東方逃亡精   作:鼠日十二

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レベル1とノーマルの中間。略して……ノーカン……!


閑話 R.I.P.

 

 

首の違和感で目が覚めた。

……博麗神社にこんなベッドあったっけ?私はむくりと起き上がって、目の前の光景に思考を停止させた。

 

 

 

壁が、紅かった。

 

 

 

 

ドアが開けられて、いつのまにか私が寝ていたベッドのそばに誰かが立っていた。その人物は私をベッドから下ろし、メイド服に一瞬で着替えさせこう言った。

 

 

 

「お嬢様がお呼びです」

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア様は王座とも呼べるような椅子に座って足を組んでこちらを見た。

 

 

 

「こうして会うのも久しぶりだな、ヴィー」

「そそそそうですねっ」

 

 

いつにも増して威圧感が強く体の震えが止まらない。

 

 

 

「今の内に言っておくことはあるか?」

「本当に申し訳ございませんでした」

 

 

半ば重圧に負けるように土下座した。冷や汗が顔を伝って絨毯を濡らした。

 

 

 

 

 

「……はぁ。条件がある」

「なんでもします」

「今日から一週間フランの専属のメイドになること。さらに以降週のうち二日はここで働くこと」

「そ、それくらいなら」

 

ごめんなさい早苗さん、守矢神社に行く回数減りそうです。

 

 

「あと咲夜がやっていた業務の一部の引き継ぎと妖精メイドの管理」

「えっ」

「安心しろ、此方は一日でいい」

「分かりました……」

 

 

 

 

 

がっくりと肩を落として咲夜に連れ出された妖精を見届けてレミリアはため息をついた。

 

 

 

(全く……忌々しい。特定の勢力に属することの禁止。ヴィーにそんな力があるとは思えないが……既に守矢も永遠亭の奴等もある程度の干渉をしているとなれば何かあると見ていいだろう。紫がそれを私に黙っていたのは気に入らないが)

 

 

 

(それに。私の能力が選んだ道筋にどうやらヴィーは必要らしい。手元に置くくらいはしておかねば)

 

 

 

実のところ直ぐに痛めつけたりせず態々回りくどい事をした理由の筆頭は「フランが喜ぶから」であるのだが。それを本人に伝える必要はないだろう。

 

 

▽▽▽

 

 

 

 

薄暗い廊下を咲夜さんと歩く。

「ヴィー」

「はっ、はい」

「そんな硬くならなくてもいいわ。私は貴女に感謝している……当然お嬢様もそう。妹様を救ってくれたこと。私では叶わなかった」

「い、いえ……?あの、私が言うのもなんですが恐ろしい迷惑をかけたんじゃないかと思うんですけど」

 

「そうね。あんなに感情の整理がついていないお嬢様は初めて見たわ」

 

「でも」と咲夜さんは続けて言った。

 

「あんなに紅魔館が危機感のない賑やかさだったのも初めて。私が人間の感性で物事を見ているからかは知れないけれど、妹様が幽閉されていた頃の紅魔館は酷いものだった。だから──あら。フライングね」

 

 

 

 

咲夜さんが前を向いたので私も前を見た。

廊下の奥にきらきらした光がみえる。

 

 

 

「最後に。貴女のその首輪はパチュリー様特製で、貴女に継続的に月の魔力を供給するわ。簡単に言えば、傷が直ぐ治る……らしい」

「なんで断言してくれないんですか……」

「貴女の反射が何処まで適用されるか分からないからよ。パチュリー様は『その為に態々密着型の首輪にした』と言っていたわ。じゃあ、任せたわね」

 

 

そう言って咲夜さんは煙のように消えた。

同時に廊下の奥から「居たっ!」と声がして、腹にフラン様が突っ込んで来た。

 

 

「ぐえっ」

 

衝撃の三割は私が受け止め、七割は霧散した。それでも痛いものは痛い。

 

 

「逃げないの………?」

「逃げられないが正解です。レミリア様に怒られまして……フラン様のメイドをやるように、と」

「メイド……」

 

