東方逃亡精   作:鼠日十二

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輝夜の能力って解りづらいですねー……
原作でも正確な描写はないんですって。どうすんだよ。


10の−15乗

 

 

 皆さんこんにちは。ヴィーです。

 突然ですが! 今私はどこにいるでしょうか?

 

 

 正解は……ここでーす!こっここっこー!

 

 輝夜さんの膝の上でしたー!

 

 

 

 ……はい。弁解のしようもありません。どうにも抱っこするの気に入ったみたいで。

 どこへ行くにも私を抱っこ。ご飯の時は膝の上。

 

 永琳さんに助けを求めるも、

 

 

「姫様が幸せそうなのでもう少しお願い」

 

 

 と言われちゃ……断れないよね……。

 ここ出て行きたくないし。輝夜さん除けば居心地がかなりいいんですよねー。でも

 

 そろそろ私も自分の家欲しいなぁ……。どっかにちょうどいいサイズの木のうろとかないかな。

 

 

「ほんと小さくて抱きやすいわね」

「これからもっと大きくなるんです! 成長期が来るんですー!」

「でもそれは次の満月の時でしょう? まだ先よ」

「ぐぬぬ……」

 

 そう言われると言い返せない。そもそもにわか妖精だから、妖精がどうやって生まれるのか全然知らないんだよね。ほんとに成長するの?

 

 

「あ、この煮物美味しい」

「私も食べ」

「はい、あーん」

「自分で食べられますから!」

 

 

 しかし酷なことに、私の箸は用意されていないのである。まさか手づかみで食べるわけにもいかないし……。仕方なく、本当に仕方なく私は煮物を食べさせてもらうのだった。

 

 

「あ、おいしい」

 

「……私達は何を見せられてるウサ?」

「姫様って可愛いもの好きだったのね……。そういえばうさぎもよく構ってたわね。……ん? 師匠? 何やってるんですか?」

「姫様のあんなふやけた笑顔はかなりレアよ。記録に残しておかなくちゃ」

 

 爆速で筆を走らせる師匠。

 

「もしかしてここってポンコツしかいないウサ?」

 

 

 その呟きには誰も答えなかった。

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

「さぁ!今日もトランプするわよ!」

「うぇ、またですか……?」

 

 

 輝夜さんの学習速度は異常の一言に尽きた。あっという間に知る限りのトランプ遊戯を覚え、そのうえでめちゃめちゃ強いのだからたまらない。

 

 そして勝負に負けるということは、言うことを聞かされるということでもある。輝夜さんの腕の中で、私は必死に別の暇つぶしをしようと主張した。

 

 

「散歩とか行きましょうよ」

「この辺りは竹しかないわよ」

 

 

 そういやそうだった。

 

 

「ぬぅ……」

「……でも、そうね。暇つぶしの当てならあるのよね」

「当てですか?」

「ええ、そう。一人、知り合いのような何かが」

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

「何しに来たんだテメェ」

「何って暇だから来たのよ」

 

 

 白髪に何枚もの札が張られた赤いもんぺ。東方キャラには珍しい出で立ちのその少女は、輝夜さんを見て眉根を寄せた。鋭い視線が私のほうにも向けられ、思わずびっくりして反射してしまう。

 

 妹紅さんの視線が訝し気なものになった。

 

 

「……その腕のは?」

「輝夜さん、おろして「ダメよ」あっはい。 ……ヴィーです。永遠亭でお世話になっている妖精です」

「……私は藤原 妹紅。そいつとは腐れ縁……のようなもんだ」

「あら、もっとはっきり言ってくれてもいいのよ?私と貴女が殺し合いする仲だって」

 

 

 何言ってるんですか輝夜さん?

