波動ねじれのヒーローアカデミア 【台本式Ver】 作:へたくそ
緑谷 出久が中学1年生の時、彼はある人と出会った。彼がヒーローになると決めたのはこの人のおかげだろう。
バクゴウ「おいデク!!今日も俺らの代わりに掃除しといくれや」
イズク「で、でもかっちゃん僕この後用事が…」
バクゴウ「ああ!!??俺に逆らう気かデク!!!」
イズク「っ!!」
爆豪が自身の個性である爆破を見せびらかして出久を脅す。それを見て出久は引き腰になってしまった。
生徒1「おい勝己〜、まだかよ〜。早く行こうぜ〜」
生徒2「早くしなとカモがいなくなっちまうよ」
バクゴウ「ん?あぁ、こいつが俺たちより他の用事を優先するって言っててよ。お前らも手伝ってくれねえか?」
生徒1「なんだよ緑谷、俺たちのために代わってくれるよな?」
生徒2「こんなところで怪我したくないもんな?緑谷」
イズク「わかったよ…」
勝己の取り巻きも個性を発動させて脅しに加わる。無個性の出久が3人に敵う筈がない。
それ故出久は諦めて首を縦に振ることしか出来なかった。そんな自分に苛つきながら拳を握りしめた。
勝己たちを横目に見ながら出久は今日も掃除を始める。もちろんこれが初めて、というわけではない。
勝己の出久に対するこの扱いは出久が無個性と分かってからだ。
周りも勝己に感化されているか、それを見て見ないフリをしているかのどっちかだ。
出久を庇おうとする人は誰一人としていなかった。
イズク「はぁ…なんでいつもこんな事してるんだろう…。早く終わらせて買い物いかなきゃな」
出久は一人でボヤを言いながら教室を掃除した。20分かけて教室の掃除を終わらせてゴミを袋にまとめてゴミ捨て場に向う為に校舎裏を歩いてると、綺麗な夕日が目に入った。普通こんな夕日を見たら感動するだろう。
しかし出久は違った。この夕日を一緒に見る友達も、分かち合える仲間も、思い出せる思い出もない。
自分は空っぽだ。ただヒーローに憧れる事だけしか出来ない、それが自分だ。悔しい。
校舎の壁にもたれながら
イズク「ほんと、何やってんだろ。もう嫌だ、こんな人生…」
13歳の少年にとってこれまでの人生はあまりにも苦痛なモノだった。幼い頃はヒーローになることが夢だった。
今の社会でヒーローは警察、消防に似た、それでいて圧倒的人気の公務員だ。誰もがなれる可能性のある職業だ。
しかし、出久はその「誰も」には当てはまらなかった。4歳までに発動する個性。ヒーローに個性は必須条件。
無個性、この一言で出久の全てが崩れ落ちた。出久は個性がない。そう、出久はヒーローになれない。
それが判明したのは4歳の時、あまりにも残酷な現実を突きつけれた。
それでも無駄な努力だと分かっていても出久はヒーローの分析を始めた。本当に無駄な努力だ。
生身の人間が生き残れる程ヒーローは甘い職業ではない。頭では分かっていても諦めることができなかった。
どうしようもない憧れ。一生くることのない将来を夢を見て足掻いてきた。それも限界を迎えようとしていた。
そんな時、出久に近づく1つの影が
「ねえねえ、君泣いてるの?どこか怪我したの?大丈夫?」
それが緑谷出久と波動ねじれとの出会いであった
ここから二人の物語が始まった。
違う作品でメリッサ・シールドのヒーロアカデミアという小説も書いています。