空が……昏い。
比喩表現とかではなく、本当に空が暗闇で覆われている。
……本当に空があるのか? はたまた何処かの屋内か?
わからない。わからないことだらけだ。
だから私はひとまず歩く事にした。
地面はいたって普通の土だ。ただ、森のように草木が生い茂るわけではなく、踏み固められた土って感じ。
ブゥゥゥン、ブゥゥゥン。
「あ、着信だ」
私のポケットにはまだ『k-phone』があった。
今までメイド服やら巫女服やらを着ていたけれど、今日は普通のワンピースだ。妖精が着ているような。
ただ、少しだけポケットが多い……これはにとりさんによる改造。
懐を漁って『k-phone』を探り当て、通話ボタンを押した。
「もしもし、ヴィーです」
『ああ、やっと繋がった。どこに行ったんだ、いきなりいなくなるからびっくりしたじゃないか』
私は空を見上げ、あたりを見回し、現在地を説明する単語が出てこないことに気づいた。
「にとりさん。……実は私もここがどこか分からないんですよね」
「なんでさ」
私は事情を掻い摘んで説明した。
『……またあいつか』
「らしいです……なにか目的でもあるんでしょうかね?」
『さあ? あの妖怪の考えてることなんか私に分からないよ。それより、早く帰ってきてくれ』
にとりさんの声はどこか疲れているようだった。
「ええ、できる限り早く帰るつもりですが……何かありました?」
『ほら、助手が巫女やってる神社あるだろ? あそこの神様が助手を探してんのさ。まぁ神様は簡単に神社の外に出るわけにもいかないらしくて、専ら巫女の方が探してるけれど』
「あぁ、早苗さんかぁ」
『私の方も仕事あるしね、できるだけ早めに助手を見つけたいところなんだけど。そこから空は見える?』
「……見えないですね」
『助手の持ってる『k-phone 』にはある程度位置を教える機能がついてるんだけど。レーダーが示してるとこ見ても居ないんだ……そうなると上か下だろう』
初耳である。盗聴アプリとか入ってないよね?
『空が見えないならおそらく助手は地下にいる』
「地下……」
『そちらでも出口を探してくれ、私も探しておく。じゃあ』
暗くなった画面をぼんやり眺める。
「切れちゃった」
私は『k-phone』をポケットに戻し、辺りを見渡した。
さて。目標をはっきりさせておこう。
確か私の記憶では、地上と地下は大穴でつながっている筈。
そこを見つけられれば、あとは飛んで帰るだけだ。
一応最後の手段として、自殺して一回休みになる、という手もあるけど……これはなるべくしたくない。私もどこで復活するか分からないからだ。
次にやっちゃいけないことリスト。
これは簡単、さとりさんに会うことだ。
東方の二次創作を読んだことあるからわかる、原作知識はどう考えても災いの種だ。これから起こる事を知ってるなんて口が裂けても言えないのに、言わなくても伝わるなんて……無理無理、紫さんに何されるか分かったもんじゃない。
あとは? ううむ、地底って確か旧地獄って呼ばれてたよね。
気性の荒い妖怪が多いとか。
すると……さとりさん含め、なるべく現地の妖怪には合わない方向でいきたいな。
よし!まずはこの辺りを探索してみよう。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
あっちをふらふら、こっちをふらふら。むき出しの岩壁に行く手を阻まれたり、鉄格子の嵌められた牢屋に行きついて闇を感じたりしながら、私はいまだ脱出できずに地底をさまよっていた。
……そういえば、大穴って具体的にはどういう感じなんだ?
天井に空いてるのかな?
