ヒーリングっど♥プリキュア 〜医神と地球の戦士〜   作:ゆぐゆぐ

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アポ復刻は剣トルフォとモーさんとアキレウス狙ってましたがどれも出ませんでした。代わりに持ってなかった騎アストルフォが出ました。そんなことよりオリュンポスのCM良かったにぇ!


第8節 キズナ水族館

 僕にとって担任の授業ほどだるくなる授業はないと思っている。

 しかも今回の授業はほとんど一年にやった事を復習するだけの典型的なもの。覚えたことを骨の髄まで更に叩き込まれてる気分で嫌気がさすので、授業の後半で触れるであろう教科書の後ろのページでも読みながら時間を潰していた。

 

「光合成に必要な物とは何か……平光」

 

 ……反応がない。

 先生にバレないように後ろをチラ見すると、授業そっちのけで外の景色を眺めていた。

 退屈なのは痛いほど分かるけれども、軽く机を叩いてみる。

 

「うぇ!?あ、ええっと……」

 

「光合成に必要なものは何か、だって」

 

 ひなたの戸惑いに、のどかがフォローするように教える。

 

「ああ、光合成……分かりません」

 

「一年の内容だぞ……では、沢泉」

 

「はい」

 

 と、ちゆがスラスラと正解を答えたことによって、授業は再びスムーズに進んでいく。

 

「うぅ、またやっちゃった……」

 

 彼女のこの異常な落ち込み様は一年の頃から変わっていない。

 たとえほんの些細なことであろうとも、こうして自分に視線が集まらないように顔を何かで隠してブツブツとネガティブな発言を繰り返している。まあ当時はそこまで仲良くしていなかったので、何もせずにそっとしておいていたのだが。

 

 こうして本日最後の授業が終わり、下校時間となる。

 

「ねえ、ひなた」

 

「え、な、何?」

 

 ちゆの呼び掛けに恐る恐る返事をする。

 

「覚えるのが苦手なら、メモを取ると良いと思うの。書いたり読み直したりすると頭に入りやすいでしょ?」

 

「あーごめん、そうだよねー……」

 

 未だに気にしているらしい。

 ちゆのアドバイスを説教されていると思ってしまっているのだろうか。ちゆ自身も上手く言葉が伝わらなかったのかと複雑な表情をしていて、どうも僕とのどかは気まずくなってしまう。

 

 その後、ちゆは部活に行くとのことだったので、のどかとひなたと三人で下校することにした。

 

「ちゆちー、きっとあたしの事怒ってるよね……?」

 

「そうかな?そんな風には見えなかったけど」

 

「あたし、プリキュア辞めた方が良いのかも」

 

「ニャンだってぇぇぇぇ!?」

 

「ニャトラン、今まで仲良くしてくれてありがとう……」

 

「何で急にそうなる」

 

「だってあたし、物覚え悪いしおっちょこちょいだし、皆に迷惑かけちゃうんじゃないかって……。この前だってあたしが変に飛び出したからやられそうになったんじゃって思っちゃって」

 

「そんなことないよ、プリキュアになりたてなのは皆同じだよ」

 

 前回のは流石に相手が悪かった。どのフォーメーションを練っても崩れていただろう。近接も遠距離も手強かったあいつが撒いてくれたというのは奇跡もはや奇跡に近いものだ。

 言い方が悪いが、あのおかげで僕はプリキュアとして戦う身になれた。地球を救う身になれたのだから、むしろ感謝するべきだろう。照れくさくて言えないのが本音。

 のどかがどうにか宥めるも、まだ納得いってないそうで。

 

「じゃあどうすれば良いのかな……」

 

 そう言われると一同返答するのが難しくなってしまう。

 普通ならいつもと同じ感じで友達作ればいいだろと単純な答えが言い切れるのだが、ひなたとちゆでは性格が違いすぎる。とはいえ、仲間としてお互いを知り尽くさなきゃいけない。どうするべきだろうなあ。

 

 

 

 

 

 ──ー

 

 

 

 

 

「んぁ……」

 

 その答えが見つからないまま、ベッドの上で寝てしまった。

 いつ寝落ちしてたかも覚えてない。恐らく家着いて身支度してすぐだと思うけど、相当疲れてたのだろうか。疲れることしてないのに。

 時間的にまだ両親は帰ってこないだろうけど特にやることがないし、勉強もゲームもモチベがない。

 

 

 

 ♪♪♪♪♪♪

 

 

 

 突然、スマホのアラームが鳴りだした。珍しく電話かかってきたな。

 

「……はい」

 

「もしもし、花寺です」

 

 通話の主はのどかだった。けど、いつにもまして真剣そうな声音で少し驚いてしまう。もしや家電と勘違いしてるな?

