創造戦記ガンダムIMAGINE   作:過多流

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まさか②をこんなに早く執筆するとは…(笑)
というわけで始まったのですが今回は高校生になったシュウが引っ越し先で本格的にガンプラバトルをやっていきます。そこで運命的な出会いを果たす、のか。

*登場人物が増えるので、主人公、箕輪シュウくんの設定を貼っておきます。

名前:箕輪シュウ
年齢:16歳 高校生
性別:男性
愛機:ウイングガンダム
詳細:本編の主人公。父の影響で機動戦士ガンダムシリーズにのめりこみ、小学生のころからガンプラの制作を始める。初めて見た作品は1stガンダムだがやがてアナザーのシリーズにハマっていく。中学生になってガンプラバトルシュミレーターβテストの最年少参加者となり、注目を浴びる。その時たまたま持ち合わせていた機体がウイングガンダムであったことから初のガンプラバトルの記念として愛機とした。彼は高校生になっても当時のウイングガンダムをずっとバトルで使い続けているという。


序章 少年の駆る流星②

 ゲームセンターオオナミ。日本全国に存在する大手のガンプラバトル専門のゲームセンターである。その本店、目黒店はほかの地方店とは違い、設置台数や階層はどの店よりも多い。また、その近辺は模型店激戦区となっているためか、プレーヤーにとっては聖地であり、地方勢からのあこがれの対象だった。もちろん、引っ越してきた箕輪シュウも例外ではない。

「オオナミの本店は大きいな…まさかここに来れるなんて。」

晴れ渡った空にそびえたつビル、そして看板の「ゲームセンターオオナミ」の文字。彼の地元、新潟にもオオナミはあったが規模の差は歴然だった。人生初、若干16歳にしてプレーヤーの聖地に来ることができた感動は何にも代えがたいのであろう、10分ほどただ眺めていた。外からでも、中の照明が見え、アナウンスとBGMが聞こえてきていた。

 

 

自動ドアに加えて空気殺菌装置をくぐり、オオナミの中へ入る。若干暗く、一面が青い中、上の階へ続くレッドカーペットが存在感を示す。周囲のモニターには昨今のガンプラバトルのリプレイはもちろん、シュミレーターやガンプラのPVが流れている。ゲームセンター特有のベース重めのサウンドは、シュウにとっても慣れた存在だった。

 

1階はガンプラバトルの新規登録窓口やバトルの準備ブース、ガンプラの性能計測機が設置されている。このガンプラバトルにおいては、プレーヤー自身の操縦技術ももちろんだが、機体の性能、すなわちガンプラの出来栄えが大きく強さにかかわっている。律儀なことにそれぞれの部位、機体ごとで性能の平均値が出されており、それを満たしているか満たしていないかは、初心者モデラ―にとっては重要なステータスであり、自信につながる案件となる。もちろん、ガンプラバトル中、外のモニターには機体のパーツごとのパラメーターは表示されるが、当のプレーヤーは見ることができない。そこで、この性能計測機でパラメーターを確認することが重要になってくる。これは市販のガンプラのパーツだけでなく、改造パーツすなわちビルダーズパーツにも適用されるため、新しくガンプラを作ったときはこの計測にかけるのがセオリーとなっている。

 

初心者なのだろうか、計測にかけた後なのか声にならないような悲痛な声や、まるで勝負に勝ったかのような歓声が聞こえてくる。彼らにとっても出来栄えを測るのは一世一代な部分もあるのだろう。シュウはとにかくバトルをしようと、耳や目に新しく入ってくるものを処理する以上に、バトルのできる上の階へ急いだ。同じように続く視界がだんだん違っていくように感じられた。

 

 

 

「では、03番のポッドに入ってガンプラをセットして下さ~い。」

女性係員のサービスのこもった誘導をもとに、シュウはガンプラをセットして出撃準備をする。彼はもう3年はガンプラバトルをやってきているのでこのあたりの操作は慣れたかのような手つきで進めていく。戦闘形式も「1対1マッチングバトル」を選択した。ガンプラバトルの中でも最もスタンダードなルールであり、プレーヤー1人ずつ2人がマッチングして、マップの両端どうしからCPUを倒しながら出会い、1対1の勝負を決める形式だ。倒したCPUの分のスコアもオオナミや近隣の模型店のポイントカードに蓄積されるため、シュウをはじめとする多くのプレーヤーに好まれた、オーソドックスなものになっている。

 

ウイングガンダムのデータが表示される。そしてシュウ自身のプレーヤー記録が処理されて起動準備が進んだ。3つの画面にはリニアカタパルトが表示される。正面のハッチが開いた。青色の地球が出迎える。そしてその地球は徐々に近くなっていった。

