紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第16話 希望の旗印

また、新緑の草原が目の前に広がっている。

 

 

 

あの少年の姿はもう無い。そこに居たのは、この風景にに似つかわぬ赤黒い甲殻に身を包んだドラゴンであった。

 

 

 

リゼ「貴方は…だれ?」

 

???「ワシか?ワシはドーラ。あんたを守った壁の正体もワシの力よ。」

 

リゼ「ドーラさん… 何故、ドーラさんがここに?」

 

ドーラ「はぁ…あの坊主、何も話しておらんのだな。過保護にも度が過ぎよう。 まぁ話そう。ワシは見ての通りのファイヤードレイク。そして、人王の盟友であったものよ。」

 

リゼ「あの人の友達…」

 

ドーラ「あいつもあいつだな。わしのこと一切話さんとは。まぁ単刀直入に言えば剣に巻かれた布切れに封印されてるドレイクってことだけ分かればよい。お前の剣だけに許されたもうひとつの能力と覚えておけばよかろうて。」

 

リゼ「力を…貸してくださるのですか?」

 

ドーラ「あたぼうよ。そう畏まるな。ワシはあんた達の永遠のマブダチよ。まぁワシの使い方として言うべきはあんたが与えた希望の分だけワシは働ける。つまり、あんたの元ならワシは働き放題ってわけよ。希望に包まれたプリンセス様よ。」

 

リゼ「お誉めいただき光栄です…」

 

ドーラ「まーた畏まってる… まぁええわ。そろそろ夢からも醒めて現実に戻る。現実に戻ったらワシはほとんど一切口出しできなくなる。使い方はやりながら覚えな!さぁ、行ってこい!」

 

リゼ「え?えぇ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢から覚めると壁が私を包んだ所から何も進んではいなかった。

 

どうやって攻めようか…

 

 

 

攻めあぐねていたら包んでくれていた結界が集積し、半透明な盾となった。

 

これがドーラさんの能力…

使いこなす他、残された道はない!

盾を手に取り、扉を蹴り飛ばした。

斬撃魔法の追撃がまた来る!

 

縦で全て弾き、魔法が来た方向へと進む。

部屋の奥の暗闇から、巨大な鎌が飛び出し、ギョッとした。

 

盾で防ぐも、弾き飛ばされる。

 

部屋の壁に背を激突させて気を失いそうになる。が、耐える。いや、耐えないといけない。

立ち上がって再び盾を構える。部屋の奥の暗闇からリオンちゃんがでてきた。

 

リゼ「リオンちゃん…」

鷹宮「…」

 

彼女は何も言わなかった。

 

 

また斬撃が来る。今度は剣で受け止める。溜め込んでいた魔力を惜しみなく使い、自らにエンチャントをかける。ニュイさんとアルスさんに近接戦闘で使える魔法は色々教えてもらったし、トリガーは剣に刻んでもらった。

 

 

 

そうすると、彼女が閉ざした口を開けた。

 

 

 

鷹宮「ほら、そうやって。」

 

リゼ「!?」

 

 

 

彼女の鎌から黒煙が上がる。

 

まずいかもしれない。咄嗟に盾を構えた。

 

 

 

一瞬思考が停止した。ギョッとしたっていうレベルじゃない。彼女の鎌が突如大爆発を起こした。

 

盾でガードしたが爆発の衝撃で壁を2枚破り、屋敷の外へ吹き飛ばされた。

 

 

リゼ「うわぁぁぁぁぁあ!」

 

 

ドーラさん!!なんか出して!!!!!

 

 

 

完璧に落ちた。と思った時、なんかふわっと浮いた。

 

 

 

リゼ「えぇ… 翼生えちゃったよ…」

 

 

 

ドレイクの翼が背中から生えてきた。ドーラさん万能すぎでしょ…

驚いている場合でもない。リオンちゃんは!?

 

彼女は破壊した屋敷の外壁の縁に立っている。

 

鷹宮「…」

 

同じ空に立ち、訊く。

リゼ「教えて。リオンちゃん。貴女のなにがこうさせたの?」

鷹宮「ほら。そうやって、すぐに他人を心配する。」

リゼ「…!」

鷹宮「いつもいつも元気で、真っ直ぐで、思いやりがあって。ひねくれた私とは対照的で、なんで友達になれたかわかりゃしない。貴女の思いやりには裏なんてない。それが何故か悔しくて。あなたの真っ直ぐさに、私はただ妬んで、憎んで、立ち尽くすしか出来なかった。」

リゼ「…」

鷹宮「あなたに勝てる要素なんて魔法くらいしか無かったのに、今じゃこのザマだよ。自分の取り柄も、追い越されて元も子もない。本当に、不完全なのに完璧で、優しい人。でも、それが本当に憎い。憎いとしか今の自分じゃ表すことが出来ないよ。」

リゼ「…ぁ…ぅ…」

鷹宮「そうやって悩むのも優しさ故なんでしょ。どうしようもなく。 だから…これしか思い浮かばないの。」

 

彼女がまた斬撃魔法を放ってきた。

結界で受け止め、跳ね返す。

 

リゼ「そこまで言うなら!その憎悪!私のバカ正直な心で吹き飛ばしてみせる!」

 

鷹宮「……!」

 

彼女は空間固定魔法で階段を作り、こちらに昇ってくる。彼女の鎌が紫に光り出す。

ドーラさん。もう少しの間だけ力を貸してください。

 

翼を大きく羽ばたかせ、空へ上昇し、急降下。

正直怖いがドーラさんの翼ならなんとかなる!

 

リゼ「はあああぁあああ!」

リオンちゃんの鎌を上空からすれ違いざまに一刀両断。

 

翼で地面に衝突しないようにブレーキをかけ、再び急上昇。

彼女が、振り返る暇も無いように。

とこちゃん!力を貸して!

剣に刻まれた2つ目のチカラ。

リゼ「断罪剣!」

 

彼女の背後からのトドメの一撃。それは、彼女の憎しみを確かに断った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




人王のヘルエスタセイバーのみがもつ特殊能力

ドーラ様の能力の発動。
代表例…結界、翼、炎

呪文が刻まれており、エンチャントと断罪剣を発動させることが出来る。
エンチャントはアルマルと、ニュイから。断罪剣は戌亥から教えを乞うたそうだ。
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