希望と孤独の狭間で…   作:B.delta

27 / 37
第25話  開眼

翌日、

俺は未明にコスチュームを着て寮を出た。

そしてそのまま現場に向かった。

 

到着するとすでにエッジショットさんがいる。

『おはようございます』

「お早う」

『昨日お電話しましたが、インターンが中止になってしまいました。』

「残念だが仕方ない。

俺も「ラーカーズ」というシンリンカムイとMt.レディとのチームアップをすることにした。

短い間だったがありがとう。」

『エッジショットさん…、今日までありがとうございました!』

俺はガッチリと握手を交わす。

「じゃあ行くか」

『はい』

 

「作戦決行!」

 

作戦は至って単純、正面突破だ。

別に俺らが堂々と入っていって、驚いた組織の奴らが小細工しようとしても、薬物を扱っていた証拠はバッチリ押さえてるし、無駄な抵抗だ。

『ジェイル、バインド』

俺はモブ供を一気に捕まえる。ここら辺の奴らは警察にお願いする。

問題はこの組織にはちょっと面倒な個性のやつがいるのだ。

個性“トラウマ” 過去の精神的外傷を思い出させて悪夢をみさせるのだ。

俺はそういう記憶関係が絡むと色々とやばいからさっさと拘束したいのだが、姿が見えない。

どこに行ったんだ…?

ここで俺は地下に違法薬物を大量に隠している倉庫があるという話を思い出した。

『エッジショットさん、地下です!

確かここにトビラが…、開けます!!』

「行くぞ。」

『トラウマをみせる奴がいます。気をつけて下さい。』

「わかった。」

そして地下に乗り込む。

ふた部屋あるので、エッジショットさんと俺で一部屋ずつ片付ける。

どうやら厄介な奴はエッジショットさんの方の部屋にいるようだ。

良かった…、じゃない!

こっちもいっぱいヤバいのがいる!

何となく予想はしていたが、全員違法薬物を使って自身をバケモンみたいにしてやがる…、これは一気に潰すしかない!

『土石流!』

なにっ!この流れに堪えるだと!?

ドーピング野郎どもめ、こうなったら1人ずつ確実に減らす!

『ビカムロック、ロンズデーライト』

俺はドーピング野郎には絶対に劣らない強烈なパワーでぶっ飛ばしていく。でも慣れていないから、もうそろそろでガス欠だ。

さすが裏社会の大組織、人が大量にいる。

倒しても倒してもキリがない!

岩石化が解けてしまった…

だが岩石化が解けても絶対にやられない。

余裕ぶっかまして帰ると約束したんだ!

“Plus Ultra”だろ!

『溶岩流…』

俺は敵の足元に溶岩を流し込む、このマグマフィールドを避けるために全員跳んだ瞬間を狙え!

『ジュエルストーム!』

俺は鋭い宝石をまるで吹雪のように発生させる。

 

しかし、その時油断した…

後ろから違法薬物を大量に口に突っ込まれたのだ。

『フゴッ!ガグゥ、ウッ…』

吐き出そうとするが、水を操る個性で無理やり流し入れられた。

「こいつはそこらの粗悪品とは違うぜ、自分の個性で死んじまうかもな!

この世界に長くいると、テメェみたいな厄介なのは、正面からやっても勝てないってわかるのよ。

だからさ、チョットもったいないけど、自爆してもらうわけ、あ、話しすぎちゃった。つい癖でねぇ、

あれ日本語わかる?」

男の高笑いが聞こえる、カラダが熱い、だが、まだやれる!

『なめるなよ、自分に、薬に、あんたみたいなやつに!

負けるわけないだろっ!

俺はヒーロージン!

