くくく、チート転生者のこの俺に勝てるわけが……ぐふっ!?   作:とある達人の筋肉無双

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012、初陣

 23.

 

 

 武器組、それは世界を影から操る組織『闇』の片割れ。

 剣、槍、ナイフ、鍋、弓、鎌、釜、斧、槍、鍬、盾、棒、杓文字と様々な武器を使用して戦う者達だ。

 その中でも上位の力を持つ達人と呼ばれる者は、いとも簡単に最新の科学技術を使って作られた銃や戦車と言ったものさえ凌駕する。

 達人の持つその肉体と技量の前では、拳銃よりも剣が、ライフルよりも弓が強い世界が存在してしまうのだ。

 

 

 ここで俺は疑問に思ったんだ。

 それってつまりは鍛え上げられた肉体こそが一番強いんじゃないかと。

 ある程度のずる(神様がくれたチート)はあったものの、俺の肉体のスペックはまだ普通に鍛えても辿り着けるレベル。

 そんな俺がもし武器組を完全にねじ伏せる事ができれば武器なんて無い方が強いという事を証明できる。

 

 

 久しぶりの日本での仕事だし、今回は自由にしてもいいという一影直々の依頼。

 今回は武器を使うよりも素手の方が強いという事をとことんアピールしながら戦ってみるか。

 

 

「すまんが扉を開けてくれないか? 

 ここから飛び降りる」

 

 

 俺が今回の依頼で攻め落とす予定の闇の武器組に所属するグループ、聖剣連合がアジトとして使用している建物が見えたので俺は飛行機を運転しているパイロットにそう告げた。

 

 

「よ、よろしいのですか? ま、まだ高度は4000メートルもありますよ!?」

「つい昨日上空1万メートルからの紐無しバンジーをしたところだからな。

 それに比べれば4000メートル程度は余裕だな」

 

 

 俺がパイロットにそう伝えるとドアのロックが解除され、扉が開け放たれた。

 スピードのせいで風が少し強い感じはあるが良い天気だ。

 まさに戦闘日和だと言えるだろう。

 

 

「よっと」

 

 

 少しタイミングを見計らった後、そのまま地面に向かって飛び降りる。

 狙いは少し開けた山道だ。

 普通の街中にアジトがあれば着地場所探しに困るのでわざわざ山の中にアジトを作ってくれた聖剣連合の方々に感謝だな。

 

 

 その今回のターゲットである聖剣連合はそれなりに大きなグループの一つで、リーダーは特A級の達人である本松大蔵という老人だ。

 その他に敵の戦力としてカウントできそうなのはギリギリ特A級に至らない程度の実力を持つ副リーダーと、普通の達人クラスが2人と言ったところか? 

 

 

 しかし、残念ながら今回はその副リーダーの芝川蛍次は何かの要件で出ているらしいので敵は残りの三人だけだ。

 1対1であればまず間違いなく勝てるとは思うが、三人を同時に相手するとなれば少し危ういかもしれない。

 リーダーは日本刀を使う侍らしいのである程度の予測はつくが、あとの二人はどんな技を使うのだろうか? 

 今からもう楽しみで仕方がない。

 

 

 そうこう考えながら落下しているとあっという間に地面である。

 体を少しよじって体勢を整え、体全身に衝撃を吸収させるようにしてなるべくフワッと着地を決める。

 この五点着地法はバキでも登場していたように、全身で衝撃を分散することで身体が受けるダメージを少なくする着地方法だ。

 

 

 昨日飛び降りた時に、どれだけ高い所から落ちようが空気抵抗のおかげで最終的には時速200キロメートル程度に落ち着く事が分かっているので、正直に言えば受け身とか必要ないのだが、無理やり着地するとバカでかい音が鳴ってうるさいので受け身をしておいて損をするような事はない。

 

 

「さてと、行きますか」

 

 

 チラッと見た感じだとアジトには門番が2人、恐らくどちらも妙手級だ。

 よっぽど気配を消すのが上手い奴が門番をやっていなければこれだけだと思っていいだろう。

 

 

「あの、すいません……。

 少し迷ってしまいまして、道をお尋ねしたいのですが」

「こんな所に一人で来るなんて珍しいね」

「あ? 何処へ行く道が知りたいんだ?」

「え、ええとですね」

 

 

 このタイミングでアメリカで買った怖いマスクを一瞬で装着して顔をあげて相手を見つめる。

 コツはマスクを事前に持っているとバレない事と、つける時に相手に分からないように気当たりを使って誤魔化す事だ。

 そして、それが終わったらクワッと目を見開いてこう言うのだ。

 

 

「アナタハ天国ヘノ道ヲ知ッテイマスカ?」

「うおぉぉぉぉッ!?」「うわぁぁぁぁッ!?」

 