「重力下の戦闘ですが、気を付けて!発進、どうぞ。」

大気圏突入から再現されていた。放り出される感覚やGは相変わらずベルトをシュウの体に食い込ませる。高度計器の値が変わる演出や、周囲が赤くなっていくことから、その様子はすぐに感じ取ることができていた。

「まるでオペレーション・メテオだ。」

自動で降下していくなか、シュウはひとり呟いた。

 

 

 重力下だからといって、何か直接バトルに影響するわけではない。パラメーターの補正はほとんどかからないからだ。だが、プレーヤーにとっては宇宙が地球かというのは大きく関わってくる。それは、シュウにとっても同義だった。密林死線。とでも言えるぐらい広がるジャングル地帯はジャブローをも思い起こさせるほど深いものだった。

「視界やレーダーには問題ないんだな...」

シュウは苦笑しながら計器を観測する。レーダー反応4、どれも「OZ-06MS」リーオーだとわかった。レーダー反応があるというと相当近くに敵がいると判断できる。それはプレーヤーには常識だ。

「レーダーの位置からして潜伏してるな!?」

シュウは密林の中からマシンキャノンで先制攻撃を仕掛ける。全弾命中して、1機撃破することができた。所詮はCOM、リーオーだから補正で固くなるなんてことはない。もう1機も目視で確認できるほど近くにいた。先制攻撃を受けたのは1機だけであり、残りはむしろ、ウイングガンダムの位置を把握することができている。マシンガンの銃弾が上腕部に命中した。シュウも不意打ちには驚いたが逆に3機全ての位置を正確に把握できた。するとやることは一つ。密林から一気に上昇し、バスターライフルを構えた。照準を密集した3機の中心に定める。

「障害を、取り除く。」

流石のシュウもノリノリのシチュエーションである。COM相手からか尚更、原作のアニメパロディをかましたくなっていく。バスターライフルは3機ともに命中したのか、その後その3機を見ることはなかった。

 

 密林は続く。一向に同じ景色、同じ戦闘には流石のシュウも飽き飽きしていた。だが、その余裕はすぐに崩されることになる。

「噂のβ最年少参加者ってのはお前か。ほう、グランゾンじゃないのだな。面白いヤツだ。」

ジェリドを彷彿とさせる声の方を確認する。そこには、見たこともないMSが立ちはだかっていた。AGEのガフランを彷彿とさせるデザインに、まるで某合衆国のような鮮やかな青と赤のカラーリング。シュウちは極め付けには肩の嫌らしいほどのピンク色でメタル加工された肩部分は、昭和のイメージする不良まさにそのものに映っていた。

「オオナミ本店で覇権を取ろうものなら、俺を倒してみろっ!」

先程からの挑発に、シュウは我慢の限界以前に彼のことを面倒くさくなっていき、早くバトルを終わらせたかった。

「ジェリド・メサの焼き直しみたいな奴め、女の名前くらい言ってみろ。」

そう、挑発で返せばいい。それで相手が仕掛けてくれればシュウにとっては万々歳なのだ。案の定、声にならない声を上げてすぐに不明機は腕部ビームガンでシュウのウイングガンダムに仕掛けてきた。

 

待ってました、と言わんばかりにその攻撃を距離をとって回避する。そのままビームサーベルを抜き、反転攻勢をかけようと突撃をかける。

格闘戦に切り替えるなら、ラグがあるはずだ。そう思っていた。

「甘いな!こいつは射撃と格闘は一体なんだよっ!」

シュウの痛撃となるはずの攻撃は、切り払われてしまった。こうなってしまうと切り替えの早い方が先頭は断然有利になる。そのあとも不明機の攻撃は続く。シュウのウイングガンダムは武器も少ない。防戦一方にならざるを得なかった。

「もらった!」

二刀流の不明機から繰り出される斬撃を、防ぎ切ることはできなかった。ガードを破られてしまえばあとはもう、攻撃を受けるしかなくなる。不明機のメインカメラが発光する。それが近くに見えていた。まずい、ただそれをシュウは感じていた。




というわけで、②は無事執筆できました。説明多くなってごめんなさい。ちゃんと戦闘もいれたかったので3000字超えてしまいましたね。辛抱して読んでください← それはともかく失踪しないで良かったと安心してますね。さてさて序章の②でいきなりピンチになったシュウくん、このまま田舎者として終わってしまうのか、それとも....

ここまで読んでいただきありがとうございました。次も楽しみにしていてくださいね。

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