ヒーリングっど♥プリキュア 〜医神と地球の戦士〜 作:ゆぐゆぐ
結局、ひなたをとっ捕まえる事が出来ずにのどか達と合流させてしまった。
だが、これは不味いことではなく、プリキュアになるに相応しいか、パートナーとなるのに相応しいかを試すニャトランの作戦だそうだ。
「うえぇぇ!?うっそ何あれガチ怪物じゃん!?てかこの状況なんなの……?何で真っ黒?可愛い物全部台無しなんだけどぉ!」
『重なる二つの花!キュアグレース!!』
『交わる二つの流れ!キュアフォンテーヌ!!』
「え……!?」
のどか達がプリキュアに変身したところをひなたにがっつり見られてしまっているが、それでもニャトランは様子を伺っている。
「来たな、プリキュア!」
「あれは!?」
「ビョーゲンズの『グアイワル』ラビ!」
「貴様らの力、この俺に見せてみろ!行け、メガビョーゲン!」
今回のメガビョーゲンは特撮に出てきそうな怪物ではなく人型の怪物……巨人というべきか、そんな姿をしていた。
今まで戦ってきた奴らよりも身軽そうな身体をしているので少々厄介そうだが……。
「「はあーっ!」」
グレースとフォンテーヌ、二人で一斉に攻撃を仕掛けていく。
フォンテーヌはそのまま蹴りを何発か入れて敵を怯ませようとはするが、そう簡単に事は成してはくれず、メガビョーゲンはフォンテーヌに薙ぎ払うように反撃した。
「たぁーっ!」
対して、グレースは相手の隙を見つけるとその部位目掛けてハート型の気弾を放った……
「止められた……!?」
のだが、グレースの放った気弾を片手でバリアを張って止められてしまう。それどころか、バリアで受け止めた物をグレースへと跳ね返していく。
「フォンテーヌ、大丈夫!?」
まさかオウム返ししてくるとは思わず困惑していたが、なんとか回避することが出来たグレース。攻撃を喰らってしまったフォンテーヌの元へと駆けつけて容態を確認する。
「大丈夫。それよりも、技を返してくるなんて」
身体能力だけでなく知能も高いのだろうか。あんなバカデカい気弾を軽々と跳ね返す奴なんて流石に強すぎやしないかね。
「プリ、キュア……?」
「ひなたちゃん!?」
「避難したはずじゃ……?」
ひなたが零した一言にやっと僕達の存在に気付いたグレース達。
一方でニャトランはのどか達がプリキュアだという秘密、メガビョーゲンについての秘密がバレた上でどういう行動を取るのか注意深く伺っていた。
しばらく何も言わずに俯いてるひなたに、僕は少し声を掛けてみる。
「もう分かったろ、僕達が助けに行ったところで足手ま」
「め────────────────っちゃ可愛い!!!!!!!!!!!!」
「「「は?」」」
メガビョーゲンも含めて、この場にいる全員が変な声を出してしまったと思う。
無理もない。こんな生死を分けられるかもしれない危機的状況に巻き込まれた人間が放った一言だったのだから。
「えー何々めっちゃ可愛い!どうやって着替えたの?魔法??誰デザイン???もうめっっっちゃ可愛い~!!」
「ニャハハハハ!さっきまであんなビビってたのに何だそれ!」
「え、あ、いやぁつい…………そう言われたら怖くなってきちゃった」
忙しい奴だな。そんな勢いが止まらないひなたに思わず昭和のノリでずっこけてしまう。
「……あ、いかんいかん!メガビョーゲン!!」
『……メ、メガァ!!!』
敵さんも見かけによらず予想外の事態に唖然としていたようで、ハッと我に返ると、慌ててメガビョーゲンに指示を出した。
すると、今度は首に巻いていたマフラーを利用してプリキュアの身動きを封じてしまう。オールマイティな能力と怪物ならではのパワーで苦戦しているようだ。
「コラーッ!二人を離しなさいよ!!」
「ちょ……!」
不意に、ひなたがメガビョーゲンの真下へと飛び出した。
「これ以上何かしたら許さないからねー!!」
「だから飛び出すなって、この馬鹿!」
このままだと踏み潰されるのは目に見えているのに、何故プリキュアでもない奴が自ら危ない方へ進もうとするんだ。そんなひなたを僕は強引に連れ戻そうとする。
だが、怪物は逃させてはくれず、大きく足を地面に叩きつけて踏みつけようとしてきた。
「ひなた!」
とはいえ、足の影のおかげで危険を感知し、寸前で回避することが出来た。
だが、怪物の一撃は重く、踏みつけた風圧で近くの建物へと吹っ飛ばされてしまう。
「無事か二人共!」
軽く吹っ飛ばされた衝撃と、ひなたに下敷きにされてるおかげで被害は多少巻き込まれたものの、自分の身には何ともない。
「ちょっと飛ばされただけ、これくらいへっちゃらだよ!それより、あっくんは大丈夫?怪我ない??」
「……?」
自分よりも他人を心配する彼女に、ニャトランはどうしても引っかかっていた。
