え?深夜帯が多いからこの話も深夜に投稿されると思った?
そりゃね。深夜テンションって偉大だからね。
でもスッと思いつく時もあるんですねぇ。
ここは博麗神社。
春が来ず冬のまま──そんな春雪異変を解決した後、花見を兼ねた宴会が開かれることとなった。
余興にはプリズムリバー三姉妹を呼び、その見事な演奏をBGMとしながら少女たちは会話を楽しんだ。
…………途中迄は。
▽▽▽▽▽▽▽▽
「ん〜〜! あなたのところのメイドもすっごい美味しい料理出すのね! やっぱりメイドってなんでもできるのねぇ、欲しくなっちゃうわ」
幽々子が咲夜の料理をぱくぱくと……傍から見れば訳のわからないペースで消費していく。異変を起こした張本人であるというのに図太いものだ、とレミリアはため息を吐きたくなるのを我慢した。
「当たり前だ、そしてやらん。咲夜はうちのメイド長だぞ」
「別にその子は要らないわ。でも指導の腕は評価しなきゃね。今度、妖夢にも教えてあげてくれないかしら?」
話を振られた咲夜は主人のほうをちらりと見てから、慎重に言葉を選んで返答した。
「……時間の空いているときで良ければ。その、妖夢さんはメイドの経験が?」
「? ないわよ?」
「そうですか。いえ、『あなたのところのメイドも』とおっしゃられたので、そちらにもメイドがいるのか、と思ったのですが」
「ああ、いたわよ。ヴィーって子」
「っ!」
「あら、知り合いかしら?」
「ええ、まぁ。うちの」
「元メイドだ」
咲夜の横からレミリアが被せるように言った。幽々子が不思議そうに首を傾げる。わかっていて聞いているな、とレミリアは察した。厄介なものだ。
「元?」
「逃げられてな。職場環境は悪くなかったはずなんだが」
レミリアはわざとらしく肩を竦めた。扇子で口元を隠した幽々子が、楽し気に嘯く。
「じゃあ主人が問題だったんじゃない?」
「貴様──」
「咲夜」
「しかし!」
後ろ手にナイフを握りしめる咲夜を片手で制す。
「咲夜。次はない」
「……すみませんでした」
「よく躾けておかないとダメよ?そんなんだからあの子も逃げちゃうのよ」
咲夜は歯軋りした。自分の敬愛する主人が貶されておいて何も出来ないとは……。それも己が至らぬばかりに!
そんな咲夜の内心を知ってか知らずか、レミリアは愉快そうに笑った。
「……ハハハ! その通りだとも。確かに少し管理を他に任せていた節はあったからね。だが……お陰で分かったこともある」
レミリアは思い出す。ここしばらくのフランの荒れようを。
やっと見つけた壊れぬ玩具……つまり運命の相手。追いかけてすぐにでも
試しに地下に行かせてみた妖精メイドが帰ってこなかったことを思い出しながら、レミリアは確固たる意志をもって宣った。
「アレは私の──私たちのものだ」
幽々子が困ったように眉を下げる。
「それはダメよ、あの子は私のもの」
「何故」
「
レミリアの脳裏に胡散臭い笑顔の女が想起される。実に忌々しいシルエットだ。
「……アイツか。どういう意図がある」
「知らないわよ。なんか罪人とか言ってたけど。しばらく預かってほしいって」
「罪人?何か罪を犯したのか?」
ずるり。レミリアと幽々子の間に亀裂が入り、そこから紫が音もたてずに降りてきた。
「──それには私からお答えするわね」
「……その悪趣味な登場の仕方はやめたほうがいいと思うぞ。握りつぶしたくなる」
「小娘がよく吠えるわねぇ。似合ってないわよ、その虚勢」
「表裏の境界もわからん大年増に言われたくはないな」
咲夜は一歩引いたところでその会話を聞いていた。幽々子という幽霊も相当だが、あの妖怪はそれ以上に底知れない。もはやその空間は、人間がいるべき場所ではなかった。
一触即発の空気の中、マイペースな質の幽々子が楽し気に問う。
「まぁまぁ。で、紫? あの子は結局何をやらかした訳?」
「見てもらったほうが早いわね」
そう言って紫は隙間から手のひらサイズの板を二つ取り出した。
「これ。一見ただの板のように見えるけど───」
そう言って紫は片方を幽々子に渡し、自分は隙間で遠く離れた所に移動した。そして小声で板に向かって話しかける。すると、
『遠距離で通話できるって訳』
まるですぐ隣で会話しているかのように、幽々子の持つ板から紫の肉声が聞こえてきた。
「───!!」
レミリアが絶句した。幽々子も目を見開いている。
『更に言えば。その範囲は使用者の妖力に比例する。つまり──』
「力があればより遠距離でも会話できるということか。これをあのメイドが?」
レミリアの言葉に紫が頷く。
「ええ。コレ、天狗みたいに社会性のある妖怪に渡すととんでもないことになるのよね。水際で回収したからいいけど」
「……殺してはないだろうな」
