ヒロアカ×東方能力   作:なっち様

2 / 5
もっと評価しろオラァァン
という冗談はさておき東方キャラ出せましたぁ



個性把握テスト

 

 結論から言うと十六夜は無事合格した。

 合格通知が投影機でオールマイトが投影されたのには多少驚いたが、実技試験では

ぶっちぎりの一位合格という結果は予想通りだったのでそこは別段驚かなかった。それよりも学校には指定された制服で来るようにと言い含められたことがつまらないと十六夜は思った。

 さて、登校初日、1-Aと書かれた標識と十六夜の身の丈三倍はあろうかという扉をくぐり抜け――その大きさの割に扉は軽く、スムーズに動いた、試しの門と身構えた十六夜は肩の力が抜けた――てクラスを見渡す、まだ一人しか来ていないようで必然的に二人の目が交わった。

 

「君は……」

 

やや気難しそうな顔を十六夜に向けるのは試験会場の説明会で彼を注意した眼鏡の少年だった。十六夜もこの男のことは覚えていた。

「おや、君も受かってたんだねぇ」

 

「ああ、試験会場では君の姿を見かけなかったが同じ試験会場で同じクラスとは君とは縁があるようだ」

 

「かもね」

 

 相槌を打ちながら十六夜は自分の席を探す。

 

「ん?ああ、席なら名簿順になっているみたいだぞ」

 

 眼鏡の少年の言う通りに十六夜は前の方の席を探した、

 

「どうやら本当に縁があるみたい?」

 

 そういって眼鏡の少年の後ろの席に座った。

 

「ということは君が十六夜昨夜君か。

ぼ……俺は飯田天哉だ、よろしく」

 

「よろしくぅ」

 

 眼鏡の少年―飯田天哉は初対面でも人見知りする性格ではない無いようではきはきと話す、なるほどヒーローを目指す人間とはこういう人間なのかと十六夜はある種の納得のような感想を抱いた。十六夜が席に着いた後にクラスメイトもまばらにやってきて席のほとんどが埋まった頃にやってきた爆豪克己という少年にそのイメージは壊されることになったが。

 また、多くの人間が十六夜のことをピエロの人、ピエロの人だと呼ぶのですっかり十六夜はその気になってしまい玉乗りやパントマイムをしたせいで机に足を乗せていた爆豪と一緒に飯田に怒られていた。

 

 その時、緑髪の少年がやってきた。

 

「あ、君は、良かった。

同じクラスだったんだね」

 

 その少年はまっすぐに十六夜の元へやってきた。

 

「会えてよかった、君の名前教えてよ」

 

 十六夜はにっこり笑って何かを言おうとしてやめた。

 

「あれ、え、えっと」

 

 緑髪の少年は十六夜に会ったときのことを登校する前からシミュレートしてきていて、珍しくどもることなく考えていた言葉を出せた、この反応は想定していなかった。視線が交差してしばらくして、少年は自分が紙を持っていることに気づいた。すでに二回目の体験だった少年は笑顔で紙を開く。

 

『十六夜昨夜』

 

と汚い字でそう書いてあった。

 

「十六夜くん!僕は緑谷出久!よろしく」

 

「よろしくぅ」

 

 お互いの自己紹介が終わりその後ろの少女『麗日お茶子』が会話に混ざり入試の話になったとき

 

「お友達ごっこがしたいなら他所に行け。

ここはヒーロー科だぞ」

 

 寝袋に包まれたミノムシのような男が現れた。

 

「はい、静かになるのに8秒かかりました、時間は有限。

君たちは合理性に欠けるね」

 

 クラスの全員が突然現れた男に驚いていた。

 

「担任の相澤消太だ、よろしくね」

 

 男――担任を名乗る男はあっさり正体を明かした。

 

「早速だがこれを着て全員グラウンドに出ろ」

 

 

「個性把握テストぉ!?」

 

クラスの声が重なり、それは反響がない開放的な空の下でも響いた。相澤はそれを少しも気に留めた様子もなく、淡々と説明していく。曰く、中学の頃にやっていた体力テストと違い個性を使った全力で挑むこと。至ってシンプルな内容だった。

説明の最後、相澤の視線が十六夜に向く、

 