 

「……そんな畏まらなくても良いだろう。僕のスマホにかけてるんだから」

 

「あ、そっかごめん。それでね……」

 

 

 

 

 

 ──ー

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 

「おはよう!」

 

「ん」

 

「おはよう」

 

「お、おはよう……!」

 

 こんな休日の早朝から待ち合わせ場所に集合するプリキュア一同(とヒーリングアニマル達)。

 昨晩ののどかとの電話の内容は、水族館に行こうという誘いだった。

 というのも、のどかのお母さんが水族館のチケットを人数分貰ったらしく、ちゆとひなたの事について話したら一緒に行ってきなさいと言われたそうだ。

 女子三人の中に僕いるか?とは思ったが、流石に今更感が半端なかったし、何よりのどかからの誘いってなるとどうにも断ることが出来なかった。それでももしクラスの男子に遭遇したら面倒なことになりそうだと思ってしまいがちだけど。

 

「ねえねえ、最初どこ行く?」

 

「じゃあ、あたしイルk……ちゆちーの行きたい所行こ!」

 

 次の日になるとすっかり平常運転に戻るってイメージだったが、流石に友人関係ってなると未だに根に持ってしまうか、まあ当然だな。

 

「え、私は何処でも良いけど……飛鳥は?」

 

 そこで僕に振るのかよ……。

 同じく何処でも良いんだけど、ひなたが言いかけた奴にするか。

 

「……もうすぐイルカショー始まるから、そこで」

 

 という訳で僕達はイルカショーの会場へと足を運ぶ。

 

 

 

 かなり久々にイベント系のものを見たが、思ったよりも楽しめた。他の三人も大分楽しんでいたからだとは思うけど、まだ僕にも少年心というのが残っていたらしい。

 

「あー面白かった!あたしイルカ見たかったんだよね~」

 

「そうなの?だったら、最初に言ってくれたら良かったのに」

 

「えっ……まぁ、そうなんだけどさ~……」

 

「ひなたも意外と気を使うのね」

 

 突然、ひなたの足がピタリと止まった。何か忘れ物をしたとかそういうのじゃなさそうだ。

 表情をチラッと伺ってみると、何処か困惑した表情が見えた……また変に考え込んでるのか、こいつ。

 

「ほら、置いてかれるぞ」

 

 と、我に戻すように背中を軽く叩いた。

 

「え、あ、待ってよ~!」

 

 ……今だけはいつも以上に楽しんで欲しい、その為にここに来たのだから。

 

 

 

「ふわぁ~、綺麗!」

 

「ね!意外とめっちゃ可愛い!」

 

 適当に移動してしていると今度は展示コーナーへと辿り着く。

 ここに関しては小さな魚介類ばかりだが、多数の種類の魚はもちろん、色鮮やかなクラゲなどもいて中々に幻想的だ。

 

「そうね、夢みたい」

 

「ちゆちー、教室にいる時と感じ違うね」

 

「わたし、そんないつも怒ってる?」

 

「じゃなくて、何かいつもより雰囲気柔らかいっていうか」

 

 こういうのギャップっていうんだっけな。いつも学校で真面目な奴が別人のように意外な一面を見せると親近感何処か親近感を感じてしまうようなあれ。

 僕は気付かない内に普通に会話するようになったので特に感じなかったが、やはり意識してると気持ちがより強くなってしまうんだろう。

 

「あわわ……泡~!」

 

 ……ナチュラルにダジャレをかますんじゃない。ってか水槽の泡でそんなに驚くこともなかろうに。

 

「……フッ」

 

 横から笑いが漏れるように吹き出す声が聞こえ、向いてみるとちゆが口を押えながらブルブルと身体を震わせていた。

 

「フフフフ……あわわって、泡見てあわわって、嘘でしょ……!」

 

 嘘でしょはこっちのセリフだ。まさかこいつこういうくだらないのが……。

 

「イルカは~……いるか?」

 

「フフッ……」

 

「これが魚……まさかな~」

 

「フフフッ……!」

 

「……当たってクラゲろ」

 

「ちょっともう……!」

 

「高価なイカも、効果ないかも?」

 

「もう、ひなたも飛鳥もやめてよ~!」

 

 本気でツボに入ってるな、これは。

 これの何処が面白いのか全くもって分からないけど、意外な一面が見れたっていうかギャップ激しすぎでは?