 

 

「……その妖精、固まってるみたいだが」

「そういえば言ってなかったかも」

「アホだな」

「煩いわね、殺すわよ」

「そういうのを無理難題って言うんだ。お前の得意分野だな」

「私は難題を出す専門よ。解くなんて面倒なだけ」

 

 

 知識としては知っていたけど、こうもフランクに殺し合いする仲だとは思ってなかった。私はあわてて輝夜さんに話しかける。

 

 

 

「え、えーと。殺し合いって?」

「そうね、説明してなかったわ。私は死なないし、妹紅も死なない。そういう体質なの」

「はぁ」

 

 

 そういうのって軽々しくバラしちゃいけないんじゃないの……? ついていけない私を他所に、輝夜さんは私を地面に下ろす。すっかり戦闘態勢だ。

 

 

「というわけで、妹紅で実演してあげるわ」

「あ? ブチ殺すぞ?」

「できないことを言うのは褒められた事じゃないわね」

「何回だって殺してやるよ」

 

 

 

 その言葉を皮切りに、二人は喧嘩を始めた。

 

 ……これ果たして喧嘩のレベルなの?

 火が舞い、地面を這って天へと一直線に伸びる。光球が炸裂し、あたり一面に光をまき散らす。

 

 

「あら、新技ってやつ?」

「お前に二度と来てほしくないからな。いくつかデケェ技を用意してある」

 

 

 

 鳥の形をした炎が彼方此方と飛び交う………あっつ!! いま掠めたんだけど!

 私がいるの忘れてない!?

 

 

 隠れようにも周囲は竹ばかり、楯にするには細すぎる。そうこうしてるうちに妹紅さんがとんでもないサイズの火を片手に集め始めた。

 

 それは収束し、分裂し、己の身すら薪とするほどの熱を放つ珠となった。

 

 ここまで熱波が届く。あつー……

 

 

「オラァ!」

 

 そしてその火球を気合一発、輝夜さんに投げつけたが……

 

 

 輝夜さんはそれをどうやったのか横に吹き飛ばした。片手にはきれいな珠が付いた枝が握られている。ああ、あれを使って弾いたのかな。

 

 

 

 

 ……。

 ……よこ?

 

 

 こっちきたぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

 

「にゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「あ」

「うわ鬼畜」

 

 あっつい反射反射反射ぁ!

 

 七割跳ね返した火球は地面にあたり大爆発を起こした。残りの三割は──

 

 

 

 あっ───あかきれい─────

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 ──知ってる天井です。と言うか永遠亭のそれ。

 私が初日に見たのとおんなじ。

 

 

「あら、起きたかしら?」

 

 ここまで既視感。

 

「えーと、わたしは?」

「……姫様の喧嘩に巻き込まれて吹っ飛ばされ、意識を失って姫様に連れられて帰ってきたのよ」

「あー。なるほどですね」

「と言うわけで。姫様」

 

 永琳さんがそう言うと、障子ををスッと開けて輝夜さんが入ってきた。

 

 そして、頭を下げた。

 

 

「ごめんなさい」

「い、いいですって! 私がどんくさいのがいけないんです!」

「また抱っこしてもいいかしら?」

「そ、それは……」

 

 

 というかそれとこれとは別問題じゃ……?

 

 

「……やっぱり許してないのね。そうよね、貴女にはひどいことをしたものね……」

 

 

 しょんぼりしている。それはもうしょんぼり。

 

 

「……………………1日1時間だけなら」

 

 

 先ほどの沈んだ空気から一転、輝夜が楽し気に笑った。

 

 

「言質はとったわ」

「フリ!? 落ち込んだフリだったんですか!?」

「そんなことないわ」

「いや、その笑顔は上手くいったって顔です!」

「そんなことないわ」

「ならなんで笑ってるんですか!」

「そんなことないわ」

 

 

 いよいよ輝夜さんはケラケラ笑い出した。なんだかもう勝てる気がせず、長い長いため息が漏れた。

 

 

 

 

 と、そこに

 

 

スパーン!!