「運良く…………僕も僕で危機管理出来てなかったかもな」
ちょっと重いから降りてくれとか言い出しかけたけど、そんなこと言ったら今度こそ命が危ない目に合うかもしれない。声を詰まらせておいて良かった。
「フッ……お前最高だよ!やっぱ俺ひなたの事気に入ったぜ!」
そう言うと、ニャトランの手の肉球から黄色に輝く光が放たれる。本当に心に来ていたんだな。
「なぁ、俺と一緒にプリキュアにならないか?」
「えっ?あたしもなれるの?」
「あの怪物……ビョーゲンズから地球を守るんだ」
「地球を、守る……」
「そう、お前の中の好きなものや大切なもの、全部お前の手で守るんだよ。お前ならそれが出来るし、俺はどうしてもお前と組みたい!」
ニャトランはやはりどうしてもひなたとパートナーになりたいんだろう。
ひなたと力を合わせて地球を救いたい、その一心はこれからも絶対に変わることはない。
「……うん、分かった!」
そんなニャトランの思いが届いたひなたは、すぐにプリキュアになることを決意し、立ち上がって再びメガビョーゲンの元へと歩き始めた。
「……大丈夫なのか?」
「ハァ、心配性だなお前は」
否定出来ない。
ちゆの時はプリキュアになることを誘導してしまったが、あの時も今と同じように複雑な気持ちだった。
結果的には頼れる存在になったけど、どうしてもメガビョーゲンに立ち向かう姿を見ているとビビってしまう。
あんな出来事があってから、僕は弱い人間になってしまったのだ。
「安心しろ、俺とひなたの相性はきっと最高だ!」
そんなクズを、ニャトランは優しく励ましてくれた。
正直説得力はないが、むしろこうやって端的に言ってくれるとニャトランらしいというか、安心感が芽生えてくる。
「ひなた、この光のボトルをヒーリングステッキにセットするニャ!」
「OK!」
ニャトランの助言通り、ボトルをステッキにセットすると、徐々に姿が変化しプリキュアへと変身していく。
「「溶け合う二つの光!キュアスパークル!」」
キュアスパークル……閃光のように足が速いひなたにはピッタリの名称だ。
「いかん!2人が3人に増えた!」
「えぇ〜!めっちゃ可愛い!すご〜い!!」
相変わらず目の前の光景そっちのけで自惚れているスパークル。
今さっきまでグレース達の姿を見て興奮していたし、まさか自分もこんな格好をするとは思わなかったのだろう。
「くっ……!こうなったらメガビョーゲン行けぇ!」
『メガァ!』
「来る!?」
「跳べ!」
そう指示されたスパークルは、勢いよくジャンプする。
流石はプリキュアの力。一般人とはかけ離れた身体能力で屋根まで跳び上がった。
「うわすご!」
「俺のパートナー、このまま行くぜ!」
「OK!」
スパークルは一呼吸入れると、閃光の如く駆け出した。
一瞬にしてメガビョーゲンの目の前へと辿り着くと、顔面に蹴りを二、三発入れて縛る力を抜かせる。
そのまま怪物は倒れ、グレース達の拘束が解けて動けるようになった。
「さぁ!一気に倒しちゃおう!!」
「倒すんじゃない!浄化するんだ!」
「浄化?どうやるの?」
「取り敢えず、肉球タッチするニャ!」
「「キュアスキャン!」」
キュアスキャンでメガビョーゲンの体内にいる光のエレメントさんを見つけ出す。
「えっ!なんか可愛いのいる!」
「あそこに捕まってるエレメントさんを助けるんだニャ!」
「あ〜そうゆう事!」
「デビュー戦このまま決めるぜ!」
『プリキュア !ヒーリングフラッシュ!!』
ヒーリングステッキから放たれる光線でメガビョーゲンを浄化し、光のエレメントさんを体内から引き剥がした。
「ヒーリングッバ〜イ」
「「お大事に」」
グレースとフォンテーヌでさえ二人掛かりで苦戦していたのに……ついつい感服してしまった。
「勝ったの!?やったー!あたしすご〜い!イエーイ!お疲れ〜!!」
一件落着したことを悟ったひなたは、のどかやちゆと喜びを分かち合った。
「プリキュアか〜!のどかっちもちゆちーも凄いね!何か、戦うお医者さんって感じ!」
「お前もだぜひなた。これからも俺と一緒にお手当てしてくれるよな?」
「良いよ!だってみんな困ってるんでしょ!?これからも宜しくね!!」
のどかとラビリン、ちゆとペギタン、ひなたとニャトラン全員がお互いのパートナーを見つけることが出来たわけだが……。
僕にとっては何処かそれがもどかしく、悔しく感じてしまう。
もしかすれば、彼女達に嫉妬心を抱いてるのかもしれない。僕にはどうしても悪に立ち向かえる勇気が出ないのだ。
もう……失いたくないんだよ。
次回はオリ回です。
もしかしたら等々飛鳥くんがプリキュアに…いやなるんかな?ならへんかもしれへんわ、予告すんのやめとくわ。確信がないわ