 

「何が起きてるラビ?」

 

「これ面白いかペギタン」

 

 小動物達も今の光景をつまんなさそうに眺めている。ちゆのパートナーとしてどう思うのか尋ねてみるニャトラン。だが返事が全く聞こえない。

 

「……ニャニャ!あいつ何処行った!?」

 

「イルカショーの時はいたよね!?」

 

 移動中はひなたのフードに隠れていたはずがいなくなっている。

 ……あいつ、今頃パニクって館内走り回ってそうだな。そうだとしたら探すにも手間がかかって面倒だ。

 とはいえ、探す以外に手段はない。僕達は思いつく場所から片っ端に捜索することにした。

 

「いたら返事してー……」

 

 隅から隅まで探したつもりなのだが、一向に見つからない。図体が小さすぎるせいで近くにいたとしても気付きづらい。そう考えるとすれ違った可能性もあり得るので少々イラついてしまう。

 

「クチュンッ……!」

 

「ラテ!」

 

「こんな時にビョーゲンズかよ!」

 

「早く何処かで診察ラビ!」

 

 人目につかないように、物陰に隠れてラテの診察を開始する。

 

「何処かで泡が泣いてるラテ……」

 

 泡って言ったらさっきの展示コーナーしか思い浮かばない。また来た道に戻らないといけないのか……。

 

「急いでメガビョーゲンを探しましょう!被害が大きくなる前に!」

 

「待ってよ!ペギタン見つけるのが先でしょ!」

 

「でも!」

 

「ペギタンだってちゆちーを探してるよ!一人で心細くて泣いてるかも!」

 

「メガビョーゲンが現れたのよ?放っておけるわけないでしょ!?」

 

 とうとう恐れてた事態が起こってしまった……。

 何処かで両者の意見が合わずにトラブってぶつけ合いになる、なんてことは避けたかったんだけどな。

 

「どっちも探そう!」

 

「「え……?」」

 

「ペギタンは私達の大事なお友達だし、それにメガビョーゲンを見つけてもペギタンがいないと、ちゆちゃんプリキュアになれないでしょ」

 

 それでものどかは冷静に、的確に対処していた。

 どちらかを先に取ってもデメリットが生じてしまうのなら、両方を併用してやることを成し遂げる。そんな感じで上手くまとめてくれた。

 

「ねっ!早く見つけてお手当しよ!」

 

「……分かったわ!」

 

「行こう、ちゆちー!」

 

 そう言ってひなたはちゆを引き連れて走り出す。二手に分かれて探すと来たか、まあ広いし妥当だな。

 ところで、

 

「凄いなのどか。リーダーみたいだったけど、そういう経験お有りで?」

 

「ふぇ?多分ないかも」

 

 なるほど、あんたの才能って奴ね。そういうの誇らしく思った方が良い、というか思え。

 

「そうか。んじゃ、とっとと探すぞ」

 

 

 

 

 

 ──ー

 

 

 

 

 

「あっ、いた……って」

 

 手分けして探し始めてから数分後、ようやくメガビョーゲンを見つけることが出来た。のだが、

 

「「ぺギタンを返せ~!!」」

 

「何すんの、離しなさいよ!!」

 

 ……ぺギタンも見つけられたのは何よりだけど、何で怪物そっちのけでキャットファイト繰り広げてるんだよ。

 

「ちょっと、メガビョーゲンもボケっとしてないで何とかしなさいよ!」

 

「メ、メガァ!」

 

 主に喝を入れられたメガビョーゲンは二人を引き剥がすようにタコ足で薙ぎ払おうとした。

 

「「あ、ぺギタン!!」」

 

 が、当たり所が悪かったのか、シンドイーネの手首にぶつけてしまい、同時に捕らえられていたぺギタンが頭上を越えて飛んで行ってしまう。そしてその後ろには遅れてやって来たのどかの姿。

 

「「のどか(っち)!」」

 

「え、ふわぁ!」

 

「痛っ」

 

