馬車に乗って王都に戻る。
今度はハプニングもなく王都に戻ることが出来た。
王「よくぞ戻ってくれた!リゼ!」
リゼ「大袈裟だよお父様…」
王「とりあえず、調査、ご苦労であった。話はアンジュくんの文でだいたい理解出来たよ。シフ国からの教会の寄付…とても有難かったし国交の一環として好調にことが進んでいたはずがこんなことになろうとは…」
カトリーナ「教会に関する調査は現在バーガンディ氏にが詳しく調査を行っております。しかし、やはり事はそう易々と進みそうにはありませんが…」
王「まぁその事に関しては君達は大いに貢献してくれた。カトリーナ君が気に病むことではないよ。 それはそれとして、だ。」
カトリーナ「剣に関しての1連の事象、ですね?」
王「ああ。ここでその剣に関する事を知り得る限り教えておくべきだと思ってな。 そもそも、その剣はこの王国が建国されてからずっと王城に祀られていた祭事用の剣だったのだ。」
カトリーナ「じゃあ尚更、なぜ私達に…?」
王「ここから先は言い伝えになるが…いいかね?」
かつて、この地は邪龍が支配していた。
邪龍は邪智暴虐の限りを尽くしたそうで、その地に住む人々は邪龍に怯え、言われるがまましたがっていたそうだ。
そこで立ち上がったのは、3人の勇者だった。
1人は人の子。
1人は人と龍の子。
1人は獄士の子。
3人は、力を合わせて邪龍を打ち倒した。
そして3人は違う道の王となった。
王「と、いうのがヘルエスタ王国の始まりの言い伝えだ。そして、その3人の勇者が携えていたとされるのが、ヘルエスタセイバー。君たちに渡した剣さ。その3振りは役目を終えた後、祭事用の剣という役割を与えられ、その役目さえ終えて、君たちの元へ渡ったのさ。
カトリーナ「なるほど…」
リゼ「そう言えば、私たちの剣ってワンポイントの色が3本とも違うけど、それはなにか意味があるの?」
王「そうだね…確か、その色に応じて司る理が剣ごとにあるそうだ。少し待ってて。書庫から文献を持ってくる。」
〜5分後〜
王「お待たせしました。これがその剣に関する文献です。この文献によると確か… あったあった。カトリーナ君に渡した赤色の剣は芽吹、生命の始まりを司る剣だそうだ。」
カトリーナ「! 文にも書いた、剣の声もそのようなことを言ってました。」
王「ほう… この剣を携えてたのは龍と人の子。錬金術の祖となった竜王となる勇者だそうだ。」
リゼ「すごいじゃん!」
王「リゼに渡した青い剣は伊吹、生命の繁栄を司る剣だ。この剣は我がヘルエスタ王国初代国王となる勇者が携えていた剣だそうだ。言わずもがな私たちの御先祖様の剣さ。」
リゼ「アンジュといい私といい縁のある人が携えていた剣を渡していてくれたんだね!」
王「(まぐれなんだけどなぁ)」
リゼ「?」
王「ウォホン! 最後に、戌亥君に渡した小豆色の剣は歌吹、文明を司る剣さ。この剣は獄王となる勇者が携えてた剣さ。」
戌亥「まさかの元上司ねぇ…」
リゼ「そういえば、とこちゃん地獄の実家に連絡取れてるの?」
戌亥「今それ言うかな…実家ねぇ…」
カトリーナ「実家の話は私も頭が痛くなるからやめてもらっていい?」
リゼ「あっ() ごめん…」
王「とりあえず。今回の調査、ご苦労であった。報償は後々渡すとしよう。」
カトリーナ「はい。それでは、失礼します…」
王城から出ると、もう日も暮れていた。アンジュはんとも解散して、家へと帰ることにする。喫茶店を3日も開けていたんだ。いくら報償が出るとはいえ明日から頑張らないといけないな。
薄暗い街道を1人歩く。
戌亥「!?」
ふと視界に入った路地にあの「男」が佇んでいた。
この状況、どうする。
あの男は危険すぎる。下手したらこの城下町が炎に巻かれる可能性だってある。かといって、1人で交戦できるような状況でも…
男は、私を見て微笑むや否や路地の中に逃げていった。
まずい。 今見失うのは非常にまずい!
急いで追いかける。
恐らく、地の利はこちらにある。
もうここらに住んで4年も経っているんだ。
路地くらい把握出来ている。
自らの能力を出し惜しむことなく、奴を追う。
時には壁を走り、屋根を飛び越えもした。
幾つか屋根を飛び越えたところで、やつは屋根の上で立ち止まった。
戌亥「あんさん、目的は何だ。」
???「なんで貴方に言わなければならないんですか?」
戌亥「またソレか。」
???「今、僕は貴方に捕まってしまっては非常に面倒だ。 でも、先の戦いであなたの動きは見れましたよ。勝ち目がない相手をいたぶるのは心が痛みますが…始末させてもらいましょう。」
奴が剣を抜いた。
戌亥「やっぱりこうなるのよね。 準備運動はさっきので済んだ。 リベンジマッチだ。派手に行かせて貰おう。」
居るんやろ?獄王サン。私には守る人がいる。守る街がある。だから、その力、借り受けますよ。
夕日が煌々と2人を照らす。