今回は短め。次から異世界書いていきます。ゆっくり更新です。
日常の一コマ
今日もいつもと変わらぬ毎日。変わらずに当たり前のように学校で授業をして、帰って、大学へ行って、就職して、結婚して、家庭を持って、いずれは死ぬ。どこにでもいる埋没したありふれた一般人として僕は一生を終えるとずっとずっと根拠もなく信じていた。あの時まではーーー
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月曜日。あらゆる人間を憂鬱にさせるこの曜日。だが、僕はさほど嫌いでもない。毎日を同じ様にぼんやりと過ごすのだからたいして気になることでもないし、自分にとってはどうでも良いことなのだ。
家から20分くらいで学校に着き、教室へ入る。まだ8時前のため人もまばらだ。いつもなら席について居眠りをするが、今日は昨日買った本、「秘境メシ!」を読み始める。
暫くしてざわざわとし始めた。そんな中、一人の男子生徒がドアをそっと開けた。彼の名前は南雲ハジメ。所謂オタクと一般的には言われる少年。このクラスでは弱者として檜山大介、斎藤良樹、近藤礼一、中野信治の4人に虐めを受けている。ほら、ちょうど彼らに絡まれている。
「よぉ、キモオタ! また、徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」
「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」
正直やかましくて敵わない。思わず眉を潜めるがすぐに何もなかったかの様に装う。俺だってゲームくらいはする。ドラクエやメガテンなんかのRPGはとても好きだ。檜山達だって何かしらゲームくらいはしているだろう。エロゲを南雲が実際にしているかなんて関係ない。ただ、ちょうどいいサンドバッグなのだ。彼らが気分良くサンドバッグを殴っているところを俺も皆も邪魔なんてしない。気分がいいところに水を刺されるなんて最悪だって俺も思う。要は気分、彼らのお気に召すまま。誰だって巻き込まれたくなんてないから関わるなんで持っての他だ。
だが、こんなスクールカースト最低辺ともいえる南雲ハジメにも仏、いや女神が一本の糸を垂らしている。
「南雲くん、おはよう! 今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」
彼女の名前は白崎香織。学校のマドンナ。二大女神と呼ばれるほど美しく、その長い黒髪は艶やかで、形の良い桜色の唇に触れようとして撃墜した男達は数えられないほどいるなんて言われている。最近、やたらと南雲に話しかけていて、彼女のせいでよりクラスが騒がしくなるから彼女のことは周りの男子生徒ほど好きではない。
ここからが朝の難所、ほら天之川光輝たちだ。一人の男は絵本から出てきた王子様みたいな奴、それが天之川光輝だ。ここまでオールマイティ、パーフェクトという言葉がこれほど似合う者もいない。だがちょっと頑固者のようなところがある。まあ、こんな欠点もあるから皆に好かれているのだろうか?
隣の大柄な男は坂上龍太郎。一言で言えば熊。無鉄砲な行動が目立つ単細胞な奴。運動神経がいいというイメージが強い。さっぱりしていて好きなやつは好きだろう。
最後に入ってきた女は八重樫雫。剣道を嗜んでいるらしく、「俺」も一度テレビか雑誌の特集で見た。女子にも凄まじい人気。だが、今の彼女にはテレビで見た凛々しさより苦労さを感じる。前の二人のストッパーだろう。我の強い二人の手綱を握っている彼女はやはり一角の人物なのだと思い知らされる。
「? 光輝くん、なに言ってるの? 私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」
そう聞こえた時、こっちにもわかるほど嫉妬の感情が南雲ハジメを襲った。
見向きもされない男子生徒たちは自分たちより下であるはずの南雲が女神が声をかけられているにも関わらず、素っ気なく適当に返事をしているのが許せないのだ。醜い嫉妬。ドロドロだ。こんなことがあるから彼女は好きになれない。彼女は自分の持つ影響というものを分かっているのか、いや分かってやっているのだろうか?そうだとしたらとんでもない女だ。
友人からも
「あんな女神が好きじゃないなんて変わってんな〜」
と言われるが、何故だろう。何かモヤモヤするのだ。心の内から言葉にならないなにかがつっかえる。彼女の声が妙に心をざわりざわりと波立たせる。やはり何だろうか、彼女は好きになれない。
そんなこんなで担任が入ってきて今日も始まるのだ。
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4限目が終わり、昼休憩。僕はこの時間が好きだ。何故ってお弁当を食べてゆっくりできるから。いつも一緒に食べる友人のクラスへ足を運ぶ。
「あっ」
ふと思い出した。この間弁当を忘れた時、昼食代を借りたんだった。もう近くまで来ていたが、引き返す。後で返そうとするとつい面倒くさくなるからだ。
急いで教室へ戻るとまた例の彼らが騒がしかった。聞こえる内容から察するに朝と同じような痴話喧嘩だった。相変わらず暇な奴らだなと思う。そろりそろりと横を通り、財布から借りた分の700円を取る。
隣の緊張感に当てられたのか、うっかり500円玉を落としてしまう。ころころころと綺麗に転がり、南雲の足で止まった。
すっと一瞬静かになり、物凄く気まずい空気が流れる。これを好機と思ったのか南雲は500円を拾い、見た事がないくらい俊敏な動きでこちらに来て
「ほら、北城君。 これ。」
と言い、俺をだしに使って痴話喧嘩から逃げようとしていた。そんな南雲に呆れつつ、同情していると
ピカリと足元が光った。
何だろうと皆が足元を注視すると幾何学模様は教室内へ輝きと共にあっという間に広がり、教室内を満たそうとする。明らかな異常だ。だが、あまりの異常さに足が動かない。頭の中がぐちゃぐちゃだ。皆も同じ感じなのだろう。逃げられないことに皆も悲鳴を上げている。もう、声にならない叫びとなっている。
たまたまいた畑山先生が
「皆!教室から出て!」
と必死の形相で叫ぶと同時に教室は光に満たされた。
暫くして光が収まった。
そこにはいたはずの人間達は居らず、只々500円玉が太陽光を反射し、ピカピカと光っているだけだった。
書いてみたけど本当に他の作者さん方や原作を作った方々はすごいなと改めて思った。尊敬する。