東方逃亡精   作:鼠日十二

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Carry On

「本当にこっちで合ってるの?私には同じ景色にしか見えないんだけど」

「いくらなんでも自然に慣れてなさすぎよ、蓮子。木の特徴なんて誰にでもわかるレベルよ」

 

 

蓮子とメリーは獣道と山道の中間のような所をたどっていき、ついに博麗神社へと続く階段を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「写真で見た以上の荒れ放題具合ね。そもそもあの写真何時撮られたものなの?」

「さあ、確認してなかったからね……」

 

 

草をかき分け階段を上り、蓮子とメリーは境内へと立ち入った。

 

「思っていたより広いね。メリー、何か見える?」

「……いいえ。もう少し周ってみましょう」

 

 

参道から本殿、水の枯れた手水舎。

二人は手分けしてそれらの建物に異常な点がないか探した。

 

 

「思ったより広いね……一体なぜ寂れたんだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十分、二十分と時間がたつが、不可思議オブジェクトもオカルト的存在も見つからない。業を煮やした蓮子はメリーに収穫を訪ねようとした。

「メリー、そっちはどうだった?」

 

 

……返事がない。

 

「メリー?」

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここは、一体?」

 

メリーは森の中にいた。

 

 

神社の裏を覗いて森の中を数歩進んだだけで、周りの空気は一変していた。

思わず振り返ると、先ほどまで朽ちていたはずの神社が改装されたかのように本来の姿を取り戻している。

 

 

訳も分からずふらふらとメリーは森を抜けて、神社を目の当たりにしさらに困惑した。

噎せ返るような自然の香りとうっすらとした神域を除く全てが新しくなって……いや、これは。

()()()()()()()()()()()

 

 

「………外来人?」

 

 

ふと声をかけられて、メリーは反射的にそちらを向いた。

赤と白のリボンに奇天烈な巫女服。

彼女は面倒くさいと言わんばかりにため息をついて自己紹介した。

 

 

「私は博麗霊夢。ここ博麗神社の巫女よ」

「………マエリベリー・ハーン。メリーで良いわ」

「メリー、ね。ひとまず話は紫に聞きなさい。今から呼ぶから──」  

 

 

ゆかり、縁、紫。

 

 

「それは、八雲紫って人?」

「──何故それを?いや、良いわ。私が戻ってくるまでそこを決して動かないように。破れば命の保証は無いわ」

 

 

博麗霊夢は本殿の中へ消えていった。

 

 

「随分な脅し文句ね」

メリーは本気にはしなかったが、霊夢の表情を鑑みて縁側のあたりに座るに留めることにした。気圧されたわけではない。ないったらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと視界の端にちらりとものが写って、、メリーは振り向いた。

 

座っているからかもしれないが、背の高く見える女性が背後に立っていた。何よりも目を引くのは、狐のような尻尾が何本も生えている点。

 

 

「貴女が八雲紫?」

「……………いや。私は八雲藍だ」

「霊夢は?」

 

 

 

返事はなかった。

藍はメリーの細い首に手を添え、そっと絞めた。

ゆっくりと力を込める。もう少し、後ほんの少しでメリーの首が折れるだろうところで、急に藍の力が緩んだ。

 

 

そこに、横から何かが飛んできて、藍の腕を振り払った。

その影はメリーの手を取って早く立てと急かす。

 

「にににに逃げますよ!ほら早く!」

「けっほ、けほ。貴女は………」

「いいから!」

 

 

妖精は少女の手を取って奥の森へ消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある程度逃げたところで私──ヴィーはメリーさんと息も絶え絶えに座り込んだ。

 

 

 

 

 

 

「ふーっ、ふーっ」

「一体何が……?」

「なんでメリーさんがここにいるんですか!」

「私にだって分からないわ、気づいたらここにいたのだもの」

「藍さんに殺されかけた理由は!?」

「それも分からない」

 

 

「……ふう、一先ず、一先ずですよ。博麗神社はダメです、危なすぎます。詳しく言うと私後で死ぬよりもひどい目に合う気がするのでぼかして言いますが、紫さんはワープゲート的なものが使えます」

「それ詰んでないかしら?」

「と思ったんですけど本人が現れる様子がないんですよ。この場合①ほかにやることがある ②メリーさんには使えない理由がある、といったところでしょう。ちなみに藍さんは紫さんの部下的なあれです」

「一体何者なの?八雲紫という存在は」

「平たく言えばここ幻想郷の管理人です。幻想郷の結界が壊れるとかそういう大ごと以外では基本的に表舞台に出てきません。大妖怪らしいです」

 

 

「大まかには理解したわ。それで?当てはあるの?」

「ここ幻想郷には人里が存在します。妖怪の干渉をほかならぬ紫さんが禁止しているとかなんとか。それに木を隠すなら森の中とも言いますし」

 

 

妖怪が管理する世界の人里。一瞬浮かんだ養殖場という単語をメリーは振り払った。

 

 

「それに、人里なら人間の味方をしてくれる妖怪もいますし、絶対とは言いませんが一息つけるかなと思います」

「良いわ、そうと決まれば早速行きましょう。死ぬのはごめんだわ……今更なのだけれど。貴女って何故私を助けたの?」

 

 

「え?当たり前じゃないですか、目の前でメリーさんが殺されかけてるんですよ」

「でも、私って多分この世界にいたらまずいから狙われてるのよね」

「うぇ?うー、それはそうかもしれませんが……」

 

 

 

メリーは情報が足りなすぎると感じた。この妖精についても、この世界についても。

 

 






まずはお詫び。お詫び?


今現在授業と課題で死にかけています。ほんとに。
ひたすらに物量がやばい。

あと自分の設定に矛盾を起こさない様に気を付けて書いているので筆の進みが蛞蝓。死!死!


……さて、この辺にしときましょう。
こっからはいつものです。


先ず、個人的な設定に入れたかったことの一つに「メリーは夢遊病者である」というのがあります。公式じゃないと思います、一応。
メリーがいつもナイトキャップ(だっけ?)をつけていること、夢の中で幻想郷に行ったという描写があることなどからそう思ったんです。


でもそうしたからと言って話に変化ないし書いた後に思いついたので手遅れでもあるし。かかなくていいかなって。


次。藍しゃまサイドは次の話で書く予定なんですが、想像以上に変態チックで人を選びそうな展開になったのでもしかしたらこう、なんというか注意書きとかするかも。飛ばしてもいいですよー、とか。
正直なところ今回の首絞めも結構変態チックかなって思うんですよ。大丈夫?私の趣味がちょくちょく顔を出しているんだけど……。ここの読者様がどこまで許容範囲か分かってないんですよね……。





藍しゃまメンテナンスの石で2人きました。橙はもういるのであと紫様だけで八雲家が揃うっ。スキマで確率の壁をすり抜けてきてくれないかな……。



あああ、最後の方なら固まってるからそこまで行けば更新早くなるのに……辿り着くまでがきっつい……。


最後にどうでもいいはなしですが、この作品は最初一話完結の短編でいいかなと思ってたんですよ。それを連載にしようと決めたのは初めてきた感想のおかげなんです。いや続けてよかった。感想第一号の方、見てないと思うけどありがとう



できれば一週間ほどで次の話を出したいけど、ねぇ。
また会えるといいですね



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