ヒーリングっど♥プリキュア 〜医神と地球の戦士〜   作:ゆぐゆぐ

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スパークル「めっちゃ可愛い!すごーい!!(≧∇≦)」に尊死して中々執筆出来てませんでした。


第3節 思わぬ出来事

 最初ののどかの体験入部は陸上部だ。

 ハードルや走り幅跳びなど、うちの陸上部は種目が充実しているが、今日は走り高跳びに挑戦するらしい。

 走り高跳びと言えば、同じクラスの沢泉ちゆが得意とする競技だ。今ウォーミングアップがてら一度跳んだが、あまりにも自然で綺麗すぎるフォームに周りは揃って拍手をしていた。

 

「のどかはきっと最高の記録を叩き出すラビ!」

 

「何で分かるんだよ?」

 

「キュアグレースの活躍を見たら分かるラビ!」

 

 僕はラテと一緒に避難していたから、その場の活躍を目にしていないんだが、そんな凄いのか。

 確かに、怪物がボコスカ殴られてる音はかなり響いていたけど、頼もしい姿に変身したとはいえ、あののどかが全部やったとは到底思えないとどうしても疑ってしまう。

 

「よし……!」

 

 今の高跳びのバーはかなり低めに設定されてある。

 素人でも跳べる高さだから大丈夫だとは思うが……。

 

「とっとと、うわぁ!」

 

「「「え"っ」」」

 

 そう思っていた僕が馬鹿だった。というか、跳べる跳べない以前の問題だった。

 足の筋力が弱いのか踏み込みが絶望的なのかは分からないが、跳ぶ直前でコケたりバーに直接ダイブしたり、終いにはバーを掴んだりと大方予想はしていたが、ここまで運動音痴だとは……。

 

「嘘、ラビ……?」

 

 ……いや、のどかには難しい競技だったんだろう。

 

 今度はテニス部の練習場へと向かう。テニスならラリーとかで軽いボールしか来ないと思うし、変な所へ飛ぶならまだしも空振りはしな……。

 

「てぇぇぇい!!」

 

「嘘ラビィ……?」

 

 声を上げてもボール見て打たなきゃ意味ないぞ。

 ……全然笑えない状況なのに見てて癖になってきたというか、面白くなってきたのはこれいかに。

 

 次は剣道場、もう不安でしかない。その前にまともに戦えるかって話なんだが。

 

「お、重い……ぁっ!」

 

「嘘ラビィ〜!?」

 

「いや分かりきったことだろ」

 

 それより今何かが潰れたような声出さなかったか……?どう聞いても人間が出す声じゃないと思う。

 

 こうして、のどかの体験入部は終わりを迎える。

 今のラビリンは「のどかには失望したラビ」と言わんばかりの表情だった。

 気持ちは分からなくもない。過度に期待すると外れた時の落胆さは凄まじいという所だけだが。

 

「お疲れさん」

 

「ありがと〜、はぁ……情けない所たくさん見せちゃったなぁ」

 

「そんなことないぞ、とても面白かった」

 

「……それさりげなくディスってない?」

 

 別にディスったつもりはない。優しさは時に人を傷つけるとは言うが、ストレートに「お前運動神経なさすぎだろ」と言うよりかはまだマシだと僕は思うけどな。

 

「ホントに情けないラビ!プリキュアの時はもっと鮮やかに飛んだり跳ねたりしてたラビ〜!」

 

「あはは、実は私あんまり運動得意じゃないんだよね。体力無くて……」

 

 そんなのどかの言葉を聞いたラビリン。しばらく困惑した表情が続くと、俯いてぽつりと呟く。

 

「……もうのどかとはやっていけないラビ」

 

「えっ……?」

 

「ラビリンは新しいパートナー探すラビ!」

 

 そう言って投げやるようにこの場を去るラビリン。その後を追うようにペギタンも空へと飛び去って行った。

 僕とのどかとニャトランで気まずい雰囲気となってしまったが、どうするべきか……。

 

「花寺さん、飛鳥」

 

 背後からの声に、ニャトランはそそくさとのどかの鞄の中に隠れる。

 振り返ると、スポーツドリンクを抱えたジャージ姿のちゆだった。何でご丁寧に3本も持ってんだよ。

 

「沢泉さん!」

 

