希望と孤独の狭間で…   作:B.delta

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第27話  自信

あっという間に10月、

エッジショットさんのチームアップが正式に発表された。

これからのますますご活躍を心からお祈りする。

 

 

体育館γ、

「それでは今日も必殺技の向上に努めていきましょー

以前課した「最低二つの必殺技」

開発できていない人は開発を、できている人はさらなる発展を」

セメントス先生の話を聞いてそれぞれが必殺技の練習を始める。

俺はコスチュームも新しくなり、狼になっても大丈夫になった。黒スーツの狼ってカッコイイと勝手に思っている。

また“地獄”に関しても色々と分かってきた。

まあ地獄そのものが必殺技以上の強力な力を持っているので、人を死なせない程度の所で解放してあげることの調節が難しい。一瞬で死ぬ地獄もあるので、気を付けないとダメだ。火力調節できるような柔な個性じゃないので、“地獄”の使用は最低限にしたい。最後の切り札としては1番最適だ。

そして何よりも鬼神化のキャパオーバーがキツい。簡単にキャパオーバーするわけではないのが幸いなのだが、キャパオーバーすれば1時間〜2日、聴力と視力を失ってしまうのだ。視力は比較的すぐに戻るのだが、聴力が戻るのに時間がかかってしまう。よって鬼神化はとても強いがこれも奥の手をして普段は使わないでおくしかない…

 

なので俺は“ロック”と“狼化”の必殺技の強化に努めていた。

狼は移動速度が速まるし、速攻ができるが、近接攻撃しかできないという難点がある。また尻尾の存在に慣れが必要だし、尾白と違って力がある丈夫な尻尾のわけではないから弱点だったのだ。

最近は狼になった状態で岩石や鉱石を纏うことが少しできるようになり防御力が上がった分、接近戦もだいぶ楽になった。

 

 

そして青山が元気になってからしばらくしたとある日、

芦戸がブレイクダンスをしていた。

「ブレイキン、ブレイキン!」

葉隠や瀬呂がポウポウ!と叫んでる。皆、活発だなぁと思う。

「僕もやってみようかな…」

「教えてもらえば?」

『やってみたら面白いと思う』

緑谷が呟き、上鳴が提案をし、俺が推奨する。

「オーケーボォオイ、レッツダンスイ!!」

「あっ、ええと、お願いします!」

緑谷とそして青山も芦戸にダンスを教わり始めた。

そして話は趣味の話になった。

「砂藤のスイーツもそうだけどさ、ヒーロー活動にそのまま活きる趣味はいい良いよな!強い!」

『確かにな…』

「趣味といえば耳郎のも凄えよな」

 『まぁ…』

「ちょっ、やめてよ」

「あの部屋、楽器屋みてーだったもんなァ、ありゃ趣味の域超えてる。」

 『おいおい…』

「もぉ、やめてってば!部屋王忘れてくんない!?」

「いやありゃプロの部屋だね!

何つーか正直かっ…『やめてやれ…』

俺が上鳴の肩に手を置き咎めたのと同時に耳郎のジャックが上鳴の目の前に突きつけられる。

「マジで!」

そう言って耳郎が席に戻ってしまったので、アホになった上鳴は放って置いて俺は耳郎のところに行く。

俺はこれまで耳郎に曲を披露してもらったことがあるから上鳴の言いたいことは理解している。でも俺はバンド活動をしてきたから、耳郎のヒーロー活動には活きづらい趣味を持つことに対する葛藤も十二分にわかるつもりだ。全く同じ気持ちではないだろうが、共感できる部分が多くあるのだ。

だから俺は耳郎の隣にしゃがんで言った。

『上手に言えないが、耳郎の音は俺に何か幸せのようなものを運んでくれる。

でもきっと耳郎は、只の趣味だ…とか思っているんだろ?』

耳郎と目が合う、表情からして図星のようだ。

『そんなこと思わないでくれ、俺は絶対ヒーロー活動に活きると思ってる。今は別に思えなくても構わない。色々と思うところがあるんだろ?まぁ俺は耳郎の考え方にとやかく言おうとは思わない。

……すまない、知ったような口を利いた。』

耳郎が口を開きかけたが、俺は気づかないフリをして席に戻った。

 

 

そしてHR、

寝袋に入った相澤先生が口を開く。

「文化祭があります。」

「「「「ガッポオオォイ!!!」」」」

   ※学校っぽいの略

The学校なイベントきたー!このクラスだったら絶対何をやっても楽しい!そんな気がする!

