…うどん食ったらすぐ寝たな。
子供はわがままだがやはり可愛いものだ。
久しぶりに工夫を凝らして料理をしたくなってきた。
尊に頼んで暫く門番と警備隊の仕事は休ませてもらってるし、そもそもこの間派遣されてきたコーヴァスの騎士隊のおかげで仕事も少なかったのも幸いした。
明日、色々買い物に行くかな。1人では使い切れない金にもやっと使い道がつくものだ。
…寝るか。 布団は生憎1枚しかないおかげでソファで寝ることになるが。
ならか「…?」
戌亥「…あぁ。 起きたのね。 おはようさん。」
戌亥「朝メシできてるで。」
ならか「なにこれ。 ふわふわなかたつむり?」
戌亥「クロワッサンな。 食ってみ?」
ならか「ふわふわなのにさくさく! おいしい!」
戌亥「そうか。 良かった。」
お徳用のクロワッサン定期的に買っておくかな
ならか「ぎゅうにゅううまい!」
やっぱり、子供を見てると不思議と幸せな気持ちになる。 尊があれだけ養子を取ってるのも納得… かな。
ならか「ごちそうさま! おいしかった。」
戌亥「そらどうも。」
チリンチリンと呼び鈴がなる。
戌亥「少し待っててな。」
戸を開ける。
隣人「昨日から子供の声が聞こえたんですけど…」
戌亥「あっ… 煩かったですか?」
隣人「いえいえ。 急に聞こえたもので。親戚の娘さんですか?」
戌亥「話すと長くなっちゃうんですけど… 警備隊の方で保護した子を養子として預かってる、というのが現状ですね。」
隣人「そうなんですか! なら、少し待っててください!」
戌亥「あっはい。」
隣人「これ、うちの子が小さい時に使ってた服なんですけど… 不要物の処理みたいでおこがましいんですが受け取っていただければ…」
戌亥「助かります!」
隣人「それは良かった。 では、失礼します。」
ならか「だれ?」
戌亥「隣に住んでる人。 それと、あんた宛にお土産もらったで。」
ならか「かわいい服だ!」
戌亥「あんた今着てるのボロ雑巾みたいやろ。さっさと着替えるついでに風呂はいってき。」
ならか「いっしょにはいる。」
戌亥「… まぁ、ええよ。」
ならか「おあー!」
戌亥「暴れなさんな! 犬か!」
ん?髪の中になんか居る…
なんか生き物出てきたんだけど。
それも2匹。
ならか「あ、わすれてた。 おともだちの阿と吽だよ。」
石鹸にまみれてとんでもないことになってる。
さっと石鹸を流す。
戌亥「… バン、ケン、この子達に水と食糧。」
戌亥「こういうことは早く言って…」
ならか「ねちゃってたからしかたないねー!」
ならか「あばばばばばばば ぼあー!」
戌亥「タオルから逃げんな!」
洗面台から魔術ドライヤーを取り出してほんの少しだけ魔力を込めて乾かす
洗ってから気づいたけどこの子髪めっちゃサラッサラだな… アルスの尻尾みたいだ。
ならか「この服やっぱりかわいい!」
戌亥「あとで一緒にお礼行こな。」
出かけるための準備だが…
どうしたものか。
子供を連れ歩く上で持つべきものってあるのだろうか。
やっぱり水分と菓子はカバンに忍ばせるべきか。
機嫌取りには1番だと仕事仲間から聞いたし。
あとはいつも通りでいいかな。
戌亥「ならか、出掛けよか。」
ならか「どこ行くの?」
戌亥「昨日の鬼の姉ちゃんのとこにうどん食いに行くぞ。 あとついでにあんたに必要そうなもの買う。」
ならか「うどん!」
戌亥「それと、これ。」
ならか「これ、何?」
戌亥「お守り。 これがあれば外ではぐれてもすぐ迎えにいける。」
ならか「すごい!」
戌亥「ちゃんと首に提げときな。」
戌亥「じゃ、行こか。」
ならかの小さな手を握る。