「確か実技一位は十六夜だったな、中学の時50m走何秒だった」

 

 「あいつが……」と皆が以外に思っている――射殺すような目で見る者もいたなか、十六夜は答えなかった、正確には答えられなかった。急にしどろもどろで何かを考えるようだった。

 

「え、えーと」

 

「早く言え」

 

 相澤がせかす。

 しかし、その時にはさっきまでの動揺が嘘だったかのように不自然に落ち着いた十六夜がいた。

 

「7.11だったと思います」

 

「……そうか。

ちょっと走ってみろ、もちろん個性ありでだ」

 

「したいことしかしないんだけど……。

リクエストには答えましょう!」

 

 全員の視線が50mレーンに向かった十六夜に向かう。

 スタートダッシュに使う足置き?誰も正式名称を知らないそれに足を置く様子もなくスタートラインの白線前に十六夜が立つと備品のロボットがカウントを始めた。

 

『位置ニツイテ、ヨーイ』

 

 パァン。

 それを見れたものは誰もいなかった。

 十六夜の姿は空砲の合図の後消えたのだ。

 

『0・4』

 

 無機質なロボットの声が響くのも一瞬だった。

 50m先のゴールラインの先には十六夜衣服の乱れもなく立っていた。

 

(個性『テレポート』ここまでタイムラグがないなんて!やっぱ何度見ても凄いや!)

 

 生徒の中でただ一人十六夜の個性を知っている緑谷は十六夜の個性の評価を上昇修正させた。

 

「まず自分の最大限を知る、それがヒーローの素地を知る合理的手段だ」

 

 全員が記録を見たのを確認した相澤が言った。

 

「すっげぇ」

「0・4ってマジかよ」

「何これ面白そう」

「個性思いっきり使えんだ!さすがヒーロー科」

 

 十六夜の個性を確認した面々が沸き立つ。それは抑圧からの解放というよりも興味本位というのがありありと感じ取れた。

 

「面白そう……か」

 

 相澤が眉を寄せて呟く。

 

「ヒーローになる為の3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?

よし8種目トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう」

 

「はぁあああああ!?」

 

 残酷な宣告をする相澤に生徒の多くが絶叫した。

 

(除籍処分って、そんなまずい8種目も?ワンフォーオールは0か100しか力が出せない。僕はまだ調整なんて)

 

 緑谷は焦燥していた、彼は諸事情により個性を扱いきれていない。そんな彼が最下位をとる確率は高く緑谷も自分がそうなるだろうと思っていた。そして焦っていたのは緑谷だけではない、個性が運動に向いてない者、そして十六夜もだった。

 

「最下位除籍って!まだ初日ですよ!いや初日じゃなくても理不尽すぎる!」

 

 最初に抗議の声を上げたのは麗日だった。相澤は落ち着いて返す。

 

「自然災害、大事故、そして身勝手な敵たち、いつどこから来るかわからない厄災、日本は理不尽にまみれている。そういうピンチをくつがえしていくのがヒーロー、放課後マックで談笑したかったならお生憎、これから3年間雄英は君たちに全力で君たちに苦難を与え続ける。されに向こうへプルスウルトラさ、全力で乗り越えてこい」

 

 相澤の話に聞き入る生徒一同、誰かの唾を飲む音も聞こえるほどだ、覚悟を決めた顔をする者たち。その中で声をあげたのは意外にも十六夜だった。

 

「何を言っても無駄……ということですね?」

 

「……あぁ、最下位は除籍処分だ」

 

 何かを考えたのか一瞬口をつむんだ相澤だったが帰ってきた答えは変わらなかった。

 

「そうですか、分かりました」

 

 ほとんどの者は十六夜があの記録を出しながらも最下位になることを恐れているのだと思ったが実際は違う。

 

(緑谷出久をここで除籍させるわけにはいかない)

 

十六夜が考えていたことはこの事とどうやったら彼を最下位にしないか、だ。きしくも後継者のことが心配で柱から見守っていた平和の象徴と考えが似ていたというのは余談だ。

 

「さてデモンストレーションは終わりだ、こっからが本番だ」

 