「先生、今日はエリちゃんのところへは?」

「ああ、そのことについては後ほど」

梅雨ちゃんの質問に先生が答える。

クラスは楽しみな行事にテンションが上がっている。

「いいんですか!?この時期にお気楽じゃ!?」

「切島…、変わっちまったな」

「でもそーだろ敵隆盛のこの時期に!!」

切島はインターンに参加したから危機感を肌で感じているんだろう。

「もっともな意見だ。

しかし雄英もヒーロー科だけで回ってるわけじゃない。

体育祭がヒーロー科の晴れ舞台だとしたら、文化祭は他科が主役。

注目度は比にならんが、彼らにとって楽しみな催しなんだ。そして現状、寮制をはじめとしたヒーロー科主体の動きにストレスを感じている者も少なからずいる。」

「そう考えると…申し訳たたねェな…」

「今年は例年と異なり、ごく一部の関係者を除き学内だけの文化祭となる。主役じゃないとは言ったが、決まりとして一クラス一つ出し物をせにゃならん、

今日はそれを決めてもらう」

なるほど、しかしそんな簡単に決まるか…?

 

「ここからはA組委員長、飯田天哉が進行をつとめさせて頂きます!

スムーズにまとめられるよう頑張ります!

まず候補を挙げていこう!希望のある者は挙手を!」

皆、すごい勢いで手を挙げている。

意見がごった返す中、俺はさっきの出来事を考えていた。

 

キーンコーンカーンコーン……

 

「実に非合理的な会だったな、

明日 朝までに決めておけ。決まらなかった場合…

 

公開座学にする」

 

  公開座学!!

 

それだけは勘弁してほしい…

 

 

そして寮、

俺はインターン組だが、耳郎のノートによって一切授業に遅れをとっておらず、インターン期間にあった小テスト全部で満点を取り十分さを証明したので補習には参加しなくて済んだ。

今はソファーを囲んで飯田中心に話を進める。俺はそれを遠目に見ていた。

すると轟の言葉でダンスに決定しかけているようだ。轟は仮免補講で何か新しい考え方を知ったらしい。一体どんなことをしたのだろう…

すると峰田が珍しく俺にとって嬉しいことを言った。

「待て素人共!!

ダンスとはリズム!!すなわち“音”だ!客は“極上の音”にノるんだ!!」

「音楽といえばぁーーー…!」

葉隠が振り向き、皆の視線が一点に集中する。

「え、何?」

「耳郎ちゃんの楽器で生演奏!!!」

ナイスだ葉隠!耳郎のおt…

「ちょっと待ってよ」

「何でェ!?」

俺も聞きたいぜ……

「耳郎ちゃん、演奏も教えるのもすっごく上手だし、音楽してる時がとっても楽しそうだよ!」

そうだ、耳郎、皆認めてるじゃないか…、どうしてそこまで悩むんだ…。

「芦戸とかさ、皆はさ、ちゃんとヒーロー活動に根ざした趣味じゃんね?ウチのは本当只の趣味だし…

正直、表立って自慢できるものじゃないつーか…」

俺はため息を一回して耳郎に近づく。まだそんな考えを…

ああ、耳郎まではずいぶん遠い。

今ので上鳴は昼間の出来事の理由を分かったようだ。

「あんなに楽器できるとかめっちゃカッケーじゃん!」

すると口田もやってきて耳郎に声をかける。それを八百万が間に入って止めた。

やっと耳郎に声をかけれる。

『今の耳郎はロックじゃねぇ!

自信持ってくれ、何かあれば俺が支える。』

するとハッとした表情でこっちを向いた。

「そうだよね、

ここまで言われてやらないのも…

ロックじゃないよね…」

するとクラスがオーーと盛り上がる。

「じゃあA組の出し物は生演奏とダンスでパリピ空間の提供だ!!」

 

 

 

そして翌日、

文化祭まできっかり1ヶ月、さっそく役割分担だ。

しかし俺は耳郎に声をかけた身でありながらどうしても楽器はやりたくなかった。

 

耳郎がプランを話していく、

「ベースとかドラムとかやってた人いる?」

やはり楽器ができる奴はいない。すると俺は耳郎のジャックに指された。

「できんでしょ?」

『全部できる。ベースもドラムもギターだってできる。』

「じゃあさ、d『すまない、楽器はやれない。』

「なんで!」

『耳郎、知ってるなら頼む、わかってくれ。』

「そんなぁ…」

耳郎や皆が明らかにしょぼんとする。

『そんな顔をするな、俺だって断りたくて断ってるわけじゃない。すまない、どうか理解してほしい。

耳郎、俺はサポートに入る。困ったら何でも頼って欲しい。

あと皆!耳郎の音はとても素晴らしいんだ。

他科へのご機嫌とりのためじゃなく、ストレス発散してもらうためじゃなくて!圧倒させるショーにしようぜ!

じゃあ俺は用事があるんだ。ここで失礼させてもらうよ。』

俺はギターケースを持って寮を出た。

 

俺の役割は楽器を奏でることじゃない。このクラス全員で作り出す音楽を支えることだと思ったのだ。

 

こうして文化祭へ向かっていくのだった。




UAというのが10000超えました。
ありがとうございます。
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