思わず上を見上げる。やっぱり暗くて何も見えない。
私は岩や岩盤のせいで迷路のように入り組んだ路地をうろうろするのをやめて、明るいところを探しに行くことにした。
これは簡単。ただ飛んで、明るいところを見つけて向かうだけ。
私は高度を上げて、上げて、上げて……
………突然羽が何かに絡まって動けなくなった。
「な、何!?」
辺りを見回すが、誰もいない。思い切り力を込めて飛ぼうとするも、
「んーー! ……ダメだ、取れない。何かにくっついたのかな」
しかし羽を見ても何か付いているようには見えないのだ。
仕方なく私は力を抜いて、なすがまま宙ぶらりんになった。
何分くらいたっただろうか。ふと、頭上から声がした。
「……まさかこんなところで引っかかる奴がいるなんて」
「だ、誰?」
「知らなくてもいいことさ」
急に体に力が入らなくなった。
気分が悪くなってくる。体が重く、だるく、熱い。
そのまま私は揺られて何処かへと運ばれていった。
……気持ちわるい。ゆらさないでぇ……
ドサリ。
放り投げられることで朦朧としていた意識がはっきりしてくる。
「うぅ……ここは……?」
「それも知らなくていいの……って、あんた、もしかして妖精なの?」
羽を弄りながら問われる。私の両腕両脚は紐のようなもので拘束されていて、身動きが取れない。
「そうです……けど」
「なんだ、食べられないじゃん」
「食べるつもりだったんですか!?」
「そりゃそうよ」
次いでため息が聞こえた。
「でも妖精は無いわー。中身スカスカなんだもの、食べようなんて思わないよ……はぁ。無駄足だったなぁ」
「えぇ……なんかごめんなさい」
「いや、確認しなかった私もあれだし。こう言っちゃなんだけど、お詫びになんか奢るよ!」
「うぇ!?」
糸を解かれる。私を捕まえたのは黒谷ヤマメさん……つまり、れっきとした原作キャラだった。
▽▽▽▽▽▽▽▽
「いらっしゃい!」
ヤマメさんと来たのは街の中の一軒の‥‥居酒屋? かな?
なんだかんだ言って街にも入ってしまったし、こうなったらそれとなく仲を深めて穴の場所を教えてもらって円満に帰ろう。
追いかけられてもないのに逃げるのはよくないよね。
「これと……この酒、あとこれ」
私は注文を終えたヤマメさんに話しかけた。
「……私、お酒飲んだことないんですけど」
「ええ? じゃあ今日が初体験だ」
「あ、私も飲む流れなんですね」
「そりゃそうさ、こんなうまいもの知らないなんて損だよ損」
その後もどうでもいいことを話していると、お酒が運ばれてきた。
「じゃ、乾杯!」
「か、乾杯」
ヤマメさんはグラスのお酒をごくごくと飲み干した。
「ほらほらどーぞ。 ……ええと。名前聞いてなかったね」
「あ、どうもご丁寧に。ヴィーです」
「よし! ヴィー、一気に飲み干しちゃえ!」
「えっ」
「大丈夫、そんな強くないから」
私はグラスの中のお酒を見た。
水面に映る私と目があった。
……ええい、ままよ!
そして私はお酒を飲み干した。鼻から強烈なアルコールの香りが抜ける。
「……ふわ」
遅れました。
全部オリュンポスの所為です。
なんですかデメテルって。ふざけてんですか?
勝てねえから!(石コンテ×1)
さて。話を変えませう。
正直なところヤマメの曲知らないんですよね。
なのでタイトルは私の知る限り曲名ではないです。
金戒光明寺。別名をくろ谷さん。
キャラとしては好きです。そもそも私は蜘蛛が好きでして。
アラクネとかは性癖にぶっ刺さりです。南Q阿伝全巻揃えました。
遊戯王で好きなカードはアトラの蠱惑魔、クトゥルフ神話ではアトラック=ナチャが好きです。
………じゃなかった。東方の話をしましょう。
個人的には里山が一番好きなカプです。ですがそうすると話の流れが壊滅しそうなので今作では出ないでしょう。残念……
地底勢に限らず東方の登場人物は酒が好きですよね。
でもヴィーはお酒飲んだことないです。
…………酔いとか。反射させちゃおっかなぁ。
でもうちの子の反射がどこまでいけるか明確に決めて無いんだよね。だから出すかもしれないし出さないかもしれない。
でもお酒つよつよ勢が酔うのも展開としてアリだな……
あ、オリュンポスは終わりましたが、ちょいとやる事がまだあるのでまた更新は遅くなります。多分三日くらい更新しないんじゃないかなぁ。
すまないです。行き当たりばったりで展開を考えているので導入が思いつかないといつまで経っても進まないんです。
では、また。