紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第六話 見知った客

戌亥「お、いたいた。」

厨房長「食べ終わったのね。 おいしかった?」

奈羅花「おいしかった! ありがとうおばさん!」

 

戌亥「あっ」

厨房長「....そっちなら良し。 そんじゃ私は厨房戻るわ。これから色々買いに行くんでしょ? 気をつけていきな?」

戌亥「子供じゃあるまいし。 まぁ、 ありがとね。」

 

 

 

アルマル「あ~~~! いたいた!」

戌亥「うわ。」

アルマル「何そのカオ。   ってあれ?この可愛子ちゃん誰? まさか娘....」

戌亥「なわけあるかい。 警備隊の方で保護した子。今は義理の妹ね。」

 

アルマル「はえ~ 私も似たような子いるし同じようなものかね。」

戌亥「何? あんたもあっちで子供預かってるの?」

アルマル「今とある少年に剣の手ほどきをしててね。 今指導に行き詰っててなにかヒントないかって地獄まで帰って来たわけ。」

戌亥「あんたが師匠? 冗談やろ?」

アルマル「冗談じゃないんだよ悲しいことに。」

 

 

アルス「そうだ。 ヒントもらいたいし手合わせしてみない? その子に戌亥の仕事姿、本格的に見せてられてないでしょ?」

戌亥「そらそうだけども.....」

 

アルマル「奈羅花ちゃんだっけ? お姉ちゃんのかっこいい姿見てみたいよね?」

奈羅花「戌亥お姉ちゃんはいつもかっこいいよ。」

アルマル「えっ..... 聞いた戌亥!?」

戌亥「.....」

 

奈羅花「でも、面白いことするなら見てみたい!」

アルマル「そうかそうか。 ということで奈羅花ちゃんの許可も降りたし早速やろうか。」

 

尊「お? アルス。 ひさしぶりじゃの? 話を聞く限り手合わせをするようじゃな。なら、うちの敷地を貸そう。」

アルマル「尊! あとで聞きに行こうと思ってたしラッキー!」

戌亥「まだ私何も.... ま、いいか。」

 

 

 

 

 

 

アルマル「準備できた?」

戌亥「.... うん。できてるよ。」

 

尊「開始の合図は妾が取らせてもらおう。 奈羅花、あまり近づくではないぞ?」

 

 

 

尊「それでは、開始!!!」

 

 

 

 

開始と同時に踏み込む。

真正面ではなく、右斜め前へと。

 

アルマル「雷鳴剣!」

奴は己の魔術による雷鳴を乗せた剣を真正面に向けて放ってきた。

読みは当たった。

すれ違うと同時にがら空きのアルスの背中にケリを入れる。

 

アルマル「ギッ! やっぱり読まれてたか!」

戌亥「安直! その安直さを生かしたカウンターでも用意しとき!」

 

抜刀し、渦巻く獄炎を抑えながら奴に切り込む。

 

剣を受けられ、鍔迫り合いとなる。

 

アルマル「やっぱりその剣やばいね! 不良品なだけはある!」

戌亥「褒め言葉として受け取っておく!」

 

獄炎の出力を上げ、奴を押し返した。

 

アルマル「得意な手に出させてもらう!」

戌亥「こっちの台詞!」

 

やつが獄炎の煙に消えたと思うと4人に分身し襲いかかってくる。

すかさず髪飾りを投げ、バンとケンを呼ぶ。

 

獄炎を刀に収束させ、それを振り火炎弾を射出する。

 

火炎弾は全て着弾したが全てスカだ。

 

だが。

 

真を割るには上々。

バンとケン、そして火炎弾の同時攻撃。

そのなかに真はあるはず。

だが。  すべてスカだ。

 

なら、やつがやるのは。

 

 

自分を中心に炎の壁を形成し、背後のモノを薙ぎ払う。

 

アルマル「これでもか!」

戌亥「生憎、耳と鼻は利くんだ。 大技、受けてもらおう!」

 

剣を中心に放たれる獄炎を全て刀身に圧縮する。

赤熱化する刃を獲物に向け。

 

空に置くように手を離す。

 

 

そして、頭金を右掌に捉え、全力で押し出す。

 

音を超える速さで飛ぶその刀は女狐の左頬を掠め奴の背後の地に突き刺さった。

 

 

 

アルマル「ひょえ....  おわっ。 あちちちち!」

 

尊「勝負ありじゃな。」

 

戌亥「あんた避けたり騙したりする割には初動が素直すぎ。騙すなら騙し通して、真っ直ぐ行くならまっすぐ行きな。  ほら、手。」

 

アルマル「ありがと... にしても、 斬らなかったね?」

戌亥「あんた相手でも流石にね。 その代わりのアレよ。」

 

アルマル「ま、参考になったわ。 んじゃ、先生のとこでもち食って帰りますかね。」

尊「珍しく帰るの早いのじゃな。」

アルマル「ま、教え子待たせるのも癪だしね。」

 

 

奈羅花「...... !!!!!」

尊「ふふ、やっぱり眼がキラキラしとる。」

奈羅花「私もあんなことしてみたい!」

尊「そうじゃな.... いつかアレに教えを請うのもいいかもしれぬな。」

 

奈羅花「そうする!!」

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