 

 

フラン様は不満そうな顔をした。

 

「それじゃダメなのよ。私は貴女と友達になりたいの」

「友達」

「でもいつも逃げちゃうから、嫌われてるのかなって」

「ご、ごめんなさい、そんなつもりはなかったんです」

 

「それ」

「?」

「友達に敬語なんて使わないことくらい、私だって知ってるわ。ねぇ、そこのところどうなの?」

「敬語をやめろってことですか……?」

「友達………敬語………」

 

フラン様が少し悲しげな顔をした。

 

「ごめんなさい!フラン様は友達で……だよ!」

「様?」

「フランちゃん!」

「うふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、レミィ」

「…………………」

 

 

はぁ、とパチュリーは数回目のため息をついた。

レミィがお茶会を開くと言ったから、小悪魔に紅茶も用意させたのに。水晶玉に映し出された自分の妹の様子を見てばかり、何の反応もない。そもそもお茶会を習慣にしよう、なんて言い出したのはレミィの方じゃないの。

 

 

 

何となく腹が立ってパチュリーは水晶玉に映像を投影するのをやめた。

 

 

「ちょ、あれ?パチュリー?」

「レミィは紅茶もゆっくり飲めないのかしら?」

「いや、しかしだな──」

「今はプライベートよ?そんな堅苦しい口調やめなさい。それに」

「それに?」

 

 

パチュリーは読んでいた本を視線を遮るように持ち上げてページをめくった。

「私の愛称も忘れたの?」

「いや、あれは……少し、何というか……」

「へえ?フランが元気になった日に酔って物凄いテンションで『愛称でも決めましょうか!私は二人の時だけパッチェって呼ぶから、貴女も私のことはレミィって呼ぶのよ』って言ったのは何処のどちら様だったかしら?」

「ぐっ……」

 

 

 

 

そんな二人を本棚の影から覗き見る目があった。

 

 

 

「うーん、いいですねぇ。多少もどかしいけど、それもまたスパイス」

「覗き見とは悪趣味ね」

「あら咲夜さん。大丈夫です、盗撮もしているので」

「何が大丈夫なのかわからないわ」

「いいんですよ、個人用なので。そんなことより咲夜さん、聞きましたよ。一日休暇がもらえるんですって?」

「……情報が伝わるのが速いのね」

「噂話は楽しいですよ?」

「貴女は話が通じているのかわからないわ……」

 

 

そう言って咲夜は出ていった。

 

「うーん、やっぱり美鈴さんとお出かけですかねぇ?そう言えば、あの緑髪の妖精の子はもう来ないんですかね?ああいう弱気なタイプ、個人的に好みなんですが……うちにはいないタイプですし……」

 

 

 

 

 

 

 







どうも。みずねです。
急なアンケート申し訳ないです。投票してくれてありがとう
思ったよりレベル4が多かったですね。本気でレベル4に投票した貴女には私の活動報告の一番下を見てもらえればわかるはずです。バッドエンド、あります。


さて。タイトルは例の如く、ですから割愛。
requiescat in paceの略らしいです、ラテン語だとか。ずっとrest in peaceの略だと思ってました。今はそちらの方が有名らしいですね。まぁ元ネタがそれだった、くらいでいいんじゃないかな

次。なんか書いてて思ったのですが、今回のフランだいぶあざといような可愛いような感じしません?個人的にはフランちゃんにうふふって言わせられたのほんと嬉しいです。

次。大妖精と小悪魔に特に接点はないです。今のところ。そもそもだいこあなんてカップリングを知ったのは東方手書きをニコニコなどに上げてらっしゃったきりうさんのせいなんですよね。名無しコンビ‥…なるほど。


そういえばロストワードの鈴仙、戦闘終わった後に指で銃の形を作って撃ち抜くような動作をするんですが、どうもその後恥ずかしがるように顔を赤らめているように見えるんです。私の気のせいかな?もし事実だとしたらこんなに素晴らしいことはございませんね。尊すぎて死ぬかと思った。



ではまた。
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