紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第22話 悪魔と贋作

死は救済となりえるだろうか。

私はそうとは思わない。

人は生まれながらすべて平坦で、そこからヒトになるため歩む。

その過程で悪となったとしても、もとは平坦な存在のはず。

ならば死による救済は必要ない。

必要なのは.....

 

私による救済。

 

 

 

 

 

人を救う為に人を見捨てるなんてあり得るだろうか?

いいや、あり得ない。

救うってことは貪欲なことなんだ。

だったら、中途半端なことはできない。

すべてを救う。

 

ハッピーエンドへ向かう最短距離を、僕は行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手がかりは集まった。

作戦も定まった。

けど、何故だろう。

漠然とした恐怖が心の中にある。

 

怖い。

 

でもやるしかない。

 

私たちの、居場所を、街を、守るために。

 

 

戌亥「どしたん?アンジュはん、ぼーっとして。」

カトリーナ「いや、何でもないよ。」

戌亥「それならいいけど。」

 

今、私たちはバーガンディさんが調査し発見した洞穴へと向かっている。

資料によるとその洞穴からだけ妙な魔力が発生しているらしい。

それに、その洞穴近辺の村で人が失踪する事件が相次いでいるらしい。

 

わかりやすすぎる。あからさまな罠だ。

だけど、向かう他道はない。

向かうしかないんだ。この恐怖に。

 

 

 

 

 

洞穴に到着した。

戌亥が言うには、この先に熱源はないがカタチが2つあるらしい。

 

 

戌亥「バンとケンを偵察に向かわせる。何かあったら、アンジュはんが焼き払って。」

カトリーナ「了解。」

 

戌亥が髪飾りを二つ投げ入れ、それが二匹の獄炎で形成された犬へと変化し、洞穴の奥へ駆けてゆく。

 

数秒後に戌亥が叫ぶ。

 

戌亥「...! アンジュはん!」

 

カトリーナ「みんな下がって!」

 

そこらにあった石に賢者の鍵の魔力を込めて全力で投げ入れ、洞穴から離れる。

 

次の瞬間、洞穴は巨大な炎柱を上げ崩れ去った。

 

しかし、その瓦礫の上には煙で見えにくいながらも、確かに"3つ"の影が見えた。

 

 

 

神父。シスター。

 

そして.....

 

双角と翼をもった人型の獣。

 

 

 

???「おやおや。手荒な客だね。でも誘い込んだ甲斐は確かにある。」

 

息をのんだ。

 

???「せっかく来てくれたんだ。自己紹介をしよう。僕の名は、、、」

 

 

 

 

  "デビデビ=デビル"

 

 

 

 

デビル「これから君たちを始末する者の名さ。冥土の土産に持っていきな!」

 

 

彼が仕掛けてくる。

 

 

とっさに飛び出たのは.....

 

カトリーナ「戌亥!」

 

戌亥「冗談上手いね。 でも、土産を貰う側が居るのはさすがに想定外かい?」

 

戌亥の双剣と悪魔の拳が正面からぶつかり合う。

 

デビル「番犬か、 厄介な。」

 

拳と剣が幾度もぶつかる。

それを制したのは…悪魔だ。

戌亥「チッ!」

デビル「詰めがまだまだ甘い!」

やつの拳が戌亥の肩を捉え、力強く振り抜かれる。

 

カトリーナ・リゼ「「戌亥!!!」」

 

考えもなしに飛びこんだ。

 

しかし。

 

いとも簡単に受け止められる。

 

デビル「パワーはあるが単純だ。 これが勇者?笑わせる!」

 

剣ごと捕まれ、投げ飛ばされる。

 

デビル「終わらせよう。」

 

紫の光弾が彼の手から放たれようとする。

 

 

駄目だ。そう思った時。

 

雷鳴とともに二つの影が飛び込んできた。

 

X-カリバー。   雷鳴剣!

 

二つの斬撃が、光弾ごと彼の腕を切りつけた。

 

エクス「遅くなってすいません、皆さん!」

アルマル「戌亥らしくないなぁ。もしかしてまだ手を抜いてるの?」

 

カトリーナ「エクスさん!」

戌亥「...アルマル。」

 

 

エクス「増援は僕たちだけじゃないですよ。」

 

鷹宮「ちゃんリゼ、立ちな!」

リゼ「リオンちゃん!」

 

ソシエール「まだ私が言った冗談真に受けてる? ほら、手。」

カトリーナ「地面ゴロゴロ、最近になってよくするようになってね! ありがと。」

 

アルマル「あんたたちが助けてきた人々や魔獣。精霊まで増援に来てくれたんだ。」

 

 

デビル「ここで一気に始末できると思ったのに...! 仕方ない。行け!眷属たち!」

 

コウモリやカラス、ハイエナの魔獣たちが大量に迫ってくる。

 

 

神父「僕たちも行きますか。」

シスター「ええ、そうしましょう。」

 

 

 

「「醜いものを、掃除しましょう。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの神父がこちらに向かってきた。

彼らに言いたいことは山ほどある。

 

でもただ一ついうべきこと。

エクス「えり好みして救うことを救済とは言わない!救うなら、全てだ!貪欲にすべてを救って見せる!」

 

???「その通りだ。」

 

背後から銀の銃弾が飛んでくる。

 

振り向くと、神父がもう一人いた。

 

叶「こんにちは、勇者さん。そしてさようなら。  僕の贋作。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私を始末したあのシスターがこちらに来る。

彼女にぶつけたいことはいくらでもあるが、ただ一つだけ、引っかかる事があった。

それを声を大にして叫ぶ。

 

アルマル「あんたなんか嘘くさいなぁ!その思想、人が言うものじゃない!ヒトに醜いもきれいもねぇよ!ただ生まれて、ただ生きる。それが人だ!その可能性をあらかじめあるように決めつけるなんてお門違いも甚だしい!」

 

???「ええ。そうです。」

 

 

 

やっぱりね。

 

 

 

クレア「初めまして、狐の方。そして、お久しぶりですね。私の贋作さん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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