いつかヒーローという括りから超越する男だ。

  土石流!!改!』

俺はありったけの力を使って部屋が埋まるくらいの土石流を発生させ、壁にに全員押し流した。

結構な強さで叩きつけたからドーピング野郎どもでもキツイと思うんだが…

そして土砂がなくなってから見ると、よし、全員気絶してる。

 

すごく熱いし、全員倒したので薬物を吐き出そうとするが全く吐けない。

するとエッジショットさんの方も片付いたようだ。

「大丈夫か?」

『相手は全員のびてます。』

「一件落着だな」

『はい』

俺は薬を飲まされたことを言う気になれなかった。

体の底から溢れ出てくる力がどんなものか知りたかったのだ。

 

そして気がついた。

右目が開いてる…

俺はこれまで右目を隠していたのは、単に開かなかったからだ。

まぶたがくっついているわけじゃないのにどんな手を使っても開かなかった。それが開いたのがわかる。でもここでアイパッチを取る気にはなれなくて、再び目を閉じた。

 

作戦は無事終了、

俺は怪我も無く、軽く聞き取りを受けて終了。

あとは警察とエッジショットさんにお任せということになった。

『ありがとうございました。

機会があれば、その時はまたお願いします!』

「こちらこそありがとう。

ヒーロージン、しっかりと記憶した。」

『本当にありがとうございました!

 では失礼します!』

俺は多少の寂しさを抱えて現場を去った。

 

 

 

早朝の突入作戦だったので、

なんと寮に戻ってもまだ6時だった!

 

俺はコスチュームから着替えるのでとりあえず部屋に戻る。

制服に着替えたあと、

鏡を取り出してアイパッチを外す…

推測でしかないが右目が開いた理由は、右目に何か個性が宿っていて、その個性が大量の薬物で目覚めたというところか…?

それかまぶたの筋肉が頑張ったか、うーん、これは微妙な説だ…

色々考えながら鏡を覗く。

 

 

右目、血のようなどす黒い色だ…

 

 

右目をずっと見つめていたら、過去の世界が脳裏に映され始めた。

モヤがかかっていた過去ではなく、完全に頭からすっぽ抜けてた過去だ。

 

 

まだ俺が敵じゃない時の記憶…

これは両親?

この風景、街並み、きっと故郷だ。

小さい時の俺、右目も開いてる。

““「ルークはどんな個性かな?」””

““「楽しみね〜!」””

あ、俺はルークだ。

Luke・J・Hunter、思い出したぞ!俺の名前!

 

その瞬間、記憶は次のシーンに変わる。

貧しい暮らし、

父さんは個性が“岩”で鉱山で働いている。

母さんの個性が“鍵”で祖父と一緒に鍵職人をしている。

今の“ロック”は両親の個性だったのか。

そして俺にも個性が発現する。

なんだこれは?“ロック”じゃない…

 

再び記憶が別のシーンに変わる。

とある日、家に誰かがやってきた。

そして何やら書類を両親に見せて、俺は連れて行かれる。

父さん、母さん…

俺は車に乗せられる。隣りには謎の男が座っている。

““「君の個性は特別なんだ。それにもう一つ目覚めるなんて…

君の個性は“地獄”だよ、日本っていう国に昔から語り継がれでる“地獄”によく似てる。ドイツ人なのに、日本人のような個性を発現するなんて不思議だね。

どうだい?私と日本に行かないか?もし一緒に行ってくれるなら君が欲しい個性を1つあげよう。」””

““『オレ、狼に変身できるようになりたい!』””

““「わかった。約束だよ。」””

この男は、オール・フォー・ワン…

これで俺の研究所生活が始まったのだろう、そしてヒーローを消すことをすり込まれて兵器化したのか。

 

しかし、この回想からすれば、俺はもともと2つ個性を持っていたということになる。1つが“地獄”だとして、もう1つは“無い”ことを“有る”に変えれる個性なのか?

それにしては発現するのが早すぎないか?

ここで林間合宿の時も考えた仮説が再び頭をよぎる。だがこれはどうしても信じられない。

 

不確かなことを考えても無駄か…

まあ少し悔しいが、薬物のおかげでここまで思い出すきっかけができた。それに開眼したことによって、“地獄”も扱える気がするし、狼に変身するのも多分できる。

幸か不幸か今日の授業はこのままだと出席できるし、訓練でいろいろ試してみよう。

 

しかし思ったより時間が過ぎていたようだ。

ピンチ!

俺は急いで登校した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告