希望と孤独の狭間で…   作:B.delta

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第1話  入試

「……Unglaublich!!(……信じられない!!)」

 

つい興奮して口から溢れてしまったぁ!正直デカすぎる。

まあ多分聞こえない程度だし、立ち止まって見上げてたわけではなく少し上を見て歩いていただけだから、何ともないだろう。

 

それに開門時間ピッタリくらいに来たからそんなに人もいないし…。

そう思い、歩いているとはいえ少しスピードは落としていたから元のスピードに戻して門をくぐろうとした、その時、、

 

「Here you are.」

 

横から声をかけられた。咄嗟に横を向くと、耳たぶからイヤホンジャックが伸びてる同じく受験生と思われる女の子がいる。どうやら上を見上げた時に前々から取れそうだったキーホルダーが取れていたようだ。いつものことだが、俺に声をかける人はみんな英語を使う。

 

「ありがと」

 

そう言ってキーホルダーを受け取る。日本語を使えるのに驚いている様子だ。それと同時に俺が日本語で話しても大丈夫と感じたみたいだ。

 

「んじゃ、また会えたら」

 

そう言って彼女は手をひらひら振って去って行った。クールだったなと思い席に着いた。

 

プレゼント・マイクがやってきて説明が始まり会場に何となく緊張の漂いを感じる。

配布プリントにいちゃもんつけた彼は度胸がとても素敵だと思った。

でも会場が一緒だったらなんか堂々としすぎてて、調子が狂いそうだから違うところがいいなと思ってしまった。

 

そして一通り説明が終わって、

 

「Puls Ultra!それでは皆、良い受難を!」

 

 

 

実技試験開始!!

 

始まりのスタートダッシュは決めさせてもらった。

周りは気張りすぎ、そういう空回りする人を見てると冷静になれる。

 

ヒーローを志願するだけあってまあそこそこに刺激のありそうな人がたくさんいる。

俺の印象はそんなもんだ。

 

俺の個性でロボ全体に土石流をお見舞いする。

どこから出てくるのかは俺も知らないが、土石流はロボを一掃した後、何も無かったかのに消える。仮想敵だか何だか知らないけど、素早いのは動きをロックしてからの、土石流ドーンで、素早くないのはありがたく岩石放り投げてポイントを頂戴していく。

 

順調だったが、嫌な予感はしていた。会いたくなかったよ、ドッスンさんよ……。0Pなのにとても強いとは嘆かわしい。

 

あ、朝の子近くにいる。でも彼女は0Pに気がついて距離を取った。しかし問題は、プライドなんて捨ててただ逃げてく奴らよ。

 

0Pでも1番強いなら勝ちたいって俺は思う。

 

「やばっ!逃げろ!」

「ポイントにもならないし!」

「攻撃普通にしてくるやんか!」

 

たくさんの人が逃げる。あの0P、攻撃してくるのかよ。まあただ歩いていてくれる敵なんていらっしゃらないですけど…

 

 

朝の子、逃げたと思った。どうやら足やったな、

やばい、このままじゃ、0Pに……

 

 

 気がついたら、彼女の目の前に立っていた。

 

「はっ!あんたバカじゃないの?!あんな強いの前にさ、ウチのことは置いて行って良いからさ、あんたも逃げなよ!」

 

そう言う彼女は強がっていたんだろう、少し震えていた気がする。

 

俺は半身だけ振り返って、グッ、と親指を立てて笑った。

 

「バカ、立ち向かう気なの?」

 

俺は静かにうなずいた。そしてまずは彼女をいわゆるお姫様抱っこをして少し後方へ移動させる。

 

パキッ、バキッ

 

指を鳴らして、

 

空中へ舞った。

 

もともと身体能力は周りにチートと言われるほどある。

0Pより高く飛ぶのは容易い。

 

そして拳にダイヤモンドを纏って、全力で殴った。

 

 

0Pは見事に撃破された。

というか、粉々に砕け散った。

流石に、ただでさえやばいパンチにプラスしてダイヤモンドの硬さだ。

 

 

「やば、マジでロックすぎるっしょ、」

 

彼女はそう呟いた。

 

俺は彼女のもとに駆け寄る。

0Pの崩壊の音が大きくてよく聞こえなかったが、どうやら試験は終わったらしい。

 

「ありがとね、ウチ耳郎響香。アンタは?」

 

「鍵無 彗仁」

 

「助かっちゃった。入学式で会えたらいいね。」

 

俺は無言でうなずく。

そしてそのまま無言で耳郎をお姫様抱っこする。

 

「え、ちょっと恥ずいんだけど、、」

 

俺が黙って足首を見る。そして歩けないだろって視線を送る。

どうやら耳郎にも伝わったみたいだ。

 

「…ぁりがと」

 

俺は静かに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

リカバリーガールのところに連れて行って耳郎はバッチリ回復してもらえたようだ。

もっと酷い怪我の人がいて心底驚いたけど、俺は幸い無傷で終えられたからとても良かったと思う。

 

そして耳郎に、バイバイ、という気持ちを込めて手を振って俺は雄英をあとにした。

 

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