希望と孤独の狭間で…   作:B.delta

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第20話  必殺

入寮した翌日のHR、

「昨日話した通り、

まず“仮免”取得が当面の目標だ。」

『「「「はい!」」」』

「ヒーロー免許ってのは、

人命に直接係わる責任重大な資格だ。

当然、取得の為の試験はとても厳しい。

仮免といえど、その合格率は例年5割を切る。」

「仮免ってそんなキツイのかよ。」

そりゃそうだろ、峰田…

「そこで今日から君らには最低でも二つ……

必殺技を作ってもらう!!」

「「「「必殺技!!!

  学校っぽくてそれでいて

  ヒーローっぽいのキタァア!!!」」」」

すごい!カッコイイ!!

エクトプラズム先生と、セメントス先生と、ミッドナイト先生がやってきた。

「必殺!

コレ スナワチ必勝ノ型・技ノコトナリ!」

「その身に染みつかせた技・型は他の追随を許さない。

戦闘とは、いかに自分の得意を押しつけるか!」

「技は己を象徴する!

今日日、必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ!」

「詳しい話は実演を交え、合理的に行いたい。

コスチュームに着替え、

体育館γへ集合だ。」

 

 

体育館γ…

通称…

「トレーニングの 台所 ランド

略してTDL!!!」

 

(((((TDLはマズそうだ!!)))))

限りなくアウトに近いセーフのネーミング!

 

「ここは俺考案の施設。」

セメントス先生の説明が始まる。

「生徒一人一人に合わせた地形や物を用意できる。

台所ってのは、そういう意味だよ。」

「なーる」

「質問をお許し下さい!」

上鳴にかぶせるように飯田がいつものように素早く挙手する。

「何故 仮免許の取得に必殺技が必要なのか、

意図をお聞かせ願います!!」

「順を追って話すよ。落ち着け…」

相澤先生が説明を始める。

「ヒーローとは事件・事故・天災・人災…

あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事だ。

取得試験では当然その適性を見られることになる。

情報力

判断力

機動力

戦闘力

他にもコミュニケーション能力

魅力

統率力など、

多くの適性を毎年違う試験内容で試される。」

ミッドナイト先生が付け足す。

「その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となります。

備えあれば憂いなし!

技の有無は合否に大きく影響する。」

セメントス先生がそれにさらに付け足しをする。

「状況に左右されることなく、

安定行動を取れれば、

それは高い戦闘力を有していることになるんだよ。」

「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハ無イ。

例エバ…

飯田クンノ“レシプロバースト”

一時的ナ超速移動、

ソレ自体ガ脅威デアル為、必殺技ト呼ブニ値スル。」

「アレ必殺技で良いのか…!!」

エクトプラズム先生の言葉に飯田が感動している。

「なる程…

自分の中に「これさえやれば有利・勝てる」って型をつくろうって話か。」

「そ!先日大活躍したシンリンカムイの「ウルシ鎖牢」なんか、模範的な必殺技よ。

わかりやすいよね。」

砂藤の解釈に、ミッドナイト先生が具体例を出してくれて、イメージが出てきた。

「中断されてしまった合宿での「“個性”伸ばし」は

…この必殺技を作り上げる為のプロセスだった。

つまりこれから後期始業まで…

残り十日余りの夏休みは、

“個性”を伸ばしつつ、必殺技を編み出す…

圧縮訓練となる!」

相澤先生の説明の間に、

セメントス先生によりフィールドが形成され、

エクトプラズム先生の分身が配置される。

「尚、“個性”の伸びや技の性質に合わせて、

コスチュームの改良も並行して考えていくように。

プルスウルトラの精神で乗り越えろ

準備はいいか?」

いつでも良いさ!

俺の技…、つくり出してやる!

 

 

俺は合宿が中断してからずっと試したかったことがある。

それは俺自身を岩石化すること。

可能かどうかはわからないが、やってみるしかない。

そしてもう1つ、

檻をもっと自在に操れるようになること。

俺はひたすらに、その2つの練習をする。

 

1日目は、岩石化のイメージは掴めたが、実際にやろうとしてもうまくいかずに終わり、檻に関してはイメージとは全く程遠いまま終わった。

 

そして2日目、

俺はサポート科を訪ねる。

『すまない。

関節を稼働させるサポーターのような物が欲しいんだ。

できれば超高温にも耐えれるやつで…』

「それならこれはどうでしょう!」

発明科の発目に色々と試される。

何個か腕や足が引きちぎれそうになったり、曲がらない方向に曲がりかけたりしたが、最高のサポーターを作ってもらった。

 

それからはずっと技を試しては失敗するの繰り返しだった。

 

そして9日目、

やっと岩石化ができた。岩石化すると関節の可動が悪くなるのが欠点だが、それをサポーターで補うことで何とか岩石化した状態で動ける。

『ビカムロック!ロンズデーライト!』

ロンズデーライトは俺が林間合宿で知ったダイアモンドよりも硬い岩石。まだ岩石化は1分くらいしか維持できない。

『ハードクラッシュ!!』

全力で壁を殴れば、いつもとは比較にならないくらいすごいパワーで壁が吹き飛ぶ。

この状態でエクトプラズム先生の分身と対決する。

やはり動き辛い分、難しさもあるが、一撃当てれればこっちのもんだ。

俺は蹴りを叩き込んで、一発で倒すことに成功した。

 

しかし、檻の自在化はどうしてもうまくいかない。

俺は10日目も成功する気配がなかったため、諦めて“ホワイトアウト”という細かい鉱石の粒を発生させることにより、光の反射なども関係して視界が悪くなる、という技を作った。

 

 

俺は不安の残る中、仮免試験に向かうことになった。

 




20話まで来ましたね、
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これからも楽しく書いていきます。
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