遅れて申し訳ありません(泣)
リアルが忙しくなってしまったのです
それでは第05話、どうぞ!!
追伸
書き方を少し変えてみました。
――朝 IS学園 教室
「織斑君、知ってる?今日また転校生が来るんだって!!」
目を輝かせながら一夏に女子生徒が詰め寄る。それを一夏の両脇にいる箒とセシリアが威嚇する。
「またか?」
一夏が驚くのも無理がない。つい一週間前ジルベール達が転校してきたからだ。
「うん。何でも本当だったら最初からいるはずだったんだけど、その子の都合で途中からになったんだって」
箒とセシリアに睨まれた女子生徒は顔を青くして一夏から離れた。
「へー、そうなのか~。どんな奴なんだろな、ジルベール?」
一夏は興味津々に後ろの席にいるジルベールに聞いた。
「知らん、興味ないな」
素っ気無くジルベールは答える。
「直球ストレートだな。そんなんだからまだ、友達が少ないんだよ」
「余計なお世話だ」
ジルベールは不機嫌そうに一夏を睨む。
「あ、あのさジェスト君。転校初日、山田先生とすごくいい勝負してたよね。もしかして、以前からISの訓練を受けてたの?」
「えっ、そうなのジェスト君!?」
「だとしたら大変なことになるよ!?」
ジルベールの周りに野次馬が集まり始める。
「
ジルベールの発言に集まっている女子たちに動揺が走る。
「ジェストさん、それは……本当なのですか?」
誰よりも早くセシリアが尋ねる、嘘であると願いながら。
「ああ、そうだよ。ISにはまだ一、二回しか乗ったことがないよ」
ジルベールに質問したセシリアを筆頭に集まっている女子たちは驚きのあまり固まってしまった。
「おい、お前たちさっさと自分の席に戻れ」
千冬と真耶が教室に入ってくる。固まっていた女子たちは我に返り各々の席に急いで戻る。
「本日の連絡事項は、学年別トーナメントが近くなっていました。皆さんいい結果が残せるように頑張ってください」
「「「「「はい」」」」」
「なあ、学年別トーナメントってなんだ?」
こっそりと一夏はジルベールに聞いた。
「俺が知るか」
顔を横に向け、窓の外に広がる雲一つない青空を今日もまた眺める。
「最後に、一身上の都合で今までお休みしていた生徒を紹介します」
少女が入ってくる。最初に目を引くのは腰ほどに伸びている長い銀髪だ。その次には、左目の真っ黒な眼帯だ。
その少女は黒板の前で立ち止まる。
自己紹介を始める気配を感じない。緊張からと思われていたがそうではない。
「ボーデヴィッヒ、さっさとやれ」
「はい、教官」
ボーデヴィッヒと呼ばれた少女は千冬に敬礼をした。千冬が教官と呼ばれ教室がざわめきだす。
「私はもう教官ではない。先生と呼べ」
千冬は面倒臭そうな顔になった。
「了解しました」
少女は敬礼を解き、前を向く。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
クラス中が彼女の次の言葉を待っている。
「あの、それだけですか?」
真耶が何も話さないラウラに尋ねた。
「ああ、それだけだ」
ラウラはそういうと一夏の机の前に行き、手を大きく振り上げる。
次の瞬間、乾いた音が響き渡る。
一夏を見てみると頬に綺麗な紅葉のあとがある。一夏は勿論のことジルベールを除いた生徒たちには何が起きたか理解できていないようだ。
「私は認めんぞ。貴様があの御方の家族であることを!!」
「イチカ、こいつのこと
ジルベールは間髪入れずにに茶々を入れた。さらにたちの悪いことにクククと忍び笑いをしている。一夏本人ではないということは理解して。
これを聞いて黙っていられないものが二名ほどこの教室にはいる。
「一夏!!」
「一夏さん!?」
「どういうことか説明してもらうぞ!!」
「どういうことか説明してもらいますわ!?」
「ちょっと落ち着けよ、箒それにセシリアも。俺はそんなことはやったことはないし、第一」
「“振ったこと”はないんだな?じゃあ、付き合ったことはあるのか」
ジルベールの顔はもう悪人面以外何ものでもなかった。早とちりをした生徒(全員)の黄色い悲鳴が教室を揺らす。
「ジルベール、俺と彼女は……」
「『彼女』?確か日本では付き合っている女の人を指すんだよな!」
「『彼女』じゃない。この人とは今日初めて会ったんだ」
一夏の悲鳴が上がる。
「嘘だろう?本当のことを話せよ」
「一夏」
「一夏さん」
ジルベールの表情は依然と同じ表情だ。箒とセシリアは一夏に詰め寄る。
「なんにもないっ」
「黙れ!!」
ラウラが大声で遮る。教室がさっきまでの喧騒が嘘のように静かになった。
「黙っていれば好き勝手に妄想をして。私はそんな醜悪で下賤な人間と一緒にするな!!織斑教官は貴様らのような腑抜けた連中を教えていい御人ではない」
――腑抜けた連中。
その言葉が出ると生徒たちの雰囲気が変わり教室の空気が肌で感じられるほどにピリピリしたものに変わる。
