紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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Ep10.生きたいワタシ

俺は...欲望のままに生きていたい。

それは王の道との決別。

だが...親父は。

何も言わず俺が私として生きることを認めてくれたんだ。

 

 

 

チャイカ「...親父、これ、返すわ。」

王「...これはお前の武勲の証ではないのか? それとも、なまくら刀はいらないと。」

チャイカ「どっちでもねぇよ。 ただ、私として生きるにはそれは不釣り合いすぎる。 まぁ、妹になんかあった時、渡してあげなよ。」

 

王「...了解した。 今日からお前は行方不明の身だ。公に俺は言及しない。 好きなように生きろよ。」

チャイカ「...サンクス。」

 

 

春が始まる少し前の朝の風は頬を冷たくなでていく。

 

 

 

 

 

チャイカ「...店じまい、するのか?」

老人「なんだい兄ちゃん。 見かけない顔だが。」

チャイカ「いや、ここらで店を構えたくてね。この店は...売る手筈は済んでいるのか?」

老人「買うつもりかい? それなら金貨10本はもらいたいところだが...」

チャイカ「15本。」

老人「へ?」

チャイカ「支払ったんだ。 鍵、渡してくれるかい?」

老人「...まるで王だな。 その豪胆さ。」

チャイカ「一番似合わない例えをありがとね。」

 

 

 

リル「店、買えたんだな。」

チャイカ「親父か。 息子の夢のお店にようこそ。 だが生憎今は開店準備中だぞ。」

リル「だろうとおもって手伝いに来たんだよ。 リゼにはちゃんと内密にな。」

チャイカ「あの子がこんなところまで来ることなんてないんだし、そこまで気を張る必要もなくないか?」

リル「こんなところだからこそだ。 悪い男に引っ掛けられたらどうすんだよ。」

チャイカ「...ココらへん屈強なオネエ様方しかいないが...それでもか?」

リル「...マジで? 一人できちゃったんだけど」

チャイカ「帰り道気をつけなよ。」

ベルモンド「...口コミどおりの店だな。」

 

チャイカ「オッサン二人して若いモンの店に転がり込んでなにしてんだか...」

ベルモンド「俺はちゃんとした理由で来てるんだけどね。 これでもバーの経営してたんだ。ありがたいアドバイス、できると思うけどね。」

 

 

 

 

 

 

 

チャイカ「...よし。 買い出しも終わったし帰るか。」

 

最近営業も軌道に乗ってきた。 親父にもらったなけなしの金はもうないが、儲けで生活できるようになったから無問題だ。

にしてもだ。

 

 

チャイカ「やけに...騒がしいもんだ。」

 

あの剣を握った代償か。

魔力の流れに敏感になったような気がする。

路地のさらに路地。 そこから毒ガスみてぇな匂いの魔力を感じる。

 

チャイカ「私の店の周りで、好き勝手はさせたくないな。」

 

 

路地に入る。

 

 

チャイカ「おい。 冗談だろ。」

 

 

 

路地に転がるのは子供だったモノ。

仲間から最近孤児の子たちを見かけないと聞いていたばかりだ。

関係性を...疑わずにはいられない。

 

呼符を使って仲間を呼ぶ。

チャイカ「...すまん。こっちに来てくれ。」

 

 

 

 

子どもたちの遺体を仲間に任せて、魔力の痕跡を追う。

この痕跡はどの痕跡よりもクサい。 簡単に追いかけられる。

 

 

チャイカ「...お前か?」

シスター「王子に用はありません。 」

チャイカ「おい!     ッ!!! 」

 

 

欲望のままに生きる。 故に守りたいものを守る。

あの子達はこの路の家族だった。 だから...守り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャイカ「...新しい店か? 地獄の方の料理を扱う喫茶店か。 面白そうだな...」

 

店に入る。

視界に入った人物を見て、俺は背筋を凍らせた。

 

 

戌亥「いらっしゃいませ~ 自由に座ってって。」

リゼ「じゃ私注文聞いてくるね~」

戌亥「わーった。 ミルク一杯分マケてくれっつー魂胆やな。 まぁいいけど。」

 

チャイカ「(我が妹!? しかし化粧は厚い。バレないはずだ。)」

リゼ「...ご注文、いかがでしょうか?」

チャイカ「(...化粧怖かったか。) ああ。この小倉トースト頼むよ。」

 

リゼ「とこちゃん小倉トースト一つ!」

戌亥「あいよ。」

 

 

チャイカ「...化粧、気になるかい?」

リゼ「あっいえ...」

チャイカ「ま、あんたみたいな子が関わることないようなシゴトしてるからね。解らなくてもいいわ。」

リゼ「へぇ...」

チャイカ「でも、相談事くらいはあんたみたいな子でも歓迎よ。」

リゼ「本当ですか!? じゃぁ...」

 

 

戌亥「アンジュはん。 あの人って...」

アンジュ「言わないであげてね。 というか、リゼもよく気づかないもんね。」

戌亥「兄がオカマになって頭にバラン付けてたら気づくものも気づかんと思うが。」

アンジュ「そらそうだね。 ...後で、路地の孤児保護のこと。聞いてみようかな。」

戌亥「あんさんも大変やな。」

 

 

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