紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第6話 友達

彼に剣を放った後、私はすぐに倒れ伏してしまった。

 

 

 

 

誰かが私の髪を引っ張っている。

それもなれた手付きで。

 

しかし適度に痛い。

まぶたを開けると....

 

リゼ「セバス!!」

 

思わず抱きつこうと飛び込むが小さな雛鳥にするりと躱され面から地面に衝突する。

 

リゼ「いてててて.....」

 

???「大丈夫ですか?」

 

起き上がり振り向いた先には、金色の翼のスザクが鎮座していた。

 

リゼ「おわっ.... だ、大丈夫です。」

 

スザク「この度は本当に申し訳ない。僕の愚行のせいで君のお母さんや友達を....」

 

リゼ「お詫びは大丈夫です。」

 

スザク「え?」

 

リゼ「お母さんのことも、セバスのことも。すでに様々な人から理由を聞いて、それで納得してきました。 だから、私が欲しいのはお詫びでもなんでもありません。あなたがどうやって私達を襲ってしまったのか。それを聞きたいんです。」

 

 

スザク「...分かった。」

 

 

 

遡ること10年。

僕は本来ここらじゃなくて、フジサンダクラーヌの宝物庫の留守番を頼まれていたんだけど、人に化けて麓の村で人々がなにか困ってないか聞いて回っていたんだ。

 

そこで聞いたのが魔女狩りの話。

シフ国で魔術師が次々に惨殺されているという話を聞いたんだ。

 

でも、シフ国には高名な勇者がいると聞いた。余計なお世話は止そうと思ってその日からヘルエスタ王国内をパトロールしていたんだ。

 

そして、杭に群がる殺意に溢れた魔物たちを見つけたんだ。 魔女狩り関係なく危険だと思った僕はそれらを殲滅しようとした。

 

しかし、多勢に無勢で僕は杭の力に飲まれてしまった。

 

 

 

スザク「これが、僕が魔獣と成り果てた理由。」

 

リゼ「...ありがとうございます。」

 

スザク「正直、僕が無茶をしなければこんなことにはならなかった。これこそ愚行と呼ぶべきもの。君に今ここで首をはねられても僕はそれを受け入れるよ。」

 

リゼ「いいえ。あなたの行動は愚行でもなんでもなく、ただ守りたかっただけなんでしょう?それを非難する資格はわたしにはありません。 それに、あなたがいなければ、この子に一生出会えなかった。 初めての友達をくださったこと、本当に感謝しています。」

 

スザク「....本当に、ありがとう.....」

 

 

リゼ?「それはそれとして。」

 

スザク「え? まさか.....」

 

リゼ?「おい、貴様。 留守番サボってたってのは本当か?」

 

スザク「ドーラ様!? なぜその方の中に....!? というかサボってなどいません!パトロールを兼ねた情報収....」

 

ドーラ「じゃぁこの写真はなんだ?」

 

 

紙袋いっぱいに詰まったとうもろこしを掴んで運ぶスザクの写真だ。

 

 

スザク「それは!?」

 

ドーラ「お前不死身だったよなぁ? なんでとうもろこしなんか運んでるんや?それも"焼き"とうもろこしを。」

 

スザク「ヒエッ....」

 

スザクが逃げた。

 

 

ドーラ「待たんかいオラクソ焼鳥ィ!!!!!」

 

 

リゼ(ドーラさん勝手にするのもそこまでにしてくださいー!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戌亥「で?今その鳥さんはどーなったんや?」

リゼ「結局ドーラさんが私の体使ってフジサンダクラーヌの宝物庫まで連行してたね。今はおとなしく留守番してるみたい。」

アンジュ「まさかドーラさんの部下だったなんて。」

 

リゼ「定期的に焼きとうもろこし持っていってあげなきゃね。」

戌亥「それなら焼きとうもろこし作るのうまいやつ紹介したろか?」

リゼ「ほんとに!?スザクさん絶対喜ぶよ!」

 

アンジュ「リゼ。」

リゼ「何?」

アンジュ「改めて謝る。 本当に済まなかった。」

 

リゼ「許さないよ。」

アンジュ「!?」

 

リゼ「許してほしかったら.....」

アンジュ「.....! ちょっと....」

 

リゼ「とこちゃん特製のパフェ、おごってくれない?」

 

アンジュ「お財布死ぬんだぁ.....」

 

 

 

 

 

 

 

穹と翼  ~Fin~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スザク「… まだ、ここに残るんですか?」

???「ええ。残りますよ。あの子を見守りたいのもありますし…何よりも…」

スザク「何よりも?」

???「あなた、寂しそうじゃない。」

スザク「… 私は、あなたを殺したんですよ?」

イゼ「その事、まだ引き摺ってらっしゃるの?私はもう気にしてませんよ。旦那と子供達を残して世を去ったのは少し気がかりでしたが、子供も元気に育ちましたし、何よりも頼もしいお友達がいるんですから、気にすることもないです。 心配なのは貴方ですよ。 あなたは私のことを気にかけ過ぎです。彼に取り込まれていた時も、あなたは私の事をずっと悔やみ続けていました。それは…心配になるでしょう?」

スザク「幽霊なのに…暖かい方だ。」

イゼ「それは比喩?」

スザク「いいや… 本当のことですよ。」

イゼ「じゃあ… 街を見下ろしながら思い出話でもしましょうか。」

 

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