主人公の告白を断ったら更に悪化したなんて・・・・   作:手毬

8 / 8
お待たせしました!!
(6時に投稿しようと思ってたら設定するの忘れてたなんて言えない・・・・)


幕間② 作られた命

狂気の父親①

 

 

 

 

 

妊娠中の妻を刺された上司。妻のお腹に宿っていた命を取り戻そうと禁忌に手を出した。いつしか彼は狂気が宿っていると当時の部下は感じていたみたいだ。そんな父がやっとの思いで人間としての形を保ったまま作り上げたのが優でありその失敗を受け研究を重ね作り上げた父にとっての成功作いや最高傑作が幸なのだ。

それこそ当初父は形は人であっても失敗作と定義していた優は廃棄しようとしていた。いや、廃棄したのだ。

そんな父と対立していた職員である彼が優を救い上げた。

例え短い命だったとしても彼は誕生した瞬間を見たのだ。カプセルに入っていた小さな命は確かにその目で彼を見たのだ、その目から感情があると彼は思った。そしてその命が廃棄処分されると聞き彼は抗議しに行ったのだ。上司の娘もしくは息子になるのだ、その命を簡単に捨てられるのは悲しいから。

上司は「・・・・・そうか」と一言漏らした。狂気に堕ちても上司である彼は一児の父でありもう1人生まれるはずであった命であったのがあの子なのだ、父としての情だろう。

でも彼の行動は遅かったのだ。すでにその赤子は廃棄処分として倉庫に運び込まれていた。数多の肉塊と共に。

 

 

 

 

 

研究員の苦悩①

 

 

 

 

 

私が抗議してから数日後、上司が彼に言いつけてきた。

「どうやら誤って成功作を廃棄処分として倉庫に入れてしまったみたいだ。処理ついでに探してきてくれないか?」

 

私は勿論頷いた。上司につい最近逆らったばかりだからまた逆らうのは恐らくできない。というかどこかに飛ばされるか私自身が処分されるかもしれないのだ。恐怖しかない。

上司からその成功作の特徴を伺うとその特徴はこの前に抗議しに行ったあの子の姿によく似ているものだった。

 

「もしかしてですが私が言ってたあの子ですか?」

 

「ああそうだ。やっぱり命は命だし短命だとしても私たちがそれを克服する手段を探せばいい」

 

やはり彼はいい親なのであろう。あれだけ膨れ上がってた狂気が今は全く見えない、彼にとっての最高の研究結果を作成しその目で見たからだろう。

 

「はぁ・・・・・はやく探しに行ってこい」

 

「はい、主任」

 

上司から急かされたので早速捜索にかかる。

 

 

 

 

 

研究員の豹変①

 

 

 

 

 

白銀の髪に菫色の瞳の男の子、あの時見た光景は忘れられない。培養液に満たされたカプセルの中であろうと圧倒的な美を見せつけられた。

漂う髪は部屋の照明により輝き、彼の白い肌はまるで彫刻を見ているかのような気分でもあったのだ。

あれほどの美を私は知らない。いや、知らなかった。

欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい。

思わず欲望が溢れてしまう。はく製にして家に飾りたいなどというとても不謹慎な欲望だ。

ダメだダメだダメだダメだダメだ。

あくまで彼は上司のご子息になるのだ。そんな彼を勝手に連れ去り飾りにするなどできるわけがない。

欲望と戦いながら十数分その倉庫についた。中には肉塊が山の様に積み上げられていた。

その光景に思わず口を押える。これを処理するのか・・・・・

処理作業を始める。最初は選別作業であるとはいっても殆どがミキサー行きだ。だって人としての外見を保っているもの以外は切り刻んで魚の餌にするしかないだろう。

ぽいぽいぽいっとミキサー行きにしていく。中々人の原型をとどめているのは見当たらない。

 

――ぽいぽい、ぽいぽいぽい・・・・・ぽいぽい

 

埋もれていた腕らしきもの、ついに見つけてしまった。

これこそがあの上司の至高の研究結果の一つ――あのいけ好かない上司の一つの弱みなのだから笑える。

培養液に入っているころから私は魅入られていたのだ、正しく美の化身のような容姿を持つ幼い姿の彼に。

ああ、やっぱり上司に黙って連れ去るのがいいかもしれない。

 

私は暗い欲望に支配された。この研究結果を上司ではなく自分の研究結果にすれば自分には富と名誉そして莫大な資産が手に入ると、悪魔が囁いたのだ。

その腕を掴む。

 

やっとやっとやっとやっとやっと

これで私は・・・・・

掴んだ手を引きずり出す。

ははは、ふはははは――これで私は全てを手に入れる準備が整う。

あの上司を追い出すために私は悪魔に魂も売ろう。

 

はははははははははははははははははははは

 

ズルッ

 

彼はその腕を抱えて笑っていた。

 

どうやら比較的人型に似ている何かだったみたいだ。

 

「くそっ!!」と思わず叫んでしまった。

 

ああ、やっぱり大量の失敗作があると鬱陶しいな。でも私はもう一つ探す手段がある。生存するために、いや成長するためにあの男の子に埋め込まれたものを知っている。

 

そう、それは・・・・・ISのコア

 

世界に限られた数しかないそれの場所を探すのは簡単だ。

 

ふふふ、待っていろよ成功作。私が上手く使ってやるからな。

 

ふはは、あははははははははははははははははははは

 

狂ったように笑いながら私は装置を取りに戻った。




前回投稿での作品名が決定しました。
その名も・・・・

お嬢様は愛されたい

です。
4月から順次投稿しますのでご期待の程よろしくお願いします。

匿名は作品が投稿されてから解除したいと思いますのでそれまではお待ちいただけたら幸いです。

この小説の更新頻度は早い方がいい?

  • むしろ毎日投稿してほしい
  • 記録とか関係なしに決まった期間で!!
  • 想定外の結果で混乱が見たいから記録で
  • 気分のままでいいかと
  • 見たくないからはよ消せ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。