紅の錬金術師   作:おいしい名古屋コーチン

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第9話 シフ国の勇者:破

人体錬成。それは禁忌の秘術。

かの龍王でも成し遂げられなかった偉業。

だが、事例がなかった訳でもない。器を作って、そこに死霊術で死者の魂を入れるといった方法なら。

しかし、前者は良しとしても後者は紛れも無い禁忌。死人の命を扱う死霊術自体が禁忌なのだ。

 

戌亥「体を作るって…前にアンジュはんから聞いた人体錬成ってやつじゃないん?禁忌の術をアンジュはんにやらせるんか?」

アルマル「まぁ実際には違うんだけどね。あれは死霊術も組み合わせたモノ。今回頼むのはあくまで体を錬成してもらうだけ。禁忌に触れることは一切無いのサ。そんでさ。アンジュちゃんは器を早速作ってもらいたいのよ。」

カトリーナ「はい。分かりました。」

戌亥「アンジュはん… こんな胡散臭い奴の条件を簡単に呑んじまうんか?」

カトリーナ「うん。仮にも彼女は恩師だ。こんな形だけど、恩返しがしたい。それに、彼女以外のツテも他にない。道が1本しかないならそれをひたすら歩くだけだよ。」

アルマル「いいこと言うじゃん!んじゃ早速。材料と設計図はもう用意してあるし、補給用のリソースもある。早速やっちゃって!」

カトリーナ「わかりました。」

 

人体錬成に必要な材料はとてもシンプルだけど、彼女は仮にも獣人だ。分量は多少異なる。だが、丁寧な設計図のおかげで材料も屋敷から集め終わり、錬成陣も書けた。

 

カトリーナ「それでは、いきます。」

 

錬成陣に魔力を込める。錬成陣が青白く光り、その光は部屋全体を包み込んだ。

 

アルマル「ほいっと。ありがとさん。さすがアンジュちゃんだ!前のボディより動きやすい!」

リゼ「思ってた数倍かわいい…」

戌亥「前と見た目はそん変わってへんか。あんたの事だからその頭でっかちなのを何とかしてると思ったわ」

アルマル「まぁ前のボディのコピーだからね。だけど細かいところに手を加えてる。錬金術においてはアンジュちゃんには敵わないねぇ!」

カトリーナ「お褒めいただき光栄です。それで、交換条件ですが…」

アルマル「話せることは全て話すよ。でも、こんな所で話すのもアレだし、戌亥のとこの喫茶店にお邪魔しようか。」

戌亥「え〜?あんさんを店に入れるの嫌なんだけど」

アルマル「いいじゃん!」

戌亥「じゃあ皆でご飯食べながら情報交換やね。リゼはん、セバスにエクスさんに買い出し行くように伝えておいて。メモ渡すから。」

アルマル「あのバカ戌亥のとこにおるの!?」

戌亥「居候ね。」

アルマル「あんのバカ… 私が魔女狩りに遭ってから姿を見ないと思ったら…」

カトリーナ「居候になるまで1転2転あったようですが、それに関しては歩きながら話しましょうか。」

戌亥「よし。メモ書けた。リゼはん、これセバスに持たせてエクスさんとこ行かせて。」

リゼ「わかった〜」

 

一方その頃

 

花畑「いやぁ戌亥ちゃんがこんなイケメン連れ込んでるとはね。店番頼まれたようだけど私も手伝うからどんどん言ってちょうだい。」

エクス「アッハイ」

 

早く戌亥さん帰ってこないかな…

 

エクス「ん?ひよこか?」

 

なにかメモを持ってる。

メモによると、今晩お客さんを招いて食事会をするそうだから店番をチャイカさんに頼んで買い出しに行って欲しいとの事だ。

 

エクス「チャイカさん、戌亥さんからの依頼で買い出し行ってくるので店番頼みます!」

花畑「おう。いってら〜」

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