陰キャによるSAO攻略日記   作:アグナ

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(多分)オリジナルスキルあり。
ゲームのSAOはプレイしてないので分からん。


三ページ目

○月×日 晴れ ☆☆☆☆☆☆☆

 

 今日はデュエル大会なるものに参加した。

 あ、デュエルって言ってもモンスターカードを引きまくる方じゃ無くて『ソードアート・オンライン』内におけるプレイヤー同士の決闘のことだ。(ゲーム用語でPvPともいう)A

 

 俺が普段行っているPKは一方的に襲いかかってスパスパやるものなので割と人によっては嫌われるのだが、デュエル方式の場合は両者が合意の下、行われるのでPKと違って受けが良い。その大会ともなれば、野球の試合観戦みたいに盛り上がるもので、それなりの参加者たちがチラホラと参加したり、観客したりしていた。

 

 俺はそのデュエルする側として参加したのだが……。

 何故か──悪役プロレスの選手気分を味わうことが出来た。

 

 いざ、デュエル大会に参加するとなった第一試合。

 俺が会場に入るなり観客たちからは「負けろ」だの「やっちまえ」だのブーイングの雨嵐。俺なんか悪いことしましたかね、と思ったが、そういえば俺前線でPKしまくってましたね。報酬ウマ-とかいって、荒稼ぎしてましたね。

 

 という事情もあって知らぬうちに俺アンチが多数いた模様。

 ただゲームの話、それも舞台が大会とだけあってがマジに恨むような声は少なく、どっちかというと茶化すような色合いが強かったように感じる。

 加えて言うなら前線でPKをしまくっていたことで俺自身の強さが知れ渡っていたらしく一部では『対人戦最強』『キラーマシーン』『リア充殺し』等々、様々な異名が付いていたらしい。どれも大変遺憾な異名である。

 

 ただ『神速の槍兵』という異名は気に入った。

 俺今度からそう名乗るわ。

 そして、ゆくゆくは『御身が『光の御子』か』って言われるぐらいに速くなろう。俺は型月世界に憧れている。

 というかできればそっちに転生したかった。

 

 おっと話が逸れた。

 そういうわけで俺は悪役気分を味わいつつ、デュエル大会に参加したのだ。

 第一回戦、第二回戦と観客の熱い声援(ブーイング)とは裏腹に順調と勝ち進む俺氏。残念ながら《ソードスキル》頼りのプレイヤーでは俺を捉えることは出来ないのだよ。

 何故ならその回避にずっと没頭していたから。

 《ソードスキル》は一見して発動させれば、自分の反応動作速度よりも速く敵にズパズパ当たってくれる便利な必殺技だが、それはあくまでAIを相手にしたときの話。

 必殺技といっても内実は此処で振り上げ、此処で振り下ろしなどと流れや動作はパターンとして覚えられる。目で捉えるのが容易でなくともパターン化された動作ならば人間覚えるのは容易く、分かっていれば先に反応して回避可能。

 ガチ勢のプレイヤーが少なかったのもあって《ソードスキル》を積極的に使うプレイターは俺にとってカモでしか無かった。

 

 いやー気分はチート主人公か魔王でした。

 く、くくくとか中二チックな笑みを浮かべつつ強者ムーヴするの超気持ちいい。

 悪口を言われるのって時にあんなにも爽快なのね。

 特殊性癖など無い筈だが、罵倒もそんなに悪くないぜ……。

 

 そんな感じで気分良く勝ち抜くこと数度。

 決勝の相手は何かと縁のあるキリトなるプレイヤー。

 流石に決勝にまで上り詰めるだけあって、ガチプレイヤーらしく手強さも尋常じゃない。剣戟が奏でる壮絶な決勝戦は俺の悪役ムーヴとキリトのビジュアル勇者もあって大盛り上がり。俺のテンションもマックスになった。

 

 結果は俺の負け。

 どうやら前回のPKから俺の動きを学んでいたらしく、最後の最後で読み負けてしまった。つーか一回の戦いで対策立てるとは中々の廃人だなキリトくん。

 

 とはいえ中々良い試合だった。

 『ソードアートオンライン』は『VRMMO』であり、一応ジャンルはRPGに当たるらしいのだが、メインストーリーなるものの色が薄いため、RPG色を感じる機会は余りないのだが、デュエル大会の悪役ムーヴは何か物語の登場人物感が体験出来て楽しかった。

 