 

 大きな音を立てて鈴仙さんが入ってきた。永琳さんが振り向く。

 

 

「もう少し静かに開けなさい」

「す、すみません師匠、でもそれどころじゃないんです。侵入者です! 今てゐが相手してます!」

 

 

 輝夜さんが首を傾げる。

 

「侵入者?こんな所に来るなんて……。何が目的かしら?」

「鈴仙、侵入者の特徴は?」

「それがその、すごくいっぱいいたので何が何やら……あ、でも。目立つ()()()()()がいました!」

「……………………はい?」

 

 

 紅白の巫女?

 

 あっ。ああーっ! 永夜抄!

 

 

「あら、ヴィー。何か知ってるって顔ね?」

「知りませんよ? 何も知らないです」

「嘘をつくときは相手の目を見るのが礼儀よ? ほんと誤魔化すの下手ねぇ」

 

 

 この際ごまかすのが下手でもいい。絶対に霊夢さんや来るであろう咲夜さんとの関係はバレないようにしなきゃ!

 

 冷や汗をだらだら流しながら意気込む私を見て、永琳さんが棚から瓶を取り出して言った。

 

 

「そういえば、最近強力な自白剤を作ってみたのよね。効果が強すぎて一生命令に従うような廃人になっちゃうけど、妖精なら問題ないわよね?」

「あの巫女さんのことはよく存じ上げております」

「それでいいのよ。さぁ、知っていることを話してもらうわ」

 

 

 ごめん、2秒前の私。永琳さんには勝てなかったよ……。

 

 

 ああ、紅魔館組に会いたくない。また雇い主と元上司って……地獄かな? そんなことを考えつつ知っていることを不自然じゃないレベルで話していく。紅白の巫女は危険だからおとなしく引き下がったほうがいい、とも熱弁しておく。

 

 話が終わると輝夜さんがわたしを抱き上げて言った。

 

「面白そうね、見にいくわよ」

 

 

 

にげばなんてなかった。

 

 










うす。例に漏れず長々と話をします。


ではまず輝夜が火球を吹き飛ばした所。
あれですね。前書きでも書いたんですが、能力がはっきりしないので、側面の部分だけ一瞬で燃え尽きさせたと言うか、側面だけ時間を凝縮して瞬間的に燃え上がるようにしてロケットの燃料のようにしたと言うか……

説明が難しいですねぇ。まぁそんな大事な描写ではないので気にする必要はないでしょう。

次ー。オリ主の名前について。
最初はユノでした。そうです。月の女神です。
ですがこれ、わたしの記憶が正しければパクリです。某元素収集漫画の。気づかれるかもーと思いました。
なので、次に思いついたヴィーナス、つまり金星の女神から貰ってます。別に金星に意味はないです。ほんとただの思いつき。


次。てゐの語尾について。
原作では特に癖のない話し方でしたね。強いて言うなら語尾が少し伸びることですかね?こんなふうにー。
でもウサつけるとアホみたいにキャラが立つんですよ。非常に書きやすい。なのでうちのてゐは語尾にウサが付きます。ウサ付くとあざとさもついてきて良いですよね。

さらに言えばうちの幻想郷のもこたんはバリバリの格闘タイプ、ステゴロ上等みたいな感じです。人間味が強くて復讐心もある勇儀姐さんみたいな感じ……をイメージしてます。もう出るか解りませんが。

こいつは私の悪い癖です。描写が淡白になりがち。結果を思いついてから書こうとするとそこに急ぎすぎて過程が吹っ飛ぶんです。
つまりキングクリムゾン。話の肉付けが下手っぴさカイジくん……!


最後はタイトル。調べてないので間違ってるかもしれないけど。
確か10のマイナス15乗が1フェムト秒、漢字で言うなら須臾じゃなかったっけ。そんな感じです。



この小説プロットがあるわけじゃないのでその時その時で作っているから先のことがわからんです。
でもおそらく次は再会になるでしょう。ちょっと楽しみです。
何がって?私はレミリアとの絡みが一番ビクビクしそうでいいなぁって思いますね。

うわ、クソ長。ではこれで失礼します。
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