紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第5話 あなたと

そのスザクの目は、何かに染まっていた。

見たことのある目。

モイラ様のときと"ほぼ"同じ。

でも、その染めているなにかにはあのときのような指向性はない。

 

正真正銘の暴走。

 

しかし、これを暴走で片付けるにはおぞましい。

翼は金色と漆黒がまじっている。メキメキと痛ましい音を立てて開かれた翼を動かし、彼はこちらに飛び込んできた。

 

剣を逆手で抜刀し、それで受ける。

 

やはり言葉は通じない。

思いも、今は通じない。

憶測で動くのは危険。だけど、見捨てるわけにも行かない。街も。友達も。

 

逆手に持っていた剣を持ち直し、彼の目を見る。

 

 

 

殺意は、殺意で打ち消す。

 

 

 

剣を振り回し光弾を展開し、それとともに飛び込む。

 

光弾は避けられる。

 

しかし、ルートはそれで固定できた。

 

避けきって油断した彼の胴に回し蹴りを叩き込む。

 

 

 

 

彼が怯んだ隙に剣を構え、彼を、断罪する.....

 

そうは行かないか。

彼はすぐに立て直し、後退した。

 

その先にあるのは...... 杭!?

 

デビルさんが言ってた!

あれには残留したエネルギーがある。

 

まずい。これ以上になったら私の手に負えない。

 

 

でも.... 届かない!

 

 

 

 

 

しかし、その瞬間。輝く紫の光の円盤が背後から飛んできた。

 

そして、それは杭を砕く。

 

 

デビル「間に合った!」

叶「大丈夫!?」

 

リゼ「うん.... !!!」

 

 

 

デビル「....まずいかも。 空気中に杭の魔力が漏れ出してる。」

叶「.....これ以上は!」

 

叶さんが銀の弾丸を打ち込む。

 

だが、それはすべて黒煙に消えた。

 

 

その黒煙の中から姿を表したのは、漆黒のスザク。

 

烏とも似つかない姿。

 

 

あの雛鳥の姿はかけらもない。

 

 

 

 

 

そのスザクは大きく後退し、自らに炎をまとい突進してくる。

 

避けれない。

 

 

 

 

デビル「君たちを守れなかったら僕の存在意義はない。それにあの子も悲しむからね。  君だけが魔力を全て吸えたと思ったら大間違いだ。罪滅ぼし、やらせてもらう!」

 

 

デビルさんが光る。

 

 

光の中から現れたのは、諸悪の根源としての彼の姿。

しかし、その目は決意と優しさに満ちていた。

 

 

彼の拳とスザクの体が正面からぶつかり合う。

 

 

デビル「...叶!コインをもう一度投げろ!彼女に手荷物が届くはずだ!」

 

 

叶「!....了解。」

 

叶さんがコインを宙に弾くと、それは光を発し、二振りの剣となった。

 

 

「友達には、全身全霊、ぶつけたげてな。」

「私の思いも持ってって。」

 

 

リゼ「....了解!」

 

手紙が掛けられた鞘を引き抜き、地面に突き立てる。

 

 

リゼ「絆を繋ぎ、星空を映せ。」

 

リゼ「ヘルエスタセイバー!」

 

 

光の環が私を包む。

 

 

 

 

 

光の環が霧散すると、そこには蒼いドレスに身を包み、右眼は碧く輝き、左目を紅く燃やす一人の勇者が立っていた。

 

 

デビル「あとは任せた!」

 

耐えきれぬと吹き飛ばされる悪魔の横を駆け抜ける。

そして、手に握られた星空を映す剣で、突進を切り払う。

 

いなされ怯むもスザクは火炎弾を次々と打ち出す。

 

そのことごとくを切り伏せる。

 

勇者「星々よ、力を貸して。 苦しむ親友を、救うために!」

 

上空の空だけが星空に染まる。

 

そして、4つの星が煌く。

 

翼を一段と大きく開き、剣を構え突進する。

 

スザクは報復とばかりに最大の大きさの火炎弾を形成し、放つ。

 

それをも一太刀に斬り伏せる。

 

勇者「奇跡を我が手に!」

 

 

 

勇者「「「ヘルエスタセイバーァァァァァァァ!」」」

 

 

 

罪と彼らを別つ。

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