 

 宴会芸とかでやったらまさに無双出来そうなネタ技だが、こんなネタ技で倒される二人は少し哀れだ。

 驚いている二人に足払いを掛けて相手の重心を崩し、そのまま倒れる勢いを使って全力で後頭部を地面に叩きつける。

 後の奴らは見つける度にMI☆NA☆GO☆RO☆SHIするつもりなので、名を轟かせるという目的の為にトドメは刺さない。

 綺麗に後頭部から入ったのでこれで何時間かは目が覚めないだろうし、後は放置でいいだろう。

 

 

 彼らをそのまま入口に放置し、入口……。

 ではなく少し離れた壁の元まで歩いていく。

 そして、アジトの壁に向かって全力で走り抜ける事でダイナミック侵入ッ! 

 ドアを壊して入るよりも大変なのだが、この方が明らかにインパクトがあるのでこちらを採用だ。

 

 

「フンッ! こんにちは〜、あの世送りのデリバリーサービスです。

 ご注文頂は天国(即死)ですか? 

 それとも地獄(苦痛)ですか?」

「な、なんだコイツ!?」

「壁を無視して走るとかもはや人間じゃねぇよ!?」

「お前ら侵入者、いや、敵だ! 

 全員武器を持てッ! 全力で警戒態勢!」

 

 

 いきなり現れた俺に対して軽いパニック状態になると思っていたのだが、しっかりと指揮を取れる人がいたみたいで、即座に全員が武器を取ると警戒態勢を整えた。

 この部屋にいるのは達人級の男が一人、後は妙手以下って感じだ。

 達人の得物は槍、剣や刀であれば戦った事は少しはあるのだが、槍を使う奴って意外と少ないんだよな。

 俺の糧となって喰われて貰おうか。

 

 

「お前ら行くぞッ!」

「「「「了解!」」」」

 

 

 そう言って全員で攻めて来るが、あえてその槍使いの攻撃以外は全て防がない。

 当然そんな事をすれば斬られたり、刺されたりと酷い目にあう。

 _______普通は。

 

 

「ば、馬鹿な! 真正面から武器の方が負けるだと!?」

「お、オイラの剣が曲っちまったぞ!?」

「何を馬鹿な事を言っているんだ? 

 鍛えられた最強の体の前に武器なんて効くわけないだろう?」

 

 

 まあ、種も仕掛けもあるんだが、俺はそんな事を言う程のお人好しではない。

 必要なのは「お前らの武器なんて効かねぇよ」といういうアピールである。

 

 

「お前ら全員下がれ! 数がいても無駄だ! 

 さっさと組長を呼びにいけ!」

「りょ、了解です!」

 

 

 向こうからリーダーが来てくれるのはむしろ嬉しいのだが、この場から逃げられると探す手間がかかるので厄介だ。

 一人だけ残して後はこの場で死んで貰うとするか……。

 

 

「暗鶚流、人手裏剣ッ!」

 

 

 近くにいた二人の足首を掴み、全力で投げる。

 受けた側は当然として、投げられた側も殺せる一石二鳥の技だ。

 この技を俺が習得したのは、いかにもな忍者との戦いだったのだが、その辺にいる人を武器にするなんて思わなかったのでかなり印象強く残っている。

 

 

「暗鶚だと!? 貴様まさ……」

「あ、これ、どっかの忍者が使ってた技なんで、別に俺は暗鶚衆とは関係ないな」

「暗鶚衆の者から教わったという事か、あの気難しい奴らに認められるとは流石と言ったところか?」

 

 

 いきなり会話タイムが始まったが、狙いは透け透けである。

 会話で時間を稼いで、さっきこっそりとこの場から逃げる事に成功した忍者っぽい人がボスを呼びに行っているのを待っているのだろう。

 うん……それ、わざと逃してるから。

 

 

「……相手の技を見て盗んだまでだ。

 さて、そろそろ第二ラウンドと行こうか!」

「クククッ、俺の部下の一人が組長を呼びに行った事に貴様は気が付かなかったようだな」

 

 

 ……いや、確かにあの人めっちゃ影薄かったけど気が付いてたよ? 

 そもそも、俺は組長をむしろ呼んできて欲しいという……。

 この人、空回りし過ぎてむしろこっちが恥ずかしい。

 もはや一種の精神攻撃の域だ。

 

 

「確かに俺では貴様を倒す事はできないだろう。

 だが、俺はここで時間を稼ぐだけで良いのだ! 

 3分、いや5分は持たせてみせるぞ!」

 

 

 そう言って槍使いの男は入口に背を向けて立つと、決死の覚悟を決めてこちらに槍を構えた。






感想返せていませんが、しっかりと読んでます!
そのうちまとめて返しますので少々お待ち下さい。

2020年2月21日現在
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