 急な呼びかけに慌てながら、そのままこちらに落ちてくるぺギタンをキャッチしようとするも、上手く掴まらずコツンと頭に当たってしまう。

 まさかキャッチ出来ないとは思わなかったので弾みで飛んでくるのに反応出来ず、綺麗に僕の頭部にコンボを決められたものの、その後ちゆのスライディングキャッチによって見事に救出できた。

 

「ちゆちーナイス!」

 

「良かった……」

 

「のどかっちもあっくんもナイスヘディング!」

 

「えへへ!」

 

 僕に関してはただ流れ弾に当たっただけだがな。

 のどか達が一先ずの喜びを分かち合う中、ちゆだけは何も声を出さずゆっくりと立ち上がった。

 

「……皆、お手当するわよ!」

 

「「は、はいぃ!」」

 

 今の一言で今後何があろうとも、ちゆを怒らせるようなことは絶対にしないと決意しながら、それぞれプリキュアに変身していく。

 

「「重なる二つの花!キュアグレース!!」」

 

「「交わる二つの流れ!キュアフォンテーヌ!!」」

 

「「溶け合う二つの光!キュアスパークル!!」」

 

「絡み合う二つの毒、キュアラピウス」

 

「「「地球をお手当!ヒーリングっど♥プリキュア!」」」

 

「さて、オペを始めようか」

 

 ……え、僕だけ台詞違う?まあ三人のよりかは全然良いけど。

 

「ああもう小賢しい!」

 

「えっ?小賢しいってどういう意味?」

 

 容赦なく叩きつけてくるメガビョーゲンの攻撃を避けながらフォンテーヌに尋ねるスパークル。

 

「生意気って意味よ」

 

「えっ、めっちゃ失礼じゃん!」

 

 今時そんな言葉使うの昼ドラに出てくる姑くらいだろ。

 そんな事を思いながらも、メガビョーゲンから放たれる砲弾を避けていく。その隙を捕らえた三人は同時に怪物の顔面に蹴りを入れていく。

 

「「キュアスキャン!」」

 

 今回は泡のエレメントさんを救出することになるそうだ。

 水のエレメントさんとか出てきて今更なんだが、色んな物体でも生命って宿ってるんだな。

 

「後は任せろ……」

 

 浄化する技を放つ準備が整った。

 と言っても、こんな狭い所で前回のような威力では仲間も巻き込みかねない。多少加減しても問題はないだろう。

 

 

 

倣薬・不要なる冥府の悲歎!(リザレクション・フロートハデス)

 

 

 

「ヒーリングッバイ……」

 

 浄化完了、これで本当に一件落着となる。

 

「おっと……すまない」

 

「お疲れ様」

 

 察しが良いな、技を打った影響でよろよろとバランスを崩しかける僕をのどかが支えてくれた。

 

「ほんっっっと小賢しい!!!」

 

 あまりキレすぎると皺が増えるぞー……なんて言った時は骨すら残らず叩きのめされそう。

 

 

 

 

 

 ──ー

 

 

 

 

 

 

「ひなた、ちゃんと聞いてる?前回と言い今日といい偶々上手くいったようなものの、これからはああいう無茶は慎んでよね!分かった?」

 

 メガビョーゲンを浄化出来た後、未だに沢泉さんはご立腹だ。

 確かにひなたは自分から飛び出すような行動が何度か見受けられたから、不満も溜まっていたんだろう。一方、説教されている本人はちゃんと聞いてそうだが、髪の毛をクルクルいじりながら気を紛らわせていた。

 

「……ん、これから?」

 

 ”これから”

 この一言で、僕達は仲間として……友として関係が深まったと確信した。

 たとえ接し方がぎこちなかろうと、今回みたいに互いに気持ちを理解し合うことで自然と蟠りは消え失せていく。友情が芽生えるというのはまさにこのことなんだろう。

 

「うん!これからも4人で一緒に頑張ろうね!」

 

「もちろん!」

 

 皆が楽しいって思える一日で良かった!と、のどかは僕に笑顔を見せていた。

 

 まあ、今日は久しぶりに貴重な体験ができた、かな。

 

 この水族館の名称を、僕は適当に「キズナ水族館」と名付けることにした。

 




今日はキュアエトワールの誕生日でしたが、ドキドキからハマってから初めて推しになったプリキュアですね。キャラ公開された時一瞬で心にキュンときました(今はアンジュ推しに変わりかけてるけど)

こんな感じでのんびりやって行きますのでどうかよろしくお願いします~。
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