紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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この物語郡は一貫した時系列で進むものではなく、紅の錬金術師、穹と翼、MONBANに絡む過去の出来事を補完するものになります。
上記3作品を読了後に読むことを推奨します。


SIDE STORIES
Ep1.革命の引き金


ロア「...デビちゃん? リオもいないのだ。どうしたのだ...?」

 

いつもの洞穴に来ても、友達の姿はない。

昨日まで、笑い声が絶えなかったこの洞穴が。

 

ロア「...お出かけしてるのだ! ロアを置いてけぼりはずるいでよ!」

 

小さな翼を羽ばたかせ、近くの村へ飛ぶ。

 

 

 

門番「あ...ロアちゃん。」

ロア「こんにちはなのだ! 今日でびちゃん来てた?」

 

門番「それが...」

 

 

 

 

 

ロア「...嘘なのだ。 リオが...」

門番「...すまない。僕たちの落ち度だ。 本当に...」

 

ロア「そうだ。 でびちゃんは! リオを此処まで運んできてたならまだいるはずなのだ!」

門番「それが... 嬢さんを運んできて色々話した後に忽然と...」

ロア「探すのだ。」

門番「ロアちゃん! ちょっと!!」

 

 

 

リオのこと。 何が起きたのか。 おじちゃんの話ではなにも納得できない。

探すんだ。

 

 

 

 

ロア「でびちゃん...何処にもいないのだ。」

 

なにか嫌な感がした。

 

ロア「...そこにいるのだ?」

 

路地に入る。

予感がする方へ。

 

 

邪竜「...こいつは使えないな。」

 

ロア「...でびちゃん?」

 

邪竜「...ロアか。 ...君ももう...都合の悪い存在になってしまったよ。」

 

紫の閃光を帯びた円盤がこちらに飛んでくる。

まだ聞きたいことも聞けないまま、終わってしまうのか。

 

 

人王「危ない!」

 

青い髪の女の子が私をかばう。

 

龍王「チグサ! 不用心もほどほどだよ! まぁ、結果オーライならいいけどネ! 援護射撃、行くよ!」

 

獄王「ふたりとも早いよ... チグサ!そいつをなんとか路地から出せ!」

人王「了解! けど楓ちゃんも加勢してくれると助かる!」

獄王「へいへい!」

 

二人「おうりゃぁ!!!」

 

獄王「ラヴィ! 行け!!!」

龍王「アグニ・レイ!!!」

 

邪竜「キッ!!!  勇者め...分が悪いか。」

 

てびちゃんが飛んでいく。

 

 

人王「ふぅ... 大丈夫だった?」

ロア「大丈夫なのだ。 ...あなた達は何なのだ?」

 

チグサ「私はチグサ。 至るところで不作とか山火事を起こしてるアイツを負ってるんだ。」

ロア「でびちゃんがそんな事を!? 何でなのだ!?」

チグサ「正直わかんない。 聞き出そうとしてもすぐ逃げちゃうし。 それにしても。名前を知ってるってことは...アイツの友達?」

 

ロア「じつは...」

 

ラヴィ「そんなことが...」

楓「正直、ヒトに恨みを持つならまっとうな理由...と思えてしまうな。」

チグサ「...分かった。 私はこれからもアイツを追う。 その過程で。君が聞きたかったこと。分かったら伝えるよ。」

 

ロア「...ありがとう。」

楓「泣くなよ。 悪魔だろ? 友達は私達がなんとかする。 安心して待っとけよ。」

 

 

 

 

 

 

ロア「何日も探し回って、泣いて。 とっても疲れたのだ。 でびちゃんたちはもういないけど... ここで、寝るのだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロア「ん... 寝すぎたような気がするのだ。 外は...」

 

 

 

ロア「寝すぎたどころの話じゃないのだ。 梅雨になんで雪が降ってるのだ。 完全に寝すぎたのだ!」

 

 

ロア「とりあえず、あの子のところに行くのだ。 確かあっちの山を超えて...」

 

 

 

ロア「街って季節が変わるだけでこんなに変わるのだ? まるで見たこともないような街なのだ。」

 

 

ロア「なんでもかんでも。 なにか知るなら図書館なのだ。  たぶんここなのだ。」

 

 

司書「チグサ? そんな名前の子は聞いたこともありませんが...」

ロア「そんなはずないのだ! ちょっと前までここにいたはずなのだ!」

司書「ん? チグサ... 初代ヘルエスタ女王のお名前と一緒ですね...」

 

ロア「ヘルエスタ? なんなのだそれは?」

司書「...なにか、認識にずれがあるみたいですね。 一度、整理しましょうか。」

 

 

 

ロア「...我、300年も寝てたのだ?」

司書「悪魔さんたちの事はよく分かりませんが... そのようですね。」

ロア「ということは、あの子達は?」

司書「亜人の方は分かりませんが...初代ヘルエスタ女王はすでになくなってあられますね。」

 

ロア「嘘なのだ...約束したはずなのだ...」

司書「私ができることはこれまでですね... とりあえず、住むところは必要でしょう。 知り合いに心当たりがあります。」

 

 

 

ベルモンド「お? どうした嬢ちゃん。」

ロア「街の司書さんにココに行けって言われて...おじさんなにも知らないのだ?」

ベルモンド「俺は生憎ここに住み込みでいるだけの庭師だからね... 何も知らないんだ。済まないね。 でも...客人であることには変わらないだろ? 案内するよ。」

 

ベルモンド「女将! お客さんが来たよ!」

小野町「ああ! 瀬戸ちゃんが言ってた悪魔の方ですね! 案内します!」

ベルモンド「...嬢ちゃん、悪魔なのか。 どうりで角とかが生えてると。」

ロア「...変なのだ?」

ベルモンド「...今の世の中じゃ...変、かもね。まぁ俺はそうは思わないけど。」

ロア「??? 変なおじさんなのだ。」

 

 

 

 

 

 

イブラハル「...来たか、ベル。」

ベルモンド「ああ。」

 

イブラハル「聞いたよ。 お前さんがいる旅館に悪魔の子が来たんだって?」

ベルモンド「ああ。 国に見つかる前に司書さんがうまいことやってくれたらしい。」

イブラハル「やっぱり優しいな。 この街の奴らは。」

ベルモンド「数少ない誇りだよ。 ...そんな優しい奴らのためにも、この現状はなんとかせんといけないな。」

 

イブラハル「...武力蜂起の準備は、進んでるのか?」

ベルモンド「ああ。 魔術学院が秘密裏に協力してくれたお陰で鉱山の掘削や精錬がスムーズに行われてるよ。 制圧するだけの"最低限"の武装も用意できそうだ。」

 

イブラハル「正直、王家の横暴さも最近熾烈を極めている。 亜人や悪魔の弾圧や冤罪をなすりつけられる事例も多発しているらしい。 到底...許されることではないな。」

ベルモンド「俺は...それがより実感に変わったよ。 あの嬢ちゃんがこの街じゃなくて別の町にいたなら...どうなっていたか見当もつかない。」

イブラハル「最悪の方向に...か?」

ベルモンド「ああ。」

 

イブラヒム「親父!!!」

イブラハル「...どうした?ヒム。」

 

イブラヒム「ロゼちゃん...いや、皇太子妃殿下が!!!!」

 

 

 

 

ベルモンド「...は?」

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