エクス「神父が…2人!?」
アルマル「やっぱり。彼らは…」
贋作。
叶「その通りのようです。まぁ詳しいことは後。今言えるのは僕達は彼らを救いに来た。それだけです。」
クレア「しかし、贋作には心が無い。救いたいのは山々です。 …が、目的の為です。真贋鑑定と参りましょう。」
彼らは贋作をしっかりと見据えた。
その視線を追うと…
贋作は、すでにヒトの形を保ってはいなかった。
叶「やっぱり。所詮人をもして作られた土人形。ドッペルゲンガーを見たら死ぬと言うように、自らの真を見て自我が崩れつつあるか。」
言葉に表せないような音を発して仕掛けてくる贋作。
クレア「ここは任せて先に進んでください。あなたにはまだやることがあるはずです。」
アルマル「任せた。」
叶「勇者さん、あなたここで立ち止まってる場合でもないんでしょ。早く行ってあげて。手遅れになる前に。」
エクス「....ありがとう。」
叶「礼はいらないよ。そら、行った行った。」
クレア「あなたの罪はあなたそのものの罪ではないとしても、その数は計り知れません。そして贖罪も救うこともできません。だから、せめて、綺麗に。」
ヒトならざる者へ駆ける。
言葉はもう解読できない。
でも....何か、悲しそう。
そして、かわいそう。
拳銃を発砲し、彼女の膝を砕き、動きを封じる。
そして…近寄り、抱きしめる。
クレア「本来の貴方へと還りましょう。」
彼女の首を、優しく切り取る。
クレア「おやすみなさい。」
彼女の体は崩れ去り、砂と果てる。
ヒトの形から崩れようとしている彼を視る。
叶「哀れだ。」
銃を握り、引き金を引く知恵をも失った彼がこちらに丸腰で飛び込んできた。
その無防備な胴に正面から蹴りをお見舞する。
仰向けで倒れた彼の頭を狙い、拳銃の引き金を引く。
叶「さよなら。」
砂は砂として、あるがままに。
デビル「....真が来たか。駒ももう駄目だな。」
カトリーナ「そこだね。」
デビル「....あぁ?」
カトリーナ「道具を道具としか見ない、その考えこそが大きな過ちだ。」
デビル「....思考自体を否定するのは君たちのいう正義と食い違ってこないか?」
カトリーナ「それは違うね。すべてにおいて思考は均等。それを否定はしない。が、自分の考えを、やり方を無理やり他者に押し付ける。それこそが過ちだ!」
デビル「.....」
カトリーナ「それに私は正義の味方でも何でもない!私たちは....民を守る勇者だ! そのためには、正義だって捨ててみせる!」
悪魔に切りかかる。
拳と、剣のつばぜり合いは対等に進む。
デビル「なぜだ!なぜ人間風情に僕の拳を…! 僕の正義を!」
カトリーナ「悪魔は理念を燃料に動く存在!その理念を否定されれば!当然力は落ちる!」
拳を切り払い彼の胴にけりを入れ蹴り飛ばす。
カトリーナ「ソシエ!力を貸して!」
ニュイ「あれだね!了解!」
カトリーナ「一気にケリをつける!」
ヘルエスタセイバーと賢者の石の魔力炉を直結させ、そこにさらにソシエがエンチャントを二重掛けして、負担に耐える。
剣が揺らめく紅の光を帯びる。
それを、一つの束にする。
紅を纏え!
カトリーナ「ヘルエスタセイバー・ドラグーン!」
魔力が龍の形を成し、彼に襲い掛かる。
彼は元あるべき場所へ還る。
その筈が。
「僕は。君たちを守りたかったんだ。」
「でも、僕はある日思い出の全てを奪われた。」
「ヒトの悪意によって。」
「だから、僕は悪意を潰すために生きてきたはずなんだ。:
「じゃあ、今の僕は?」
「僕は.... 悪意そのもの。」
「なら...どうすれば良いんだよ。 教えてよ!!!!!」
彼がいたはずの場所から竜巻が上がる。
戌亥「これは.....まずい。」
カトリーナ「・・・・・」
竜巻が、彼が呼び寄せた使い魔たちを呼び寄せ、巨大な悪魔へと変貌した。
鷹宮「なにあれ!?」
リゼ「.....アンジュ。」
鷹宮「行ってきなよ。ここは私が持たせるから。」
リゼ「ありがとう。」
鷹宮「って言ってもまぁ、結構きついんだけどね!どうしよう!」
モイラ「にぎやかな方ですね。」
鷹宮「あらどうも。......え"え"え"え"え"ぇ"!大妖精様!?」
モイラ「あなたのお友達には恩もあります。お手伝い、させてくださいね。」
戌亥「やっぱり、根は善意か。」
カトリーナ「苦笑いしたくなるほどに空回りな善意だけどね。」
戌亥「アンジュはん、やっと笑ってくれた。」
アンジュ「え?」
戌亥「だって、このこの事件にかかわり始めてから、ずっと考え事してたし、ずっと怖い顔してた。やっといつものアンジュはんに戻ってくれたみたい。」
アンジュ「そっか。 ごめん。」
戌亥「ええって。 それより、もうゴールは目の前。だけどそれははるか高いところにある。」
アンジュ「だから。翼が必要だ。」