「それにジルベール・ジェスト」
ラウラは一夏の後ろに座っているジルベールの近くに来る。
「おう、なんだ?」
教室に立ち込めている一触即発の空気をものともせず明るく返事をする。
「私はお前のような軽薄で飄々としている奴が嫌いだ。虫唾が走る」
「そうか、悪いな」
実際にはそう言いつつも馬鹿にしているような口ぶりだ。
「だったら今すぐにでもISを降りろ」
ラウラはジルベールを睨む。
「そうはしたいのは山々なんだけどね。今の俺はデータ取りのモルモットなんで」
そう言いながら自分のISの待機状態であるベルトが緩く締まっている首輪を引っ張る。
「だったら私がっ!?」
音もなくジルベールは立ち上がり、ラウラの顔とぶつかる距離まで自分の顔を近づけた。
「そう言えばさぁ~、日本のことわざに『弱い犬ほどよく吠える』っていうのがあるんだよね~」
「貴様ぁぁぁ!!」
ラウラの怒りは頂点までに達した。右腕を振り上げジルベールに殴り掛かる。
「そこまでだ」
今まで静観していた千冬が出席簿でジルベールとラウラの頭を強く叩いた。
「さっきから黙っていれば好き勝手やり追って。ラウラ、今回は初日だから大目に見てやるがまた今度同じことをやったらそれ相応の処罰が下ると思え。覚悟しておけ!!」
「待ってください、教官。何故、私が」
「私に意見するつもりか」
食い下がるラウラを千冬は睨む。
「い、いえ。何でもありません」
「ならばいい。それと」
ラウラの反応を見た後、今度はジルベールを見る。
「貴様は無用にことを荒立て過ぎた。よって今日一日ISは使用禁止だ」
厳しすぎる罰に誰も今この状況で異を唱えられる者はいない。
「わかりました、織斑先生」
ジルベールは無駄に明るく返事をした。
――放課後 IS学園 校内
誰もいない西日が差し込む静かな廊下をジルベールは歩いている。今のジルベールの表情を見た者――特にシャルロット――は驚くことだろう。
とても穏やかな顔なのだ。別段、普段からいる周りの五月蝿い連中がいないからではない。
ジルベールが聞いてきた戦場に鳴り響く音楽と硝煙のあの独特の臭いとは無縁であり今は平和であると噛み締めているのだ。
「ねえ、よかったらお茶なんでどうかしら?ジルベールくん」
唐突に誰かがジルベールに声をかけた。
ジルベールは急いで声がした後ろへ振り替える。振り返った先には人を自然と落ち着かせる雰囲気を持つ水色の髪の少女がいた。だがジルベールは直感で違うと判断した。
「そんなに警戒しなくてもいいじゃない?お姉さん、悲しいわ」
少女はよなよなと泣き真似を始める。
「よく言うよ。今回は気配を感じさせなかったくせに」
「“今回は”ってことは気が付いていたの?」
いつのまにか泣き真似をやめたのか少女は元に戻っている。ジルベールには一つしかない。
「ああ、そうだ」
「じゃ、前回はいーつだ?」
少女はまるで教師が生徒に問題を出かのように尋ねてくる。彼女はジルベールの答えを楽しみに待っているようだ。
「前回は俺が
答えを出して満足そうにしていてもいいはずなのにジルベールはちっともその様子がない。
「あら、気づいていたんだ」
少女はいつの間にか扇子出し、自分の顔を隠すように開いていた。目は見えているのだが全然、嬉しそうに見えない。むしろ、探るかのような目だ。
余談だが、扇子には『正解』と達筆に書かれている。
「そんなの答えられても全然嬉しくないね」
少女は大げさに驚く。それが癪に障ったのかジルベールはフンと鼻を鳴らし腕を組んだ。
「あんな、わざとらしく気配だしているなんて。あれを気が付かないのはデュノアぐらいの素人だろう」
「あなたは素人じゃないんだ?」
少女は依然として扇子で顔を隠している。
「何が言いたい?」
ジルベールは語気を荒げる。そんな様子見て、少女は小さく笑った。
「気分を害したのなら謝るわ。でもね、あなたの今までの経歴からそうせざる負えなかったのよ」
少女は扇子を閉じ、しっかりとジルベールを見据える。
「で、どうかしら。お茶会は?」
並大抵の男なら首を縦に振ってしまうような愛くるしい表情でジルベールを誘う少女。
「嬉しいけど遠慮させてもらうよ」
「そう、ならば『聞かぬなら 強制連行 後輩を』ってね」
少女の雰囲気が変わった。ジルベールはいつでも動けるように構える。同時にジルベールの頭の上から何か大きくて堅そうな物体が落ちてくる。
避ける間のなく、ジルベールの頭に直撃し倒れてしまう。ジルベールは何が起きたか理解できていないようだ。
「私は更識楯無。この学園の生徒たちの長よ。これくらいできて当然よ」
更識楯無と名乗った少女はとても満足そうに倒れているジルベールを見ている。
それがジルベールが最後に見た光景だった。
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