紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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Ep2.涙を拭え

ベルモンド「皇太子妃殿下が... 処刑!?」

イブラヒム「毒殺未遂の罪...だそうだが、あからさますぎる!」

 

イブラハル「真実はわからないが... 止められるわけでもあるまい。」

ベルモンド「...準備不足にもほどがある。 なにしろ蜂起の予定日は再来月だ。」

 

イブラヒム「そんな...」

 

ベルモンド「...それはいつだ。 いつ行われる?」

イブラヒム「明日だ。」

 

イブラハル「...正気か? 王家は冤罪であることをおおっぴらに示しているのか?」

 

 

 

ベルモンド「...それでも、止められる刻ではないよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

イブラヒム「空が...泣いている。」

 

イブラハル「王家の唯一の良心がこんな形で... いや、それ故か。」

イブラヒム「もう、ロゼちゃんは...」

 

 

 

少年「すいません。」

 

イブラハル「すまないな。いま店主は留守だ。用があるなら...聞いてやるが...!?」

イブラヒム「お前は...! 第二王子!!!」

 

ヒムが掴みかかった。

 

イブラハル「よせ、ヒム。」

イブラヒム「...親父!」

 

イブラハル「用件は。」

 

エアル「あなた達に... 兄さんを殺してほしいんです。」

 

イブラハル「ほう...?」

 

 

 

 

 

 

 

ベルモンド「それで呼び出されたってわけか... で? 第二王子はどうしてここに?」

エアル「執事に頼んで...反乱分子を見つけてもらって。」

ベルモンド「怖っ。 ナニモンだその執事さん。」

エアル「執事に頼んだのはあなた達を探すことだけ。 だから聞きたいんです。何故あなた達は僕たちを倒そうと思うのですか?」

 

 

 

 

 

エアル「...なるほど。 これで決心はつきました。 私達春崎派はあなた達を支援します。」

ベルモンド「それはありがたいが... なんで王家のあんたが?」

 

エアル「正直、これまでの兄や父親の暴政に僕自身大きく反発しています。 すでに内部勢力の根回しも終わっています。 あなた達を支援して、兄と父を倒したい。それが僕のやりたいことです。」

ベルモンド「それって...お前さんが王座に座るってことか?」

エアル「半分はそう言えるでしょう。 僕は父から椅子を奪い、その椅子を壊すつもりでいます。」

ベルモンド「王政の破却... それが終わったらあんたはどうする?」

 

エアル「僕自身政治には興味があります。 王としてはなく、勉学に励んで議員として国に貢献するつもりでいますよ。」

 

 

ベルモンド「事後の逃げ道まで確保済み...できた王子様だ。 よし。 その依頼、受けよう。」

エアル「ありがとうございます! ...愛した姉の敵を、討ってください。」

 

 

ベルモンド「...ああ。」

 

 

 

 

 

ベルモンド「...ヒム、親父さんは?」

イブラヒム「王子さんにもらった情報をまとめてる。 皇太子妃の訃報で燃える民衆をまとめ上げるチャンスだって。」

ベルモンド「ほう。 根を詰めてまた倒れなきゃ良いが。」

 

イブラヒム「ベルさん。」

ベルモンド「何だ?」

イブラヒム「頼みがあるんです。」

ベルモンド「...敵を討つために戦うとな?」

イブラヒム「...お見通しか。」

 

ベルモンド「...いいぜ。 男の涙は力の源だ。」

イブラヒム「...ありがとう。」

ベルモンド「ほら、ハンカチ。」

 

 

 

 

 

 

ベルモンド「各地の同士への電報、終わったのか?」

イブラハル「王子さんのお陰だよ。 まとめやすかった。」

ベルモンド「そらそうか。」

 

イブラハル「呼符。 鳴ってるぞ。」

ベルモンド「悪い。」

 

 

ベルモンド「はいベルモンドですが...」

呼符の声「魔術学院の者です!!! 注文の品、急ピッチで仕上げました! 明日にも、現地に届くかと!!!」

 

ベルモンド「...へ?」

 

 

 

 

ベルモンド「...これは、何だい?」

エアル「殿なんですから。しっかりしてください。」

 

ベルモンド「...こりゃ、あの子の死もムダにできんな。」

 

 

 

 

 

 

エアル「聞け! これより我々はこの洛中を制圧する! これは義によるもの! 度重なる暴政悪政を我々は断固拒絶する! 私の姉は。 私の姉は不当な冤罪により処刑された! これこそ暴政の象徴にほかならない! これより王の椅子を壊す! この国の民衆の名誉のために! 自由のために! 立ち上がるものは、続け!」

 

ベルモンド「行くぞ野郎ども!!!! 続けぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

 

 

王都兵A「...行くぞ。」

王都兵B「何が? あれを止めるっていうのか?」

王都兵A「いや。 続くんだよ!!!」

 

王都兵B「それもそうだな!」

 

 

洛中の人々も、王を護衛する兵士も。

次々と漢たちが率いる列に続く。

 

 

 

アルマル「...これが、貴方の姿勢が示した未来だよ。 皇女殿下。」

 

 

 

 

 

 

王「なんだお前達!? これ以上の狼藉、許されるわけが...」

 

弦月「狼藉を働いているのはもう...貴方だけですよ。」

王「...貴様! なんのために祓魔師から側近まで格上げしてやったとおもっ...」

 

弦月「...貴方の首の肉が削がれるのが先か。 国家が転覆するのが先か。 選択の余地はありませんよ。」

 

 

 

エアル「弦月さん! お疲れ!」

弦月「この豚の相手も疲れたところで駒を進めていただいて。 本当に助かりました。」

エアル「お礼はこの人に言って!」

ベルモンド「...俺か?」

 

エアル「この蜂起の一番の功労者は君だよ。 僕たちに、矛を授けてくれたんだから。」

ベルモンド「世辞は、受け取っておきますよ。」

 

 

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