主人公の告白を断ったら更に悪化したなんて・・・・   作:手毬

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本編じゃなくて過去編ですがどうぞ!!
※とんでもなく重たいので読むときはご注意ください。



幕間① 私が壊れた日

姉の思い出 その①

 

ある日お母さんから突然「あなたは近々お姉ちゃんになるよ」と微笑みながら私に語った。

最初は「あなたはお姉ちゃんになるんだからしっかりしなさい」と遠回しに言われたのかとも思った。

困惑した、もちろん不安も抱いた。だって私がお姉ちゃんになるってことはお母さんやお父さんからの愛情が少なくなるってことだから。

少なくなった愛情は新しい家族に分け与えられる。でも私はその時独り占めしたかった。

だってお父さんもお母さんも大好きだから。

 

お母さんと一緒に病院に行った。女の人がお母さんの大きく膨らんだお腹に機械を当てていた。

女の人にテレビの画面を見るように促される。そこには白黒だけど確かに赤ちゃんがいた。

とても元気にお腹を蹴っている様子みたい。元気な女の子ですねと声を掛けられる。

お母さんは女の人から紙が入っている紙の袋を貰いそれを大事そうに抱え込む。

女の人にお礼を言ってお母さんとお家に戻る中私はお母さんのお腹に触れていた。

多分その時私は母のお腹に命が宿っている実感があまりなかったんだろう。

不思議だなーって思いながら擦っていたような記憶が微かにある。

遠い記憶の母は私に微笑む。「初めて妹を見たけどどうかしら?お姉ちゃんって感じしてきたかな」私に問いかける。

確かその時私はこう答えたはずだ。「わかんない。でも頼られるお姉ちゃんになりたい!」

 

 

いや、違う・・・・確かそれを答えようとしたとき・・・・

 

 

私は・・・・

 

 

目の前の地面に倒れこんだ人。

――アカイアカイ、アカアカアカアカアカ赤赤赤赤赤紅紅紅紅紅紅――

私の大切な人がアカクアカクソマっていタ。

 

 

・・・・大切な人を失う恐怖でただただひたすら泣いていた。

いや、泣けるものなら泣きたかった。

 

 

 

 

 

姉の思い出 その②

 

 

 

 

 

幸せな時間が崩壊するのは一瞬だ。

珍しくもない強盗事件。それの被害者となった私と母。世間では可哀そうという同情の目で見られた。

その事件は軽傷者20名そして重傷者1名の被害だった。奇跡的に(母のお腹にいた妹以外の)死者は出なかったみたいだ。

その重傷者が私の母だ。犯人が逃げるときに偶然通りかかった私そして母を邪魔だと思ったのだろう。

私にその牙を向けてきた。「どけ!クソガキ!!」その刃が私に迫る。

10

硬直する私。

私の頭に狙いを定める男。

私を呼ぶ母の声。

目の前に迫る男の姿。

目の前に黒い影。

強い力で後ろに倒され思わず瞳を閉じてしまう。

目を見開く。

母のお腹に深く突き刺さる男の刃。

ドサリと倒れこむ母の姿。

地面に広がる赤い液体。

目の前の光景から色が失われた。

音は聞こえるがそれが頭に入ってこない。

 

私は居もしない神に懺悔した。

 

 

 

 

 

姉の思い出 その③

 

 

 

 

 

母は一命をとりとめた。どうやら男が凶器を持って外に出てた時には既に警察と消防が駆け付けていたみたいで犯人逮捕の後すぐに救急車で大きな病院に運ばれたこの迅速な対応で助かったみたいだ。

大好きなお母さんが助かったのにわたしの心は一切晴れなかった。目の前の景色も白と黒の世界だ。

私は笑うこともできなかったみたいで駆け付けた父に心配された。

 

事件から数か月私の母の意識が戻った。明るかった母はとても沈み込んでいた。

母はお腹に手を当て寂しそうに微笑みの表情を作る。

 

そんな母に思わず私は禁忌を犯してしまう。

 

この状況では一番やってはいけないことだった。心に傷を抱えた母に私は言ってしまったのだ。

「わたしのせいで妹が・・・・ごめんなさい・・・・わたしが代わりだったら・・・・」

それを聞いた母が涙を浮かべる。「お願いそんなこと言わないで。私にはあなたが必要なの。お願い代わりになればよかったなんで言わないで。ね?お願いだからお願いだから」

私に言い放つ母。その様子が狂ったように見えた。わるいのはわたしだから・・・・

わたしがおかあさんをいもうとをふこうにおいこんだから・・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

 

私と母で慰めあう。大事な妹を亡くしてしまったその場面を共有しているのだ。少し落ち着いた母が「おとうさんは?」と聞けば私は一緒に来てるよと答える。

そして父の方を向く。

一緒に来ていたはずの父がいつの間にか姿を消していた。

 

あれ?おとうさん?どこいったの・・・・?

 

母におとうさん探してくるね!と言い捜索を開始する。

6階、5階、4階、2階――そして総合受付。

受付のおねえさんにおとうさん見ませんでしたか?と質問。

「あら、舞ちゃんね。おとうさんならさっきそこから出ていったけど・・・・」

おねえさんの言葉に頭が真っ白になる。え?もしかしてわたしってすてられたの?わたしっていらないこなの?思考が暗くなる。

どんどん堕ちていく。闇に囚われそうになった時におねえさんの言葉が聞こえる。「お家にお荷物取りに行ったかもしれないね」走る。走る走る走る――

何度か転びそうになりながらなんとか家にたどり着く。ノブを回す。開かない・・・・お父さんから預けられたカギを使う。

 

カチャ

 

おとうさ――

家に父は居なかった。いや・・・・父が遠出するときの大きなカバンもなくなっていた。

え・・・・いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁああああああああああああ!

膝をつく。体が震える。これってそうだよね・・・・

わたしたち・・・・おとうさんにすてられちゃったんだ・・・・

わたしのせいでおかあさんにまでめいわくかけちゃった・・・・

あは・・・・あはは・・・・

 

それから父が帰ることはなかった――




幕間にて3人や関わる人達の過去話を上げていこうかと思います。
(勘違いタグあるのにいまだに仕事してない気がする・・・・)

しばらく感想を書いた人や評価者の紹介を取りやめようかと思います。
内容はちゃんと読んでいますのでご安心くださいね!!

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