東方逃亡精   作:鼠日十二

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おそくなりまして。もうしわけござらん。


ever after

決して手を抜いたわけではない。ただ弾幕勝負の結果は早苗の勝利に終わった、それだけである。

 

 

 

「さあ、船の中を見せてもらいます。隠してたりしてたら怒りますよ」

「隠さないさ。それより聞きたいんだが……そのヴィーって妖精とはどういう関係なんだい?」

「うちの巫女です」

 

 

 

「……は?」

 

 

ナズーリンは開いた口が塞がらない。巫女?妖精が?

その驚きを他所に早苗は話を続ける。

 

 

「そして恩人でもあります。うちの神社が潰れなかったのはあの子のおかげのようなものですから……。でもある日突然いなくなっちゃって」

「それで探しに来た、と」

「ええ。紫さんはああいってますけど、神奈子様と諏訪子様──あ、うちの神様です──は存在を確認したといっていますし」

 

 

 

今度こそナズーリンの思考が止まった。情報量が多すぎる。一つずつかみ砕かねば。

 

 

 

「紫ってのはあの賢人の?」

「そうですよ、八雲紫さん。ヴィーのこと知ってるみたいだからいろいろ聞きたかったんですけど、姿を見ないんですよね」

 

 

 

 

……あの妖精とんでもない権力者と繋がりがあるのか。それなら知識の出処もまあ説明がつくというものだ。肝心の目的についてはいまだわからないが。

 

 

「神奈子様というのは?」

「守矢神社の主神です。()()()()()神様?」

「風雨?太陽ではなく?」

「……太陽はあまり関係がなかったように思いますが」

 

 

 

駄目だ。一向に全貌が見えてこない。さっさと引き合わせたほうが早いだろうか?

 

ナズーリンは早苗を連れてヴィーを追いかけることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一先ずここから離れよう。聖さんの復活が見られないのは仕方ない。魔界に行って逃げ場がなくなるのが何よりの問題なのだ。

 

私は船から身を乗り出して、いざ外へ──とはいかなかった。

 

 

 

「おっと、ヴィーもこっち」

 

一輪さんの声に合わせ私を掴んだのは雲山さんである。

 

「一気に三人も邪魔者が来たらしい、迎撃に行くことになった。何が目的なのかわかんないけど、ナズーリンからヴィーの面倒を見るように言われてるし。仕方ないから雲山の後ろに隠れてな」

 

「いえ、その、邪魔じゃないですか?態々匿ってもらわなくても、自分で飛べますし……」

「危なっかしくて見てられないわ。それに、ヴィー弾幕持ってるの?」

「う」

 

 

フラン様に使ったやつは借り物に近い。私一人では作り出せないのである。それでもって、私自身の妖力がそれほど高くないせいでオリジナルの弾幕がまだ出来てないのだ。

 

 

 

私は断りきれず、諦めて付いていくことにした。こうなったら最後まで隠れ切るしかない。私は雲山さんの背中……か後頭部かはわからないが、ともかくその辺りのふよふよしたところに隠れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたが賊か?」

一輪さんが相対しているのは、

 

「まさか!私は普通の魔法使いだぜ!」

 

魔理沙さんであった。ということは霊夢さんの相手は村紗さんだろうか。………霊夢さんか魔理沙さんかで言えば魔理沙さんの方が良かった。紫さんと繋がってなさそうだし……

 

 

と、そんな私の思考を遮るように一輪さんのスペル宣言が聞こえてくる。

 

 

「あんた、飛倉の破片持ってるんだって?信心深い人間もいたもんだ。あとはそれを渡してくれりゃいい!鉄拳『問答無用の妖怪拳』!」

 

 

そこから始めるスペルカードの応酬。雲山さんがかなり激しく動くものだから、私は振り落とされないようしがみつくので精一杯である。気づけば既に弾幕は終わっていて、何か絶叫系のアトラクションに乗ったかのよう。

 

 

 

 

 

 

 

「……やるね、あんた」

「私の勝ち、だな。しかし……言っちゃ悪いが、少し遅すぎないか?その雲男」

「あー、そりゃそうだ。熱中して忘れてた。大丈夫?」

 

 

 

私は一輪さんに引っ張り出された。

 

 

「……あー、その。お久しぶりです、魔理沙さん」

「お、おま、お前」

 

 

 

魔理沙さんが高速で近づいて私の肩を掴んだ。目が血走っている。

 

 

「ひぇっ」

「ようやく見つけた。お前が……お前がいなくなったせいで……フランの遊び相手が私に……!」

「いや待ってください。聞き捨てならない単語が聞こえたんですが」

 

 

「……もう離さないからな。こんなとこで時間を潰している場合じゃない、さっさと紅魔館に行くぞ!」

「いーやーでーすー!断ればいいじゃないですか!」

 

「………パチュリーの本が返せなくてだな」

「自業自得です!」

 

 

 

そう言うと魔理沙さんは覚悟を決めたような顔をした。

 

 

 

「週3でどうだ」

「そもそも嫌なのですが」

「いいのか?私がお前が生きてることを伝えたら、レミリアが本気を出すかも知れんぞ?」

「悪魔!鬼!」

「レミリアに言ってくれ、これでも譲歩してるんだ」

 

 

こんなところで捕まるわけにはいかない……!

 

 

「せ、せめてこの異変は最後まで見届けてからにしませんか!?せっかくそれ、集めたわけですし」

「……まぁ最初はそのつもりだったし、構わないが……逃げたら許さないぜ」

 

 

こんなにも八卦炉が恐ろしく見えたのは初めてである。

 

 

「なぁヴィー、ところで」

「なんです?」

 

 

魔理沙さんは私の体を一周させてから言った。

 

 

「なんで背中に鼠引っ付けてんだ?」

「はい?」

 

 

答えは一輪さんの方から出てきた。

 

「あ、それナズーリンのだね。妖力で生み出したんだったっけか」

「……………」

「無くし物の場所をが分かるように、ナズーリンは鼠の場所が把握できるんだってさ」

 

 

 

おわったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







理由
・作者のレポート祭りは11日まで
・ヒロアカ二次が思ったより上手く行った



作者が態々匿名で新しい作品出してるのはこのアカウントが知り合いにバレているからです。知り合いは東方にそこまで明るくないのでここに書いてもバレないでしょうが、そいつの知ってるジャンルで二次創作するのはなんか……抵抗感的なものがありまして。


ちょっと調子出てきたので次はなるべく早く更新したいなぁと思います。ではまた
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