朝、学校に向かうと、上鳴、砂藤、芦戸、切島がこの世の終焉みたいな顔をしていた。
「ど、どうしたんだ?」
「絶対にふれちゃダメだ。アイツらは実技試験をクリアできなかったんだ。」
そう障子に教えてもらって、納得する。俺は何も見なかった、お土産などを頼みながら絶望している人たちなんて見なかった…。そう自分に言い聞かせて席に着く。
カァンと予鈴が鳴った瞬間にドアが開き、相澤先生がくる。
「予鈴がなったら席につけ」
皆、一瞬で席につく。
「おはよう。今回の期末テストだが…、残念ながら赤点がでた。
したがって…」
あぁ、神様、仏様、相澤先生様、彼らに慈悲の手をお差し伸べください…
「林間合宿は全員行きます」
「「「「どんでんがえしだあ!」」」」
俺も一緒に叫びたい!おめでとーう!
「筆記の方はゼロ。
実技で切島・上鳴・芦戸・砂藤、あと瀬呂が赤点だ」
「行っていいんスか俺らあ!!」
よかったなあ、切島!
瀬呂はめっちゃうなだれている。まああれは実質、峰田1人の力だからクリアではあっても合格ではないか…
「今回の試験、我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見るように動いた。裁量は個々人によるが…
でなければ課題云々の前に詰む奴ばかりだったろうからな」
「本気で叩き潰すと仰っていたのは…」
尾白が質問する。
「追い込む為さ、そもそも林間合宿は強化合宿だ。
赤点取った奴ほどここで力をつけてもらわなきゃならん。
合理的虚偽ってやつさ」
「「「「ゴーリテキキヨギィイー‼︎」」」」
5人は姿が見えなくなるくらいのスピードでわあいと騒ぎ出した。
それと同等のスピードで飯田が挙手し起立する。
「しかし!二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」
「わあ、水差す飯田くん」
麗日の言う通りだ。真面目すぎるぜ、飯田…
「確かにな、省みるよ。
ただ全部嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だ」
喜んでいる5人の動きが静止した。
「お前らには別途に補習時間を設けてる。
ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな」
5人の顔がみるみる曇り、くらーい雰囲気になる。ドンマイしか言いようがない。
「じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回してけ」
そして放課後、
葉隠の提案により轟、爆豪抜きのA組全員で買い物に行くことになった。
「ってな感じでやってきました!
県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端!
木椰区ショッピングモール!」
芦戸が叫ぶ。丁寧な説明ありがとう。
すると障子と飯田に向けたと思われるくらいピンポイントなアナウンスが流れてた。
そして皆、すごい速さで散っていき俺と緑谷と麗日は取り残されてしまった。
それに麗日も虫よけー!って言いながら走り去ってしまった。
すると緑谷が誰かに絡まれる。そしてベンチに腰掛けた。
死柄木か…、俺は死柄木の隣に腰をかける。
「よう、久しぶりだな」
「おまえもいたのか…」
「あんま俺の友達をいじめんじゃねーぞ。
ごめん、緑谷、俺は少し彼と面識があってね。こいつは積もる話でもあるんだろうから聞いてやってよ。じゃあ仲良くお話ししてねー」
そう言って俺は水着を探しに行く。そして適当に迷彩柄の海パンを買ったところで、何やら警察が来て、ショッピングモールを閉鎖すると言われ外に出る。A組の皆と合流するのも面倒だしそのまま帰宅した。
どうやらそのあと、緑谷は事情聴取されたようだが、俺のことは話さなかったらしく、次の日を迎えた。
「緑谷、昨日はすまなかった」
「いいんだ。君にも事情があるんだろうし、誰にも被害は出なかったから」
「ところで死柄木の個性ってわかるか?」
「5本指が全て触れたら1分も経たずに塵になるって言ってた」
「俺は前にしっかり触られたんだが、何も起きなかった…。
なぜ塵にならなかったのか、推測できたりするか?」
「何だろ…」
すると緑谷がブツブツ言い始めた。
「ご、ごめん!ヒーローに詳しいから心当たりあるんじゃないかなって思ったんだけど、無いならいいんだ。もう予鈴がなるし、席に着こう!」
緑谷もわからないか……、これは自分で考えるしか無さそうだな…
そしてHR、
「……………とまあそんなことがあって、敵の動きを警戒し例年使わせて頂いている合宿先を急遽キャンセル。
行き先は当日まで明かさない運びとなった。」
「「「えーーー!!」」」
皆めっちゃわいわい言ってる。まあ強くなるための合宿がなくならなかったことは幸いだ。
そして色々ありすぎた前期は幕を閉じた。