 後は試合後のキリトくんとの「ナイスファイトだぜ」ってやり取り。

 彼的には健勝を称えるといったただの挨拶だったのだろう。

 しかし俺的にはこのやり取りがかなり気に入った。

 何か主人公とそのライバルの試合後のやり取りみたいな感じで。

 

 なので、「フッ、当然だ(ドヤッ)」とつい返してしまった。

 やはりVRというゲーム世界に入ると男の子は皆中二病と化すらしい。

 現実での性格との乖離が激しい件について。

 

 

 

 

 

○月×日 晴れ ☆☆

 

 『ソードアート・オンライン』を初めてから約一ヶ月。

 楽しい時間というものは早く、いつのまにはもう一月だ。

 βテストも後、一ヶ月と考えると物寂しい。

 

 そういえばテスト期間中のキャラはテスト後消されるんだよなぁ……。

 このヨシュアくんもあと一ヶ月だけか……はぁ……。

 

 散々レベル上げやらスキル上げをしまくったせいでレベルは五十と少しとそれなりに高くなっているのだ。それだけに惜しい。

 畜生、本サービスの時は全力でレベリングしてやる。

 

 ともあれ、一ヶ月経過だ。

 そして一ヶ月も経過すれば攻略も中々に進む。

 

 現在、はじまりの街から攻略をスタートさせて第五層。

 プレイヤー自身のプレイヤーレベルの平均を考えれば中々に悪くない攻略速度なのではないだろうか。

 このペースならサービスが開始されたときには一、二週間で第二階層まで突破してしまうだろう。……サービス開始に出遅れないようにしなければ。

 

 それからスキルも中々充実してきた。

 回避&チマチマ攻撃というバトルスタイルを組み上げた俺のスキル構成は主に初期スキルの《剣》と今のメイン武器である《両手槍》に関するスキル他、《探索》や《投擲》スキルなどを取得した。

 その他にも色んなスキルを付けたり消したりして、日夜色々研究中。《体術》なるスキルが存在を噂されており是非とも欲しいのだが……一体何処へあるのやら。

 後はどうやらプレイヤーとの戦闘経験が多いと出現するらしい《決闘》なるスキルを取得した。自己バフ系のスキルでタゲ集めやら防御力とダウンの攻撃上昇やらと中々に上級者向けの仕様だが、使いこなせば割と便利だ。

 多対一で効果を発揮する《戦乱舞踏》などはよく使わせて戴いております。

 

 そんなわけでスキル周りレベル周り、自分流の完成点が見える育ち具合になっている。まあだからこそ、失うのが惜しいわけだが……はぁ……。

 データの引き継ぎとか実装してくれないかなぁ……。

 

 

 

 

 

○月×日 晴れ ☆☆☆☆

 

 本日はゲームプレイ封印日。何せ定期診断があるからネ。

 今世の俺は諸事情で身体が弱いため、月に一度のペースで全身を隈無くチェックされる健康診断があるのだ。

 前世ではあまり縁が無かったもの故に、面倒だと感じるのが本音なのだが、その辺、あまり適当だと、うちの妹たちが心配するのでキチンと受けておく。

 全く、まだまだ俺は死なんぞ。多分。

 そんなに心配しなくても良いだろうに。

 

 あ、でも何か視力周りが悪いと言われた。

 後ゲームのやり過ぎとも。

 

 い、いやあVRゲームで視力は悪くならないんじゃ……。

 あ、そっちじゃない?

 携帯ゲームアプリの方?

 

 ……すいません。気を付けます。

 

 

 

 

 

○月×日 晴れ ☆☆☆☆

 

 病院でゲームのプレイ時間を注意されたので自重。

 偶には無意味に街を探索してみる。

 

 そしたらなんとNPCから隠しクエストらしきものを授かってしまった。

 ほほう、この辺りでそんな情報は聞かなかったが……。

 もしや俺が第一発見者なのだろうか。

 

 これは………クリアするしかねえなッ!

 

 そんなこんなでいつものプレイ時間超過。

 先生の忠告を忘却の彼方にすっ飛ばして没頭すること三時間。

 『トネリコの槍』なる武器とスキル《薬学》を入手する。

 

 前者は攻撃性能こそ街で売ってる武器より低いものの、装備時に毒無効などといった耐性付き、後者は採取した薬草などからバフポーションを作れる。

 

 ……これは中々に良いのでは?

 というか、かなり使えるのでは?

 

 現状、ポーションは街での売買かドロップしかなかったはず……。

 自給自足可能とはかなりのメリットになる。

 

 ありがとう! 森の狩人ロクスレイ!

