紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第弐拾壱話 救えぬ愚者

フレン「気になったこと?」

長尾「そうです。 男がけしかけてきた魔獣と刃を交えた時、わずかですが...神力というか...神由来の魔力を感じたんです。」

フレン「神? なんでそんな...」

長尾「純粋なものではなくなにか混ざっているようなものを感じました。 なにか...心当たりないですか?」

フレン「う~ん。 知り合いに情報通な人がいるからその人にあたってみる。」

 

 

 

フレン「...アレは!」

 

男「やっと手に入れたはずなんだ... 僕は間違っていないはずなんだ! 僕の夢!絶えない魔力! 膨大な富! その全て...アレがあれば全て叶うはずなんだ!」

 

フレン「まずい! あの"釜"にアイツを近づけてはダメだ!」

 

疾走し、男の目の前に回り込む。

 

男「僕の夢の邪魔をするな!」

 

コートの内側から取り出された機関銃は強大な閃光を発し、弾を次々と吐き出す。

 

フレン「クッ! 面倒くさいなぁもう!」

男「邪魔するものは!全て崩すんだ!」

 

 

 

 

奈羅花「阿、吽。 この子を頼むよ。」

 

 

妹は助けた。あとは...

あの男。

 

奈羅花「!?」

 

もう交戦が始まっている。

 

 

 

 

 

フレン「言動から察する限り魔力切れがないと見るのが妥当か! なら、供給を絶たないと...」

奈羅花「先生!」

フレン「奈羅花ちゃん! あの子、大丈夫だった?」

奈羅花「ええ! それよりも!」

 

襲い来る弾丸を二手に分かれて避ける。

 

フレン「多分こいつ魔力切れがない! どうにかして供給を絶つか銃器を破壊しないと!」

奈羅花「弾は... コートの中に隠してたなんてね! 厄介この上ない!」

 

 

男「挟み撃ちか...? ムダなことを!」

 

2丁目を取り出し、それも弾を吐き出した。

 

フレン「こうなったら...」

奈羅花「馬鹿な遊び、ですね?」

フレン「行くしかない!」

 

 

距離をとっていた足を一気に奴へ駆けるように走らせる。

 

男「蜂の巣になる気か!」

奈羅花「そんな気、毛頭ない!」

 

視界の全てに神経を張り巡らせ、襲い来る弾丸をすべて剣で受け止める。

ねじれた破片があたりに転がる。

 

男「馬鹿なことを!  ...!?」

 

一瞬のジャム。 それを逃さない。

 

フレン「....届け!」

奈羅花「当たれ!」

 

音速を超える先生の刃は軽機関銃を真っ二つに別つ。

炎を帯びて投げられる花炎は弾倉を貫き、そのまま男の肩に突き刺さる。

弾倉はそのまま誘爆。 男は地を転がり、伏せる。

 

 

 

奈羅花「...貴方を父親だとは思いません。 でも、貴方がいたから私がここに居ることは確かです。 だから、せめて。  清らかに!」

 

 

火桜を両手で構え、地に伏した男を眼前に据える。 哀れみと存在の感謝を込めて。

 

 

奈羅花「断罪剣!」

 

 

 

 

 

だが。

 

 

 

 

 

男「僕が。 錯乱していたと思うかい?」

 

 

奈羅花「!?」

 

 

男は立ち上がり、燃え尽きたかのように砂へと崩れる。

 

 

フレン「...まずい!」

 

 

 

 

レヴィ「何? この魔力反応。 奈羅花ちゃんでもなイ。  ...行かないト!」

 

 

 

 

 

 

 

 

砂は、男が歩み寄ろうとした"釜"に吸い込まれる。

 

声「僕自身が...夢に...なる。」

 

男の声が"釜"から響く。

 

 

 

"釜"が開き、無数の真っ黒な手がこちらに伸びる。

 

 

奈羅花「先生!」

 

とっさに守りたいものを守る。

視界の端には... こちらに走るレヴィさんが写っていた。

 

 

レヴィ「変身!」

 

 

閃光が目の前に広がる。

 

 

 

 

目の前には捻れた双角を持つ竜が、そこにはいた。

 

 

レヴィ「奥の手。 びっくりしタ?」

奈羅花「あ...ありがとうございます。」

レヴィ「とりあえズ、隊長乗っテ! 奈羅花ちゃんは...言うまでもないネ。」

 

 

戌亥「お疲れさん、奈羅花。」

奈羅花「...姉さん!」

戌亥「救えないという意味、分かったか?」

奈羅花「...うん。」

戌亥「それなら良し。 なら、決着、付けに行こうか。」

 

 

 

戌亥「変身。」

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