戦姫絶唱シンフォギアーNo name monsterー   作:ハウスダストドラゴン

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投稿の順番間違えてたことに今更気づきました。
マジでごめんなさい


剣となった少女

弦十郎という男に連れられて、私はどこかへと向かっていた。

もしこちらに危害を加えるようならば、この前の力を使い、逃げるつもりだったが、どうやらその心配は要らなかったようだ。

 

「着いたぞ。ここだ」

 

弦十郎はそう言って車を止める。

 

「ここって......リディアンですよね?」

 

「あぁそうだ。私立リディアン音楽院、ここの地下に俺たちの本部がある」

 

私立リディアン音楽院、有名な音楽科を重視した小中高一貫校である。

 

弦十郎と私はリディアンの裏にある職員専用と思われる扉から中に入り、そのままエレベーターに乗った。

 

「掴まっていた方がいいぞ」

 

「?それはどういう......」

 

私が言い終える前にエレベーターが物凄い速度で急降下を始める。

 

「ッ!」

 

隣の弦十郎はなんともないような顔をしているが、私は掴まっていてもかなり辛い。

というかかなり怖い。

エレベーターは扉以外よ三方向をガラスで囲まれており、その外にはヒエログリフのような物が書いてある壁が広がっていた。

 

やがて急降下は終わり、エレベーターの扉が開く。

それと同時にクラッカーの様な音が響く。

 

「「「「「ようこそ!!二課へ!!」」」」」

 

「え?」

 

思わずそんな間抜けな声が出てしまった。

そこは広間のようで、二課の職員だと思われる人達が集まっていた。

天井からは看板のような物が吊るされていて、そこには『黒崎 刹那さん ようこそ二課へ!』と大きく書かれていた。

 

国連直轄の組織というからには真面目な組織だと思っていたが、どうやら少し違うらしい。

私が少し戸惑っていると、眼鏡をかけた女性がこちらに歩み寄って来た。

 

「こんにちは。私は出来る女と評判の櫻井 了子、あの櫻井理論の提唱者よ。ヨロシクね」

 

ウィンクしながらそう言った了子さんは特に反応を示さない私を見て苦笑し、ゴホンと咳払いをした。

 

「それじゃあ貴女が纏ったあの力......"聖遺物"について説明しましょうか」

 

「聖遺物......ですか?」

 

「えぇ。聖遺物とは世界各地の神話や伝承に登場する現在の技術では製作不可能な異端技術......ブラックアートで作られた武具のことよ。多くは遺跡などから発掘されていてるわ。でも発掘されても経年劣化や損傷が激しくて、かつての状態をそのまま残したものは本当に希少なの。だから殆どの場合は"聖遺物の欠片"として存在しているわ」

 

「では私の纏ったあの鎧は相当に希少な物なのでしょうか?」

 

「いいえ。貴女が起動した"ガングニール"もまた聖遺物の欠片よ。二課に所属している翼ちゃんの持つ第一号聖遺物......"天羽々斬"もその刃の欠片、刀身の一部でしかないわ。だから私達は歌の力によってその力を増幅しているわ。そして現状それがノイズに対抗できる唯一の手段......"シンフォギア"なの。そ・し・て それこそが私の提唱した櫻井理論に基づいて作られているわ」

 

「成程......ですが私が起動したガングニール?は歌の力では動いていません。第一に私は歌っていないので」

 

「そう。私もそこが気になっているのよ。従来のシンフォギアと違い展開されるのは手足の防具と首元のマフラーのみ。更に歌っていなくてもシンフォギアと同等の力を発揮する......今のところは何らかの理由によって突然変異したガングニールという事しか分かっていないわ」

 

一通りの説明が終わったところで、広間の奥の扉が開き、青い髪の少女が広間に入ってきた。

 

「貴女が黒崎 刹那さんね。奏のガングニールを起動したという......」

 

そう言って彼女は握手を求めるように手を差し伸べて来るが、その眼にはこちらに対する敵意が見え隠れしている。

 

「成程。大切な仲間が使っていた力を持っていきなり出てきた得体の知れない私が気に食わない、と言った所でしょうか。風鳴 翼さん」

 

私の言葉に翼さんは眉間に皺を寄せる。

 

「ああ、私は奏の力を覚悟もなく振りかざそうとしている貴女が気に食わない。それは奏のガングニールだ」

 

「確かに私に覚悟はありませんね。私はノイズが殺せればそれでいい。私をどう思おうがそれは貴女の勝手だ。でもそれをノイズとの戦闘時には引き摺らないでくださいよ。ノイズを殺す効率が落ちる。それと、私を苗字で呼ぶのは止めて頂きたい。私を捨てた者の名など、もう語りたくないので」

 

私の言葉に翼さんは一瞬何かを思い出すような顔をするが、直ぐに戻った。

 

「了承しよう。私もこの身を剣としている。敵を斬る時は背中を合わせるとしよう」

 

そう言って彼女はまた広場の奥の扉へと足を進め、その姿は直ぐに見えなくなった。

 

結局その日は聖遺物に関する説明と歓迎会をした後、本部と連絡できる通信機を渡され、そのまま帰ろうとした。

 

その時、弦十郎に呼び止められる。

 

「刹那君。世間からのバッシングが強い今、現在の家に住み続けるのは危険だろう。そこでだ、ここに住む気はないか?」

 

「ここ......とは二課本部のことでしょうか?」

 

「あぁ、ここにいた方がノイズが出たときに都合がいいだろう。バッシングが落ち着いた頃合いにはリディアンに編入して寮に入れるようにしておこう。私物については後日護衛を付けて運ぶことにしよう」

 

「了解しました。ではそのようにお願いします」

 

 

 

 

 

広間から続く長い廊下を、私......風鳴 翼は歩いていた。

 

彼女......刹那の言葉を聞いたとき、まるで昔の奏のようだと思った。

その眼と心にノイズへの強い憎しみを抱き、ただノイズを殺すことしか考えていないようだった。

 

 

 

私は......そんな彼女と奏を重ねて、どうにかしてやりたいと思った。

 

 

 




ここ何書けばいいかイマイチわからんです

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