 君のお陰で俺は更なる境地へとたどり着けそうだぜ!

 

 あ、でももう少しプレイ時間は自重しますね、はい。

 だからそんな睨まないでくれ妹たちよ。

 ていうか君たちもゲームしまくってるじゃ無いか。

 ……それとこれとは話が別? 兄ちゃんは注意されてる?

 

 そっすね。その通りッス。すいませんでした、はい。

 

 

 

 

 

○月×日 晴れ ☆☆☆

 

 本日、自重につきゲームお休み。

 くそぅ良いところなのに……。

 

 仕方が無いので先日知り合った、お母さんの付き添いで病院に訪れていたらしい朝田ちゃんとお話をする。

 かなりの読書家らしく、同世代では読んでいる人の少ない本の話題でも話が通じるので結構、会話が弾む。

 それに俺も彼女も口数が多い方ではないので、その辺の波長が合うのか、時折、無言の間が出来ても不思議と気まずい気分にならない。

 女友達など前世には居なかったが……こういう関係も悪くないな。

 

 それと学校に関する話題と相談事をされてしまった。

 何でも学校での居心地が悪いのと、でも行かなきゃいけないということで悩んでいるとか。

 ……君、相談相手間違えてない。その話題を俺に聞いちゃうかね?

 

 とはいえ数少ない友人の悩みとあっては応えぬわけにはいかない。

 そうじゃなくても前世と年齢合わせれば年上だしね。

 二人の妹のお兄ちゃんでもあるしね。

 

 つっても学校に関することで俺が言えることなんてたかが知れてるが。

 精々、無理するなとか。頑張れとしか言えない件。

 すまない、情けない友人で本当にすまない……。

 

 笑顔でお礼を言われたもんだから尚のことそう思う。

 でもそれはそうと向けられた笑顔は嬉しかったぜ。

 やはり女の子の笑顔は良いものだ。かわゆい。

 

 なので他意は無い、ないったらない。

 そこ、上の妹よ。邪推するんじゃない。

 下の方は嫉妬するんじゃない。え? お嫁さんになる?

 

 ははははは、可愛い奴め。

 ナイス、ジョーク。

 

 

 

 

 

○月×日 晴れ ☆☆☆☆☆

 

 久しぶりにリアルでの友好やら家族愛を深めた翌日。

 今度は仮想世界での友人関係に務めることとする。

 

 というのもフレンドとなったディアベルに第五層のボス攻略に関して誘われてたのだ。ふふ、ディアベルさんの頼みとあれば断るわけにはいかないな。

 

 攻略面子は三十人と少し。

 ゲームといえどプレイ時間やセンスの有無で差は生まれるもので、第五層の最前線攻略ともなればどうしても人数は少なくなってしまう。

 βテスト参加者は千人ほどと聞いているが、残りはまだ第一層や第二層辺りでゲームプレイを楽しんでいることだろう。

 まあ別に急ぎ攻略するゲームでも無し、また攻略するだけがゲームでも無いのでそこに対して特に俺が言うべきことは無いのだが……。

 

 第五層のボスは端的に言って「キモい顔」。

 何でも仮面型のモンスターらしく、一定以上HPを削ると巨大ゴーレムに変形するらしいのだが、それはそうと第一形態の仮面状態がキモい。

 見かけたら近づきたくないレベルでキモい。

 

 なので俺としてはダメージ稼ぎ役として永劫後ろからぶっ叩くだけの役割を貰いたいのだけれど……打撃系弱点? 槍使いは前衛防御?

 ……え、ええ不満なんてありませんとも。頑張らせて貰います。

 

 そういうわけで前衛の壁役に徹する俺。

 うわ、やっぱキモい、近づきたくないし近づけさせたくない。

 でもそうすると役割放棄になるのでチマチマ攻撃。

 ついでにスキルでタゲ稼ぎ。

 

 しかしキモい。やはりキモい。

 あ、口開いた。うーわ、何かグロテスクだし。

 てか、こっちくんなし。

 

 内なる嫌悪感と戦うこと三十分、ようやくボスが討伐される。

 長かった……何か夢に見そうだな、あのビジュアル。

 マジで誰だデザインした奴、茅場なんとかさんか?

 茅場なんとかさんの仕業なのか……?

 

 あんな趣味の悪い者を作るなんて相当頭がイってやがるぜ。

 

 それはそうとレイド戦楽しかったです。

 また誘ってくれディアベルさん。

 今度は仮面ボス以外で。

 獣系のボスとかで。獣なら外れはないだろうし。

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