解放者よ、再び 作:甘党
翌日朝早くに外に出た。
誰にも伝えずそれは実行する。
結局リリアーナ姫は俺の情報を話さなかったらしい。
まぁそれはいいとしてせっかくの旅日和だからな
置き手紙を残し健斗は大量に詰めた食料と衣服を持ち次の町へ行こうとしていた
……まぁ、錬成を元にして稼げばいいか。
恐らく俺は近いうちに異端者として張り出されるだろう。そうしても別に構わない。
俺は既に神と戦う準備はできている。
もう二度とあの惨劇を繰り返さないように。
そう思いながらも街の外に出ようとする。
とりあえずオルクスの大迷宮だ。
そんなことを思っていた時だった
「健斗さん。」
「へ?」
するとフードを被った女性が俺の方をかけてくる。
うっすらながら綺麗な金髪の髪が見えている。
俺でさえ一瞬声を失ってしまう。それは本来なら絶対にここにはいてはいけない人物だった。
「……っ!ちょっとお前何してんの!!」
さすがの俺も驚きを隠せなかった。
それもそのはずそのフードを被った女性はリリアーナ姫である。
「お母様に健斗さんの待女を任されたんですよ。健斗さんは未だに付き人がいなかったので。」
「は?」
「私も健斗さんの旅に同行させてもらえませんか?これからオルクスの大迷宮に向かうんですよね?」
「いや。俺も規模を知らないからいうけど結構難易度高いんじゃないのか?65階層までしか攻略できていないんだろ?」
実際魔法の訓練を見ていたら、正直答えて数千年前よりも明らかに魔法文化が遅れている。正直緑の大坑道でさえ100層。その当時ベヒモスも80層くらいにいる魔物にいたはずだ。
それなのに未だに到達していないということは。この世界は昔の人間よりも弱いということだろう。意図して弱くしたのかは分からないが。
「でも健斗さんは向かうんですよね。」
「……まぁな。王都に居たって居心地が悪いしな。雫には悪いけど。てかリリアーナは公務はどうするんだよ。」
「私は休暇をいただいたので。」
「……フットワーク軽すぎないか?てか俺はそもそも。」
「それにお母様からには健斗さんのことは解放者の部分を除き、伝えてあります。神代魔法を所得している可能性が高いとなるとそれなら私も覚えていた方が国のためになりますので。」
ダメだ。こいつ多分どうやってもついてくるつもりだ。
少しため息を吐く。なんというかこいつ。誰かに似ているんだよなぁ。
「……はぁ。てか俺頼みじゃ大迷宮をクリアしても神代魔法は得られないぞ。」
「えぇ。それも承知です。それに。私がついて居た方が他の国への入国は楽になると思いますよ。」
確かに利点はそこだ。一応王国の姫という立場で俺は護衛の者といえばかなり入国は楽になるだろう。
しかし面倒ごとも多くありそうなんだよなぁ。ぶっちゃけ国に入る時は幻影魔法を使えばいいだけだし。
リスクとリターンを計算する。
……まぁ神のことを知った以上連れていった方がいいか
これでリリアーナになんかあったら俺も後味悪いしな
「分かったよ。とりあえずオルクスまで1日で行くからな。」
「へ?オルクスまでですか?」
「あぁ。おぶって行くけど絶対舌噛むなよ。」
「へ?」
リリアーナを背負うと風魔法で体を空中に浮遊させ飛び出す。
「んじゃ旅立ちだ!!」
「ちょっ!!」
そして一気に加速し始める。空気中のチリやゴミ、魔物は結界を張っているので体に負担は行かないように調整している。
「す、凄い。こんな魔法見たことないです。そういえば健斗さん。詠唱は?」
「ん?俺詠唱したことないぞ。というより魔力の流れをつかめたら普通の人間でも無詠唱で魔法は使えるはずだからな。」
「ま、魔力の流れですか?」
と不安そうにしているけど実際は一人魔力操作をする人がいれば一週間くらいでできるようになる。
「あぁ。後から教えるけど魔力には流れがあるんだ。俺からしたら詠唱や魔法陣は発動のイメージを高める目的って感じの方が強いからな。魔法の改造は地球に転生してからも少しやっていたころ時魔法陣を改良するくらいか?」
魔法の改造と聞きリリアーナは驚いていた。
「魔法っていうのは無駄なところを直したらより威力や性能が高まる。教えられた魔法をどう自分のものにするのかを調べればより改良点が見つかるはずだしな。」
「……解放者ではそういう研究をしてきたんですか?」
「俺はそうだな。でも解放者って結構自由だったぞ。基本的に噂を聞いて人材を集めていたし。」
「自由ですか?」
「元々縛られるのが嫌いな集団だったからな。俺もそうだけどでも、自分でやりたいことをやっていたかな。」
自由な暮らしができ。そして個性のあるメンバーだったことはいい思い出だ。
「とりあえず飛ばすぞ。自作の神結晶もあるから魔力の保存はしてあるから。」
「ちょ、今なんて言ったのですか〜!!」
と言いながらも飛びだっていく健斗にリリアーナはまた驚きの声をあげる。
……世界を変えるため
俺たちは空の旅を楽しんでいた。