戦姫絶唱シンフォギアーNo name monsterー 作:ハウスダストドラゴン
フィーネに用済みと言われ、放り出されたあたしは、行く当ても無く、夜になった街を歩いていた。
「なんでだよ......フィーネ......」
『ちゃんと話をすればきっと分かり合えるはず!だって私たち同じ人間だよ!』
ふとアイツの言葉が脳裏によぎる。
(クソ......アイツ......!あたしの目的は戦いの意志と力を持つ人間を叩き潰し、争いを無くすことなんだ......。だけど......)
その時、女の子の泣き声が聞こえた。
「っ?」
「泣くなよ。泣いたってどうしようもないんだぞ」
「だってぇ......だってぇ......」
見ると、男の子が泣いている女の子に話しかけている。
あたしはその姿に昔の自分を重ねてしまう。
「おい、コラ!弱いものをいじめるな!」
「いじめてなんかいないよ。妹が......」
「うわーん!」
「いじめるなって言ってんだろうが!」
私は腕を振り上げ、そのまま下ろそうとするが、女の子が間に入る。
「お兄ちゃんをいじめるな!」
「お前が兄ちゃんからいじめられてたんだろ?」
「違う!」
「あ?」
思わぬ返事に間抜けな声が出てしまう。
混乱している私を見て、男の子が話し出す。
「父ちゃんがいなくなったんだ。一緒に探してたんだけど妹がもう歩けないって言うから......」
「迷子かよ。だったらはなっからそう言えよな」
「だってぇ......だってぇ......」
「おい!泣くなって!」
「妹を泣かしたな!」
男の子が前に出て言う。
「あー!もうめんどくせー!一緒に探してやるから大人しくしやがれ!」
あたしは子供二人と手を繋ぎ、街を歩く。
しばらく経って、女の子が興味深そうにこちらを見ていることに気が付いた。
「なんだよ?」
「お姉ちゃん、歌好きなの?」
どうやら鼻歌を歌ってしまっていたらしい。
「歌なんて大嫌いだ」
(特に、壊すことしか出来ないあたしの歌はな......)
「父ちゃん!」
男の子がそう言って交番から出てきた男性に向かって駆け出す。
「お前たち、どこ行ってたんだ」
「お姉ちゃんが一緒に迷子になってくれたの!」
「違うだろ。一緒に父ちゃんを探してくれたんだ」
「すみません。ご迷惑をおかけしました」
男性が頭を下げる。
「いや、成り行きだから。その......」
「ほら。お姉ちゃんにお礼は言ったのか?」
「「ありがとう」」
「仲良いんだな。そうだ。そんな風に仲良くするにはどうすればいいのか、教えてくれよ」
仲睦まじく手を繋いでいる二人を見て、柄にもなくそんなことを聞いてしまう。
「そんなの分からないよ。いつもケンカしちゃうし。」
「ケンカするけど、仲直りするから仲良しー!」
「そうか......」
三人と別れた後、私は今後どうするか考える。
(仲直りするから仲良し......か。あたしもフィーネと仲直りできるのか?)
「考えてても仕方ない。兎に角フィーネのところに行くしかないな......」
今夜はもう遅い。
適当に歩いているとまだ住めそうな廃ビルを見つけたので、適当な部屋に入り今日はそこで寝ることにした。
次の日、起きて直ぐにフィーネのいる屋敷へと向かう。
思っていたよりも遠く、屋敷が見えて来る頃には青かった空が緋色に染まっていた。
あたしは息を吸い込んだ後、勢いよく扉を開ける。
「あたしが用済みってなんだよ!?もう要らないってことかよ!?アンタもあたしのことを物のように扱うのかよ!?」
私は心の叫びをフィーネに向ける。
「......」
「頭ん中ぐちゃぐちゃだ!何が正しくて何が間違ってるのかわかんねーんだよ!!」
フィーネは持っていた受話器を戻し、こちらに顔を向ける。
「どうしても誰も、私の思い通りに動いてくれないのかしら......」
「っ!?」
「流石に潮時かしら。そうね。貴女のやり方じゃ争いを無くすことなんて出来やしないわ。せいぜい一つ潰して、二つ三つ新たな火種をばら撒くことくらいかしら」
「あんたが言ったんじゃないか!痛みもギアもあんたがくれたものだけが......」
「私が与えたシンフォギアを纏いながらも毛ほども役に立たないなんて......そろそろ幕を引きましょうか」
そう言ってフィーネは金色のネフシュタンを纏う。
「私も、この鎧も不滅。未来は無限に続いて行くのよ。カ・ディンギルは完成しているも同然。もう貴女の力に固執することもないわ」
「カ・ディンギル......?そいつは......?」
「あぁそうだ。貴女にいいものをあげる。処分に困っていたから丁度良いわ」
そう言ってフィーネは部屋の隅に行き、何かを掴んでこちらに投げてくる。
それは......刹那の死体だった。
「え......?」
「アハハハハ!!いい顔ねクリス。さようなら」
フィーネはソロモンの杖を使ってノイズを召喚する。
「ちくしょう......ちくしょー!!」
Killter Ichaival tron......
あたしはギアを纏い、刹那の死体を持って、そこから逃げ出した。
書くことねぇ......