに来ていた。

 

その目的は胸元が見える服を身に纏っているクリスであり、その為か、財布からどんどん諭吉が消えていった。

 

それを見ながら、りんねとめぐみんは黒い笑みを浮かべる。

 

「んっ?」

 

そんな最中、りんねは何かに気付くと、バッグの中に残りの弁当と金を詰め始めた。

 

それに気づいためぐみんもまた、何時の間にか取り出した紙を前に出して

 

「タイガー、逃げますよ」

 

「えっ?」

 

何が起きているのか困惑している間にりんねは現代では見られない風呂敷を持ち、走り出していた。

 

「えっえっ!!」

 

困惑している中でクリスの手を繋ぎ、めぐみんも同時に走り出す。

 

「何が起きているですか!」

 

「追手です。

まさか、こうも早いとは」

 

そう言いながら、焦った顔でめぐみんは言う。

 

クリスは何に追われているのか確認するように後ろを振り返ると

 

「待てぇ!!

 

「そこの不法に弁当を販売している人、止まりなさい!!」

 

「・・・あの、これは」

 

「えっ?

何って、商売が認められてないから、生徒会に捕まりそうになっているんです」

 

「ええぇ!!」

 

その言葉に驚きを隠せないクリスだが、りんねはすぐに横に曲がった。

 

「こっちです」

 

「えっ?」

 

そうしている間にめぐみんの手を引かれて、そのまま横に行く。

 

「なっ!?」

 

「こっちの待ち伏せが分かっていたのか!?」

 

そうしていると、先程まで行こうとしていた道の先には生徒会のメンバーが待ち伏せしていた。

 

「なんで、待ち伏せをしていた相手が分かったんですか」

 

「そう言えば、あなたはまだ覚醒していませんでしたね。

私達にはジュウオウチェンジャーに収められている動物の力を変身していない時にも引き出せます。

りんねの場合は鷲の視力を最大限まで引き出して、隠れた敵を見つけたり、様々な事ができます」

 

「そっそうなんですか」

 

「おい、こっちだ」

 

「クロウ」

 

その一言と共に、クロウが投げた煙幕でそのまま身体を隠した。

 

「クロウ、ナイスタイミングです」

 

「なんで、そんな恰好をしているか分からないが、仕事だ」

 

「仕事?」

 

そう言って、クリスは手に持った弁当を見せると

 

「違う、本業だ」

 

そう言い、ジュウオウチェンジャーを見せた。

 

「ちっ、仕方ない。

行くか」

 

「えっえぇ!

また学校をさぼっちゃう」

 

「ジュウオウジャーだから仕方ないです。

いやぁ、さぼるのは困りますなぁ」

 

そうりんねは普段通りの表情で、クリスは涙目に、めぐみんは笑みを浮かべながら、学校から去っていった。

 

「おぉ、お前ら、ようやく来たか。

遅いぞ」

 

そう言いながら、辿り着くと、トリコは既にジュウオウライオンへと変身しており、転生者を吹き飛ばしていた。

 

「えぇ、着いたのにもう終わり!?」

 

「そうでもないようだ」

 

その言葉と共に、先程まで戦っていた転生者が爆発の中から現れたのは何百というドラゴンが合わさったと思われる怪物へと姿を変わっていた・

 

「情報によれば、ドラゴンズ・キメラ?

この世界の特徴でもある神器の集合のような存在?」

 

「神器ってなんですか?」

 

「さぁな。

でも、放っておく訳にはいかないようだ」

 

そう言い、りんね達は

 

【イーグル】【シャーク】【ライオン】【エレファント】【タイガー】

 

「「「「「本能覚醒!!」」」」」

 

【アーアーアアアーッ!】

 

その音声と共に、りんね達は光に包まれ、その姿は変わっていく。

 

そこに現れたのは各々の動物の力が宿った姿ジュウオウジャーへと変身していた。

 

【キューブイ~グル!!】【キューブシャ~ク!!】【キューブライオ~ン!!】

【キュ~ブエレファ~ント!】【キュ~ブタイガ~!】

 

その音声と共に5人のジュウオウキューブが集う。

 

「だけど、こんな奴を相手にどの組み合わせが正解なんだ!!」

 

目の前にいるドラゴンズ・キメラの迫力、そして牽制するように行う様々な攻撃の種類の多さから、どのジュウオウキングが正しいのか判断に困っていた。

 

「だったら、全部やりましょう!!」

 

そうめぐみんの一言と共に、ボタンを押す。

 

「「「「えっ?」」」」

 

困惑している間にジュウオウキューブ達が合わさっていく。

 

「動物合体!」

 

【4!3!2!5!1】

 