「これ、もし良かったら」

 

 ちゆはのどかに手渡しで「はい」とスポドリを渡す。

 一方、僕の場合は「そーれ」と下から投げるように渡してくる。普通に渡せよとは思うが、いつものことなのでそこまで気にしてない。そっちより、水筒持ってくるの忘れたからありがたいという気持ちの方が強かった。

 

「花寺さんって本当は運動が苦手なんじゃなくて、やったことないんじゃない?」

 

「え、何で分かるの?」

 

「なんとなく、どれだけ動いたらどれだけ疲れるかが分かってないように見えて」

 

「ちゃんと運動やってる人には分かるんだね。私はずっと見てただけだったから」

 

「見てた、だけ……?」

 

 ということは、のどかは病弱なのかは分からないが何らかの事情があったってことなのか……?

 

「うん。だから、今色んなことをやってみたくて仕方ないの。すぐ疲れちゃうんだけどね〜」

 

「最初は欲張らないこと、かな。まずは基礎体力をつけて、自分が一番やりたいことをやれば良いと思う」

 

「一番、やりたいこと……」

 

 

 

『メガビョーゲェェェェェン!!!!!』

 

「今のって!」

 

「またかよ……」

 

 地面が揺れる程の咆哮、またメガビョーゲンが現れたらしい。あの怪物を生み出してる奴でもいるのか……?

 

「え、あ、ちょっと!」

 

 生徒達が校外へと逃げ、教師達が避難を誘導する中、僕とのどかは呼び止めるちゆの声を無視してメガビョーゲンの元へと駆けつける。

 

「酷い……」

 

 昨日のとは違って、目の前には大樹の形をした、御伽噺の怪物のような不気味なメガビョーゲンがグラウンド中を暴れ回っていた。

 

「おいどうするんだ。あのちびうさがいないと変身出来ないんだろ?」

 

「うん……ニャトランはどう?」

 

「……ニャッ!?」

 

「試してみようよ!」

 

「えぇ……」

 

 これは名案だ!と言わんばかりののどかのドヤ顔には、ニャトランも何も言えず、大人しく変身の態勢を整える。

 

「「いでっ!!」」

 

 案の定、変身は出来なかった。

 ニャトランがヒーリングステッキに突撃した挙句、その衝撃で互いに倒れてしまう。どんだけ石頭なんだ、この猫。

 

「やっぱダメニャ〜……」

 

「じ、じゃあ飛鳥くんとニャトランだったら?」

 

「無理に決まってるだろ……!」

 

「だよね……」

 

 ……あの、こんな事態ってこともあるんだろうけど、そんな残念そうな顔されると凄く申し訳なく思ってしまうんだけど。いや、本当に悪かったから、今度何か詫びるから……。

 

「他に何か、私に出来ることは……」

 

 ラビリンがいないおかげで地面が、花壇がドス黒く染まっていく。このままだとメガビョーゲンへの被害が拡大してしまう……。

 

「え、飛鳥くん!?」

 

「あいつが来るまでの時間稼ぎだ、何とかなる」

 

 僕は制服の袖をまくり、全身のストレッチをする。

 これ以上の被害を防ぐためにも、奴の動きを縛って拘束する。倒すことが出来なくとも、身動きを封じることなら出来る可能性はあるだろう。

 とりあえず、そこに解かれてあったテニスコートを持ってきたのは良いが、両端の紐を何処かに縛りつけないといけない。

 

「私も手伝う!」

 

 自分だけ何も出来ないのが居た堪れなくなったのか、のどかも片端の紐を持ってメガビョーゲンに立ち塞がる……剣道の防具とラケットを持ちながら。

 どこから持って来たんだよ、正直テニスラケットくらいは僕も欲しかったな……。

 

「こっちだよ、メガビョーゲン!貴方なんて怖くないんだから!」

 

 敵をこちらに誘き寄せるように、ラケットを振り回しながら挑発する。

 対して、メガビョーゲンはその挑発に乗るように迫ってきた。

 

「せーの……!」

 

 のどかの掛け声と共に、コートを引っ張り上げていく。

 近くの木に紐を縛り付けた一方、メガビョーゲンはのどか目掛けて追いかけているので、全力疾走で逃げていた。

 

『メガ……!?』

 

 だが、コートの形が整ったおかげで、メガビョーゲンは上手く前へ進めなくなった。案外簡単に引っかかってくれるんだな。僕はのどかの元へと駆けつけて、2人がかりで更に引っ張り上げる。

 

『メガビョーゲェェェェン!!!』

 

「うわぁ!」

 

 しかし、怪物ごときがこんなので苦しむ訳もなく、メガビョーゲン自身の怪力で僕達を吹っ飛ばした。

 

「無駄なことやってるな、早くやられろよ」

 

 校舎の屋根から、少年が姿を現して僕達に気怠げに言い放つ。

 ……こいつが怪物生み出した犯人か?