かくして個性把握テストは始められた。

さすがはヒーロー志望の雄英生というところか順応が早く皆各々の種目へと挑んでいる。爆豪克己は実技1位の十六夜に何かと対抗してきてハンドボール投げでは明らかに勝ち誇ってきたが十六夜は相手にする余裕がなかった。

また、不自然というほどではないが些細なミスで記録を落としてしまう生徒がちらほらと居た。足をかけて転んでしまったり、ジャンプする場所が浅かったりだ。

 

 そういう生徒が多い中で緑谷だけは逆に調子が良かった。

 50m走ではスタートの空砲と同時に駆け出せたり、握力では今までで一番の記録が出せた。ワンフォーオールはまだ調整できてないがそれはこれからできるようになればいい、順位表がないので気を抜くことはできないが最下位ということはなさそうだと息をついた。

 

「調子はどうだぁい、緑谷くん」

 

「十六夜君!なんか今日は調子がいいんだ」

 

「そうかい、それは良かった、初日に除籍なんてされたらたまったもんじゃないからね」

 

「でも、十六夜君は50mに立ち幅跳びと凄い記録じゃないか、除籍の心配はなさそだけど」

 

「ん、ああ、そうだねぇ」

 

 なぜか他人事のような雰囲気の十六夜に違和感を感じたが、でも十六夜くんは失礼だけど変な人だからなぁ、と緑谷は思いなおした。緑谷も残すところはハンドボール投げだけになった。丸い円の中に立ちボールを構える緑谷だったが後ろの相澤が声をかけた。

 

「緑谷、個性を使わないつもりか?」

 

 低く聞き取りずらい、だが何か良くないことを含んでいることは伝わる声だった

 

「これは個性把握テスト、向き不向きはあるだろうがそれも個性だ、何が出来て何が出来ないのかを把握するためのテスト。

そういった意味ではお前はまだ0点だ」

 

緑谷は固まった、ほかの生徒は緑谷の個性を知らないので何故使わないのか不思議に思いながら成り行きを見守っている。

 

「はっきり言って俺はお前がこの中で一番見込みがないと思っている。

入試試験見たよ、十六夜の協力がなかったら敵ポイント0、しかも個性を使った反動で腕折れてたろ。

個性の制御がまるで出来ていない」

 

 相澤はどこかを一瞬見ながら続けた。

 

「昔、あるヒーローが災害から一人で千人を救って伝説をつくった、お前のは一人を救って動けなくなる木偶の棒だ、行動不能になって十六夜の時みたいに誰かに助けてもらうつもりだったか?」

 

「そんなつもりじゃ」

 

「どういうつもりでも周りはそうせざるを得ないって話だ、緑谷出久、お前の力じゃヒーローになれないよ。

……ここで動けなくなるようなら順位に関わらず除籍処分にすることも考える」

 

「!?ッ」

 

「緑谷くん」

「十六夜、入試から緑谷をやけに気にかけているようだがお前もまだ種目が残ってるだろう。ささっとやってこい」

 

「……はい」

 

 後ろ髪を引かれる気持ちで十六夜が握力測定の方へ向かったのを見届け相澤は個性を解除した。相澤の個性『抹消』、見た者の個性を消す個性を。

 

 十六夜が握力測定を終えて戻ってきたときには緑谷の最後の種目ハンドボール投げは終わっていた。指が折れていたが保健室に運ばれる様子もなく、緑谷本人もやる気に満ちた目をしているのを見て十六夜は安心した。爆豪が恐ろしい目で緑谷を睨んでいることは気がかりだったが。

 結果発表となって一位二位と順位が発表され一位が八百万という少女だったことなど十六夜はどうでもいいと視線を最下位の名前に向ける。かくしてそこにあった名前は

 

『峰田実』

 

 と表示されていた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!やっぱりぃ!」

 

 最下位だった峰田という小さな少年がおいおいと泣くのを皆尻目に見ている中、相澤が淡々と告げる。

 

「ちなみに除籍は嘘な。

君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽」

 

「はぁぁあああああ!!!?」

 

 一同が叫ぶ中、一位の八百万が

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない、ちょっと考えれば分かりますわ」

 

 呆れて言った。

 

「……やれやれだぜ」

 

 十六夜は肩をすくめた。

 

 個性把握テストが終わり相澤が職員室に戻る途中で屈強な体をした男に声をかけられた。

 

