紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第九話 食卓

思った以上ににぎやかになってしまった。

尊は前遊びに行ったときに誘ったからいいけど....

誘う予定がなかったと言えば嘘になるが.... 誘う機会がなかった。この一言に尽きる。

先生や門番殿は呼ぶ予定はあったがまさかフレンが来るとは。

これに関しては完全に予想外だ。 若いエリート。部署的に関わることがないわけでもないが若い子を相手にするのは正直苦手でもある。

話しづらくて黙りがちだし。

 

...どうしよっかな~...

 

 

 

 

...かわいい。

やっぱり戌亥さんってめちゃくちゃかわいいんだよなぁ~

やばいやばい変な笑いが出そう。

それにしても。

戌亥さんの義妹さんがこんな小さい子だなんて本当にびっくりだ。

仕事場では寡黙でクールな方だし、家庭での姿なんて見たことないし。

ましてや今日は戌亥さんのご飯をごちそうになるなんて。 そんなことになるだなんて思いもしなかった。

 

いや~楽しみだな。

 

 

 

奈羅花「...なんでお姉ちゃんたちずっと黙ってるの?」

戌亥「ゔっ」

フレン「あっ」

 

フレン「...なにかお話したほうがよろしいんですかね?」

戌亥「奈羅花に仕事の話してもあかへんもんなぁ。 どうしよか。」

 

 

 

厨房長「空気...硬いわね。」

尊「そうじゃな~」

厨房長「助け舟、出す?」

尊「妾は嫌じゃ。 この面白い空気に水を差す気はないからの。」

厨房長「同感~☆」

 

 

 

奈羅花「じゃあ、剣のお話聞かせて!」

フレン「剣?」

戌亥「剣の話なら色々話せそうだね。 そう言えば、フレンの戦う姿も見たって言ってたけど、私とフレン、どっちの戦いがかっこよかった?」

フレン「えっ」

 

奈羅花「むずかしい。 だって戌亥ねぇちゃんはきつねさんと戦ってたし、フレンねえちゃんはおおきいトカゲさんと戦ってた。 ようすが違いすぎてくらべにくいかな。」

戌亥「やっぱり。」

奈羅花「でも、選ぶなら戌亥ねえちゃんかな。 派手でかっこよかった。」

フレン「(よかった....)」

戌亥「じゃあフレンの戦いは見てどう思った?」

フレン「(戌亥さん!?)」

奈羅花「フレンお姉ちゃんもかっこよかった! トカゲさんをけとばしたとこが一番かな。」

戌亥「なるほどね。 じゃあ、奈羅花が剣を持って戦うなら、どちらの戦い方のほうが好き?」

奈羅花「うーん、まだわからない。」

戌亥「そりゃ、ね。 まだ剣を握ったこともないわけだし。」

フレン「... 奈羅花ちゃんは、なんで剣を握りたいと思ったんですか?」

 

奈羅花「... わたしは、自分が守りたいものを自分で守れるようになりたい。 強気なって、お母さんにまた会いたい。守りたい。」

戌亥「....」

 

そっか。 戌亥さん、まだ伝えてないんですね....

 

フレン「守りたい。 剣を握る上で一番大切なことです。 剣は人を傷つける道具ではない。 それだけは...忘れないで。」

 

奈羅花「うん。 分かった。」

 

戌亥「いい眼をするようになったじゃん。」

フレン「...え?」

戌亥「あんたが警備隊に入ってきた日のあの切羽詰まった眼。あれじゃすぐ根を詰めると思ってたよ。 でも、今のあんたの眼は守るべきものが分かってる。腰を据えた眼だ。」

 

フレン「...色々、ありましたから。 尊さんにも、姐さんにも、いっぱいお世話になって。」

 

尊「うちの部隊で散々しごいたしねぇ。 もともとのセンスもあるし。守るべきものがあるって強いのじゃぞ?」

厨房長「入ってきたばっかのときは年に似合わずやせ細ってたのにねぇ。 すっかり育ってしまってまぁ~」

 

戌亥「先生、それセクハラすれすれですよ。」

 

奈羅花「せくはらってな....」

フレン「まだ知らなくていいですよ。」

 

戌亥「おっとっと.... フレン、そこの味噌取ってくんない?」

フレン「わかりました!」

戌亥「そんな張り切らんでええで。 それと、ありがとね。色々話したり教えてくれて。 暇な料理中も楽しく過ごせたわ。」

フレン「大したことないですよ。 これだけが取り柄なんで。」

戌亥「そう。 あ、それとできてる料理運んでくれる?」

フレン「了解です!」

 

 

 

 

戌亥「これでよし。 ....流石にスープは奈羅花に運ばせたらあかんな。自分で運ぶか。」

尊「あんたのことだから雑に育てるかと思ってたけど案外過保護なのじゃな。 気持ちはわかるがの。」

戌亥「言ってる隙があったら手伝ってくれや。 人数多いんだし。」

尊「りょうかーい。」

 

 

 

料理長「ホゥー。 チキン南蛮にフライドポテト、奈羅花にはオムライスか!」

尊「THE宴って感じのメニューじゃな。」

戌亥「文句あるなら食わんでもええで。」

尊「すまないの。 流石につまみを取り上げられるのは勘弁じゃ。文句はそこそこにしていただこうかの。」

料理長「この中で酒飲めるのあんたしかいないんだから...ほどほどにしなよ?」

戌亥「いや私も飲む。」

料理長「あら珍しい。 んじゃ私は烏龍茶でももらおうかしら。」

フレン「じゃぁ... 私はオレンジジュースで...」

奈羅花「わたしもオレンジジュース!」

 

戌亥「飲み物行き渡った?」

尊「そのようじゃな。 じゃぁ、奈羅花の養子入りを祝して....」

 

 

「「「「「乾杯!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 




尊「鬼の前で鬼殺し飲むってまぁ… 何かの当てつけ?」
戌亥「ただ余ってたやつ飲んでるだけだよ。」
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