紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第伍話 お昼ごはん

厨房長「いらっしゃい! って。 戌亥ちゃんじゃない。 また春巻き食べに来たの?」

戌亥「そう...だね。」

奈羅花「はるまきって何?」

戌亥「食べればわかるさ。」

 

戌亥「ん... じゃあ、ぶっかけの竹と梅と.... 春巻き1人前。」

 

厨房長「あい。 .... そうね。代金と言ってはアレだけど、ちょっと手伝ってもらえないかしら? ちょっと今お手伝いさんたちが子供用の厨房の方に行っちゃってて、ここには僕しかいないのよ。」

 

戌亥「そう言って。 私の調理見てからかいたいだけやろ? 先生はやっぱ昔から変わってらへんな。 まぁ、ええけども。」

 

厨房長「あら。 バレちゃった?」

 

戌亥「ちょっと待っとき。」

 

 

 

和服を炎で包み、服だけを転換させる。

こういう時のためにいつものエプロンをしまっといてよかった。

 

髪先につけていた髪飾りを髪を2つにまとめるように付け直す。

 

 

戌亥「待たせたね。」

厨房長「いつ見ても早いわね。」

戌亥「家で台所に立つときもいっつもやってるからね。流石に慣れた。」

 

厨房長「さあ、調理をはじめようじゃない。」

 

 

 

厨房長「戌亥ちゃん、それ取って頂戴。」

戌亥「あい。」

厨房帳「あと、これの水煮頼めるかしら?」

戌亥「たけのこね。 あい~」

 

奈羅花「..... (お母さんみたい。 お母さんのおむらいす、また食べたいな。

 

 

お母さん、また会いたいな。)」

 

 

 

 

 

 

 

戌亥「ふぃ~ こき使われ....」

奈羅花「....」

 

戌亥「泣いてんの?」

奈羅花「... ううん。なんでもない。」

戌亥「...そう。 うどん、もうすぐできるで。」

奈羅花「..!!! わかった!」

 

 

 

厨房長「できたわよ~ かけうどんに春巻き! 美味しく食べてちょうだいね~!」

 

 

戌亥「いただきます。」

奈羅花「いただきます!」

 

厨房長「んじゃ、私子どもたちの方見てくるから、二人きりでヨロシクね!」

 

 

そそくさと出ていってもうた。

 

 

ならか「きのうのとぜんぜん違う! もちもちだ!」

戌亥「そら良かった。」

 

 

ひたすら無言で食べていたら、奈羅花が春巻きを気にしているのが視界に入る。

 

戌亥「春巻き、食べる?」

奈羅花「食べる!!」

 

春巻きを箸で半分に割り、奈羅花の小さい口へ運ぶ。

 

奈羅花「..... うんまい! なにこれ!」

戌亥「うまいやろ? もう半分も食ってええからね。」

奈羅花「うん!」

 

 

 

二人「ごちそうさまでした!」

 

戌亥「食った食った。 やっぱり先生のうどんはいいね。」

奈羅花「美味しかった!」

戌亥「春巻きも食べられたし、やっぱここ来て正解やったな。」

 

戌亥「先生のとこ挨拶してかえろか。」

奈羅花「あのおじさんにお礼言いたい!」

戌亥「それ、本人に言っちゃだめだで。」

 

 

 

 

 

 

 

 

門番「あんたもモク吸いに来たのかい? 火、いるか?」

厨房長「冴えないおっさんとシガーキスする気はないわよ。」

門番「あのなぁ....」

厨房長「冗談冗談。 ライターなら持ってるからいいわよ。」

 

 

厨房長「あの子の話、頭から聞いた時どう思った?」

門番「どうって.... 悲しいな、とは思ったよ。」

厨房長「相変わらず不器用ね。 でも、あの幼さで母親が焼死なんて.... 可愛そうにもほどがあるわね。」

門番「それにあの傷跡。 人体改造の他にも数々の災難に襲われてたように思えたな。」

厨房長「正直、あの子のような子供がまだまだたくさんいるかも知れないって思うと、悪寒と憤りでどうにかなっちゃいそうだわ。」

門番「..... 子供が信頼できるような大人になりたいものだな。」

厨房長「もう、なってるわよ。」

 

 

門番「そうか。 そうならなくちゃならないもんな。」

厨房長「んじゃ、私はそろそろ子供用の厨房に行ってくるわ。 あの子達にウソついてモク吸いに来ちゃってるもの。早く戻らなきゃね。」

門番「ニオイ消してけよ。」

厨房帳「分かってるわよ。」

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