 

「無駄なことってのは分かってやってんだ、それくらい考えろ馬鹿」

 

「うっざ……メガビョーゲン、あいつからぶっ潰せ」

 

 自分のストレスをメガビョーゲンにぶつけさせようとする少年。ジャ◯アンとスネ◯の関係かこいつら。

 

「……鬼ごっこで時間稼ぐしかないな」

 

 怪物は僕にだけ矛先を向いているはず。それなら逃げ回って相手に疲労感を与える作戦に変更した方が良いだろう。

 

「足鈍ってるけど大丈夫?そんなんじゃ捕まるよ?」

 

 流石に背中を叩きつけられた痛みのせいで、運動をあまり好まない僕自身も体力がかなり消耗している。メガビョーゲンも先程の怪力で体力を使っているから同様にバテていた。

 

『メ、メガ……!』

 

「ハァ……お宅のペットも息荒くなってるぞ?デカい身体が響い……あっ」

 

 流石に身体が限界を超えたのか、思うように足が動かずバランスを崩してしまう。立ち上がろうにも怪物はすぐそこまで近づいていた。

 ……何も出来ないんだったら、のどかと一緒に大人しく逃げれば良かったかな。

 

『メガ、ビョーゲ……ンンンッ!?』

 

 死を覚悟したその時、突然メガビョーゲンが怯み始めた。

 

「は……?」

 

 僕の前には、明らかに普通じゃない大きさの大蛇の姿をしたドス黒い影が、メガビョーゲンを強く巻きつけていた。

 その大蛇は息を荒くしながら、メガビョーゲンの頭部を睨みつけている。メガビョーゲンの体内のエレメントさんの存在に気付いて、丸呑みしたいのを我慢しているのだろうか。

 

「お待たせ、飛鳥くん!」

 

「……あぁ、やっとか」

 

 あまりの光景に唖然としている内に、ようやくラビリン達が到着し、のどかはキュアグレースへと変身していた。それと同時に、大蛇の影は霧が晴れていくようにスーッと消滅していく。

 グレースの攻撃にしては色が暗かったから、他にもプリキュアが近くにいるのか……?僕は挫いた足を引きずりながら場を離れて避難する。

 

『プリキュア・ヒーリングフラワー!!!』

 

 ヒーリングステッキから放たれる光線をメガビョーゲンに浴びせると同時に、体内のエレメントさんを引き剥がすように救出した。

 

『ヒーリングッバイ……』

 

「「お大事に」」

 

 ホントにあっさり倒したな……。今回でプリキュアの……グレースの頼もしさを改めて実感する。

 最後に、木のエレメントさんとラビペギが頑張って運んで来たラテの状態を確認し、戦いは終わりを迎える。

 

「飛鳥くん、足大丈夫?」

 

「軽い捻挫だ、すぐに治る。というか、お前ら仲直り出来たんだな」

 

「のどかとラビリンは最高のパートナーラビ!」

 

「「ねー!!」」

 

 今回はお互いを良く知ってなかったが故に起こった、ちょっとした事故だからな。これから本音を言い合える仲にもなれるだろう。

 

「私ランニング始めるね!」

 

「体力作りラビ!良い心がけラビ!」

 

「調子に乗って全力疾走しそうだな」

 

 色々思うことはあるが、今回はこれにて一件落着。この後も面倒なことが起こらないと良いが。

 

 

 

「「あっ」」

 

 草むらに隠れていたちゆと目が合うまでは、そう考えていた。

 

 




次回から本格的に戦闘描写書かないといけないと思うんだけど、この時点で上手い表現が全く持って出来てないのよね…()とにかく経験を積まなきゃ、ですかねえ……。
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