その音声と共にジュウオウキューブ達が重なり、ジュウオウキューブ達を固定するように巨大な一本の槍が重なる。

 

同時にキューブエレファントとキューブライオンのパーツが足へと変わり、キューブタイガーが手となって展開される。

 

複数のパーツが合わさった事により、キューブイーグルの頭部に新たな兜になり、まるでドラゴンを思わせる姿へと変わる。

 

「「「「「完成!ジュウオウドラゴン!!」」」」」

 

同時にジュウオウドラゴンは咆哮と共にドラゴンズ・キメラを睨みつける。

 

「まさか、こんな組み合わせがあったとはな」

 

「クリスもいて、初めてできた合体だな。

だったら」

 

「ガアアァァ!!」

 

ドラゴンズ・キメラは瞬時に複数の腕を伸ばし、ジュウオウドラゴンへ襲い掛かる。

 

だが、ドラゴンズ・キメラの攻撃に対して、ジュウオウドラゴンが構成しているキューブシャークの瞳が光ると、身体が青い刃へと変わる。

 

全ての攻撃を切り裂く。

 

「ガアァア!!」

 

ドラゴンズ・キメラは、そのダメージを受けて、痛みを感じているのか、すぐに辺り一面に様々な攻撃を行う。

 

それに対して、ジュウオウドラゴンは咆哮と共に目の前に出てくる光のキューブを潜り抜けながら、ドラゴンズ・キメラに向かっていく。

 

「ジュウオウドラゴンクラッシュ!!」

 

その言葉と共に、光を纏ったジュウオウドラゴンがドラゴンズ・キメラを貫く。

 

「がっがぁあ」

 

同時にドラゴンズ・キメラは後ろに倒れながら、爆散する。

 

「ふっ決まりました!」

 

「疲れた」

 

そう言いながら、クリスはそのまま倒れてしまい、ジュウオウドラゴンの合体も解除される。

 

「まったくジュウオウドラゴンとはな、本当に面白い組み合わせを考える」

 

「だが、なんとか終わったな」

 

「あぁ、本当に」

 

そんな戦闘が終え、聞こえてきた声に驚きながら、見てみると、そこに立っていたのは新たな転生者だった。

 




今回の食材のアイディアは龍牙さんの物を採用させてもらいました。
食材の名前:スペース寿司ーション
主な生態:
宇宙に浮かぶ巻き寿司で構成された巨大な宇宙ステーションの様な食材。
内部には空気が有り生物が生活できる。下記の二種の食材が栽培されており、それで作られた寿司が回転寿司の様に内部を流れている。なお、酢などの調味料をどうやって調達しているのかは不明。
その正体は寿司ーション自体がその寿司を夢中で食べている生物を餌としてしている貝型の生物。内部を流れている寿司は奥の方へと繋がっており食べているうちに消化器官へと落とされてしまう上に無限に近い迷宮となっているために気がついても脱出は不可能。


食材の名前:魚介樹
主な生態:様々な魚介の切り身がなる樹木。寿司ーションの中でのみ生息する共生関係にある樹木。

食材の名前:銀河米
主な生態:星の様にキラキラと輝く米。モチモチとした食感と美味な甘みを持つ。寿司ーションと共生関係にある

巨大戦での転生者は烈 勇志さんのアイディアです。

NEME:ドラゴンズ・キメラ
TYPE:アーマー
賞金:50万円
概要
【ハイスクールD×D】に登場している龍関係の神器の禁手が混ざった形の鎧を身に纏った男。
ベースは『墮天龍の鎧』ではあるが、頭部が『白龍皇の鎧』のもので、両腕が『赤龍帝の鎧』のものとなっており、背中には『白龍皇の鎧』の光翼だけでなく、『罪科の獄炎龍王』の触手のようなラインと『阿修羅と魔龍の宴』の4本の腕が存在している。能力としては『龍の手』同様に一定時間、使い手の力を2倍にするのだが、それに加え、一時間ほどリミッターを外して正真正銘の「全力」を使って数十倍に引き上げる事が可能。ただし、一時間過ぎてしまうと、暫くは動けなくなってしまう。その他には倒した相手の神器を奪う事が出来る能力を持っており、それを使って多くの神器を宿している。
鎧全体のカラーリングは“茶色”。
誰よりも強い存在である事を証明する為に、あらゆる強敵を倒す意思を持って行動をしている。今のところは二天龍や五大龍王、四大魔王などには挑んではいないが、多くの神器使いを倒しているので様々な能力を使う事ができ、精神的に歪みが出ている事もあって色々と厄介な人物だと言える。

まだ、活動報告でも募集中なので、興味がある人はどんどん来てください。

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