紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第10話 シフ国の勇者:急

買い出しを頼まれ、とりあえず見当がある市場を訪れた。勇者時代に王都に滞在した時、食材をよく買っていた市場だ。頼まれた物をある程度買い集め、帰路に入った時、路地に佇んでいる少女が視界に入った。

ふと、旅を始めた、勇者になった理由を思い出した。

 

アルマル「あんたはなんで勇者やってるの?」

エクス「僕は… 子供を救いたい。色んな理由で苦しんでいる子供は沢山いる。だから、僕が勇者になって。1人でも救いたいって、思ったんです。」

アルマル「バカ弟子にしてはまともな理由じゃん。」

エクス「バカって言わないでくださいよ!」

 

そうだ。

ああゆう子供を救うって、師匠に言ったんだ。

その子に歩み寄り、手を差し伸べようとする。その時、あることに気がついた。

この路地、瘴気が充ちている。

それに店が立ち並ぶ街道に出ないようにコントロールされている。この濃度の瘴気、弱った子供なら即死だ。

焦って路地の壁に浄化のルーンを刻む。

しかし、ルーンが何者かによる銃撃によってかき消された。

エクス「!?」

???「おやおや、このスラムに誰か入ってきたと思ったらまさか勇者サマとは。」

エクス「この瘴気はお前の仕業か?」

???「ご名答。僕はここの吐きだまりを掃除しに来たんです。」

その神父と思わしき人物は瘴気に苦しみ倒れ込んでいる少女に向かい銃口を向け引き金を引いた。

エクス「!!!」

辛うじて銃弾を弾く。

???「そんな醜い子供を庇って何になるんですか?」

エクス「子供こそがこれからに繋がる何よりの宝だ。それを守ることこそ勇者の務めだ。今の一撃であんたが許せない外道だってことは分かった。遠慮せず斬らせてもらう。」

???「気の早い勇者だ。ここで汚く生き延び、歪んだ思想を持って成長する者が、どれだけ危険か分かっているのか!」

奴がコートの内側からサブマシンガンを取りだし、乱射を始めた。

エクス「そうならないように守るのが僕達大人のやることだろう!」

 

エンチャントを駆使すればこの程度は見切れる。

だが、子供を守りながらだと話が違ってくる。こうでは長くはもたない。

狙い所は相手の銃がジャムったところだ。

 

???「ジャムを狙った持久戦に持ち込もうとしてるようですがそれは無駄ですよ。この銃は特注品でしてね。そこらの機関銃とは精度が違うんですよ。」

エクス「それはどうですかね?」

???「…まさか。」

剣に刻んだ雷のルーンを発動する。

マガジン内の銃弾が雷によって誤爆を起こし、ジャムを引き起こした。

エクス「このままじゃ埒が明かないって思ってませんでしたか?僕は思いませんでしたけど!」

雷を帯びた剣でそのまま機関銃を一閃。

ホルスターのピストルもその雷の余波で爆発。

奴の手持ちの銃は全滅したと取れる。

 

???「これは… 仕方ない。ここは一旦引きましょう。」

 

 

 

相手が引いたのを確認して再び浄化のルーンを刻み、自衛団と医師にスラム街の子供達の救助と治療を依頼した。

聞く限りは親を失った子供達がこの市場に住み着き、市場の余り物をもらって生きていたそうだが、最近姿を見なかったそうだ。瘴気の件も大人が路地に侵入しても何も身体に異変は感じなかったという。

自衛団に一旦その場を任せてお店に帰ることにした。

 

 

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