「相澤くんの嘘つき」

 

「オールマイトさん見てたんですね、暇なんですか」

 

「合理的虚偽ってエイプリルフールは一週間前に終わってるぜ。

君は去年の一年生一クラス全員を除籍処分にしている、見込み0と判断すれば迷わず切り捨てるそんな男が前言撤回、それってさ君もあの子に可能性を感じたからだろう?」

 

「君も?あの子?」

 

 相澤が思い浮かぶのは今回最下位だった峰田実、それと除籍処分をほのめかした緑谷出久の二人だ。

 

「あ、いや」

 

「ずいぶんと肩入れしてるんですね、先生としてどうかと思いますが。

可能性が0ではなかった、それだけです」

 

 そう告げて去っていく相澤、

 

(十六夜だけでなくオールマイトも緑谷に肩入れしているのか?

いったいあいつに何がある?)

 

 これからも緑谷を注意深く見ていこうと決意する相澤だった。

 

 

「ってことがあってさー、もしかしたら僕だけじゃ力不足かもしれないんだよねぇ」

 

 場所は喫茶店、静かな店に似つかわしくない明るい声で十六夜は目の前の少女に告げる。

 

「ふーん」

 

「ふーんって」

 

「だってしょうがないじゃない、私たちの中で潜入とかサポートを気づかれないでやれる個性なのはあなただけなんだしそう言われたってできることなんてないわよ」

 

 十六夜に言い返した少女、その人形よりも人形らしい整った容姿をした金髪の少女は紅茶の入ったカップを置きながら言った。

 

「ま、あなたがやるしかないってことよ頑張りなさい」

 

「アリスの人形で何とかできないの?

ほら、教師を操り人形にしちゃうとかさ」

 

 アリスと呼ばれた金髪の少女は心外ですと言った顔で

 

「私の人形は半自立は出来てもある程度は私が命令を出さないと動かないわ、教師なんて複雑な仕事は出来ない。それに生きた人間を人形にするのはネクロマンサーとそう変わらない、人形師のすることではないわ」

 

 出来ないということと人形師としての矜持について話すが後者については十六夜にはどうでもいい話だった。興味なさげな十六夜の様子に気づいたのかアリスはとにかくと、話を戻した

 

「緑谷出久を除籍処分にさせないようにするのはあなたの仕事よ。

でもそうね、もし普通科に落ちるだけじゃなくて退学になるなんてことがあったときの為の備えはしておいた方がいいわね」

 

「それはそっちで考えておいてよ」

 

「ま、そうね。ほかの皆にも言っておくわ」

 

「あいあい」

 

 そういえば、と十六夜はオレンジジュースが入っていたグラスの氷をストローでかき回しながら聞いた。

 

「悪の支配者は見つかった?」

 

 アリスは眉をひそめた。

 

「いいえ、向こうに悟られないようにやるには地道に細々とやるしかないから難しいの」

 

 だから、あまりその名も出さないでほしいといった様子のアリス。

 

「うーん、困ったなぁ」

 

「あと雄英高校に襲撃するって集まりがあるらしいのよ」

 

 十六夜はいかにもめんどくさいといった顔で続きを促した。

 

「それに誰か参加させようってこっちでは話してるの。

あなたは誰がいいと思う?」

 

「そっちは気楽でいいね。

僕がヒーロー目指してる間に僕がヒーロー目指すために入った学校に攻め込む話を僕にするなんて。もしかしてそのカップに入ってる黒いのはカシスリキュール?」

 

 にしては色が濃いなと十六夜が言った。

 

「あら、したいことしかしないんじゃないの?

……冗談よ、そう怒らないでちょうだい。

雄英高校襲撃、これチンピラばかりが集められてるけど、スケールと計画の精密さがばらばらなの、これは上に大物がいるわ」

 

 もしかしたら悪の支配者にもつながってるかもとアリスが声を潜めて言った。

 




ジャンプ作品のネタが混ざってることがありますが他作品とのクロスオーバーはありません。試しの門や、やれやれだぜはその世界では漫画となっているという設定でお願いします。
感想評価待ってます

ストーリー

  • ちょうどいい
  • 遅い
  • 早い
  • 面白い
  • つまらない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。