希望と孤独の狭間で…   作:B.delta

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第11話  経験

あぁぁ、先週の授業後が思い出される。

「職場体験は一週間。肝心の職場だが、指名のあった者は個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ」

 

そんなこと言われても、数多いし、俺には少し優柔不断なところがあるし…、2日で決めるなんてこれまでの中で1番ハードだ。

悩んだ末、俺はもっとロックを強化したいからワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの事務所に行くことにした。ピクシーボブの土流は俺には魅力的で、もっと幅がきいた攻撃ができるようになると考えた。

 

 

そして職場体験当日、

「コスチューム持ったな、本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」

「はーい!」

「伸ばすな、「はい」だ芦戸。

くれぐれも失礼のないように!じゃあ行け!」

 

俺は新幹線に乗りワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの事務所に向かう。USJでは結局レスキュー訓練はすることが出来ず、自然災害に関しての救助は知識だけしかない。

 

俺が事務所に入ると…あれ?

誰もいない…?

 

すると物陰から誰か出てきた!!

「煌めく眼でロックオン!」

「猫の手 手助けやってくる!!」

「どこからともなくやってくる…」

「キュートにキャットにスティンガー!」

「「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!!」」」」

 

「本日より職場体験させて頂きます。雄英高校から来ました。鍵無彗仁です。ヒーロー名がジンなのでジンと呼んでください!

これから1週間!よろしくお願いします!」

「雄英1年の絶対的トップが来てくれるなんて!ツバつけとこ…!」

 

俺は全力で避ける。

「ごめんね、彼女適齢期的なあれで…」

「あ、そうなんですね…」

「じゃあ早速だけど、現場行くから!」

俺の職場体験は始まった。

 

 

そして帰りの新幹線内。

俺はこの1週間、スマホなどの電子機器は一切使う暇もなく山々を駆け回った。基本はトレーニングだったが、途中、遭難者の救助や土砂崩れした現場からの救出など多くのことをし、たくさん学んだ。

久々にスマホを開くと、緑谷から位置情報の一斉送信が来ていた。また、ヒーロー殺しが捕まったというニュースも目にする。時間的に考えてきっと彼が戦ったのだろう。

 

 

コスチュームを学校に返却し、帰宅途中。

 

USJの時のワープするヤツが俺の前に立ち塞がった。

攻撃はしてこないから戦う気はないことがわかる。

「話がしたいので来てください」

どうせ、いつかは向き合うことだ。直接聞いた方が早い。俺は無言でついていくことにした。

 

ワープした先はバーのようなところだ。そして目の前には、顔に手のようなものをつけたヤツがいる。

「俺は死柄木」

「雄英を襲撃したヤツが何のようだ」

「まあピリピリするなよ、先生がお呼びだ」

「先生?誰のことだ」

「まあまずは先生の話を聞け」

 

俺はテレビの前に立たされる。するとテレビから話しかけられる。

「お前が日本にいる目的は思い出したかな?」

先生はオール・フォー・ワンのことか。

「目的だけはな。だが過去の話だ、今は立派にヒーロー科に行ってるから、そっち側にはいかない。俺はもう兵器じゃない!」

「ふっ、記憶が全て戻ったらどうかな…

死柄木弔、コイツに触ってみろ。」

「先生、壊れちゃうよ?」

「大丈夫。コイツを甘く見るな、触れ」

すると俺は首を掴まれる。いきなりなんだ?

「ほら、壊れないだろ。

もういい、黒霧、コイツを帰してやれ。あ…、最後に1つだけ、10年前、港の未解決殺人事件。調べてみろ」

それだけ言われて、俺は元いた場所に返された。

 

帰宅後、

俺はパソコンで言われた通りに調べる。

「10年前、港、未解決、殺人。っと」

すると1番トップに出てきたのは、“停泊中の貨物船、乗組員全員死亡、犯人の手がかりは無し”というニュースだ。

俺はそのニュースを読み始める。ニュースによると、船の中の人間は全て心肺停止の状態で見つかるが、外傷はどこにもなく死亡推定時刻は全員同じ時間、また船の底に不自然な何もない部屋が存在していた。事故とは考えづらく、犯行手順や犯人は未だ分からない。そして貨物船の画像があるようなので、そのページをクリックする。

 

あれ?この貨物船、見たことがある、いや俺はここに乗っていた気がする。もしかして、俺が殺ったのか……。

その瞬間、一気に記憶がフラッシュバックした。

 

““「何もかも、消えろ!!!」””

そう叫んだのは俺だ、すると機械だらけの部屋が丸ごと消えた。

そして船に乗っている人間に対して全員死ねという思いで……

 

そうか…、俺は一室に存在するものを全部消して、かつ全員殺したんだな。そしてキャパオーバーして、俺は記憶だけ消えたのか。

それが、俺が知らないところを彷徨っていた真相か。

だが、これ以上は思い出せない。どうして消そうと思ったんだ?それに名前などの肝心な“俺”自身が思い出せないのだ。それに死柄木は何かに驚いていたが、もし個性を使っていたのに俺に通用しなかったのなら、俺はどういう存在なんだ…?

 

俺はとあるところに行って、帰ってきてからもずっと考え続けていたが、良い結論は出せず眠ることなく朝を迎えたのだった。

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