「生きてるわよ。過度に発達した文明は嫌いだけど、これって結局は妖怪の強化アイテムなのよね」
それに他にも気になる知識はあるし──と紫は思案する。外の世界の話ではなく、もっと重要な何かの知識だ。初対面の相手とまるで知己のように接するあの妖精には、きっとまだ隠していることがいくつかある。それを見極めるまでは殺さずに置いておくつもりだ。
「ふむ。隠していた訳だ。そのような有用な知識を」
レミリアが笑みを浮かべる。獰猛な猛禽類を彷彿とさせる笑みを。幽々子はその板をしげしげと矯めつ眇めつしていたが、紫に言われてしぶしぶ返した。
「残念、欲しかったのに。まぁあの子は一回休みになった訳だし、今はいないのでしょう? また生まれるのを待つ必要がある、違うかしら?」
「ええ、その通り。まぁいつ生まれるかもわからないけれど。……そうそう、貴女の犬を探しに向かわせようなんて考えているようだけど。もう手遅れだと思うわよ? 妖怪の山のは全て回収済みだもの。それに彼処は人間一人で入れるほど甘くないわ」
そう言って紫は消えた。
「……はぁ。やはりアイツは腹が立つな。咲夜、今日はもういい。お前は博麗の巫女辺りと仲でも深めてこい」
「よろしいので?」
「構わん。ここで私を狙う奴などたかが知れているさ。博麗の巫女がいるっていうのに」
「……ではそのように」
▽▽▽▽▽▽▽
「あら、咲夜じゃない。主人のところにいなくていいの?」
「その主人からもう少し周りと会話しろ、と言われたのよ」
「ふぅん。まぁいいわ、ちょうど新しい知り合いが出来たところだし」
そう言って霊夢は七色の人形使いを指差した。その隣には妖夢もいる。
ぎこちない笑顔で妖夢が会釈した。
「あ、どうも。魂魄 妖夢と申します……知ってると思いますが」
「そうね。知ってると思うけど、十六夜 咲夜よ。貴女は─」
「アリス・マーガトロイド。魔法使いよ」
…………。
…………………。
…………………………。
アリスは基本無表情、咲夜はそもそも余り話すのが好きなわけではない、妖夢は今回の異変の首謀者の従者ということですこし肩身が狭い。
だからか誰も何も話さない。
沈黙が重い。
この中で一番まともな感性を持つ妖夢が声を上げた。
「み、皆さん!唐揚げでも食べましょう!知ってますか、このタルタルソースっていうのをつけるとすっごく美味しくなるんですよ!」
必死である。妖夢はこの沈黙に耐えきれなかった。
……主人への毒舌? アレはまともな感性で判断してもそうとしか見えないからそう言っているだけである。
「……食べたことない味だわ。これ、貴女が作ったの?」
咲夜がタルタルソースを指にすくい、妖夢に問う。
「あ、それはヴィーさん、あのメイド服を着た妖精が──」
言葉は最後まで続かなかった。
アリスが妖夢の肩を物凄い力で掴んだからだ。
「その話、詳しく聞かせてもらえるかしら?」
「ひえっ」
アリス、今日初めての笑顔である。心なしか周囲に浮かぶ人形の目が怖い。妖夢は冷や汗をだらだら流しながら高速で首を縦に振った。
咲夜は嘆息した。
ヴィー、貴女一体何人敵を作れば気が済むの?
▽▽▽▽▽▽▽
幽々子は懐にある物体に意識を向けた。
へえ。こんなもので会話ができるなんてねぇ。
ふふ。どう使おうかしら。
そこにはヴィーが持ち帰ることのできなかった『k-phone プロトタイプ』が有った。
当然紫はどのタイミングでヴィーが生まれるかも知ってます。
いうわけないじゃないですか。紫ですよ?
また非常に?残念ながら?吸血鬼と月ってのは相性抜群です。
更に言えば幽々子はヴィーの料理の新しさがお気に入りです。
あとk-phone ですが。メール機能はついてないです。
更に本編でも言った通り範囲は妖力に比例します、故ににとりと連絡は取れてません。冥界だもの。あ、すでに紫はにとりに注意済みです。ヴィーがいないので。今はk-phone は非売品。それでも財を一山成してウハウハな河童がいたとかいないとか。
あとはレミリアの口調ですか。
アレはカリスマ全開です。会談用の態度。
当然紅魔館ならもう少し砕けた話し方をします。
咲夜に厳しいのも舐められるわけにはいかないから。未だ新参者の立場なので。
ちなみに執着順位としてはフラン(=レミリア)>アリス>紫>幽々子>にとり、のイメージ。あくまでイメージです。
にとりは熱烈にヴィーが必要なんだ!って感じではないです。
紫は他の権力者に渡るくらいなら私の管理下に、という感じ。それがないかぎりは見て楽しむ観客です。
ていうか序列一位が全く話に出てこないんですが。
いつ出てくるんですか(半ギレ)
うーん。次の回描くのめっちゃ大変そうなんで
時間かかるかもしれないっす。
この回でユルシテ……ユルシテ……
では