くくく、チート転生者のこの俺に勝てるわけが……ぐふっ!? 作:とある達人の筋肉無双
25.
「うぉぉぉぉぉッ!」
迫ってくるその刀に、俺は自分から突っ込んだ。
当然そんな事をすれば俺の肉はあっさりと貫かれてしまう。
だが、人間というのは急所を外していれば即死するような事はまず無い。
「ぐぅぅぅらァァァァッ!」
「なぬッ!?」
そして、そのまま肋骨の隙間で刀を無理やりに絡め取ろうとする。
だが、相手が両腕の筋肉をしっかり使っているのに対してこちらは肋骨。
当然、そのままだと確実に俺が不利。
しかも、妖刀の気によって俺の体内で作り上げた気はめちゃくちゃだ。
だがこの予想外の一手は確実に相手の動きを止めた。
「貰ったァァァ!」
その一瞬だけの虚に俺は全力で拳を叩き込んだ。
もはやなんの気も乗っていないただの拳。
だが、その一撃は確実に本松の顎を捉えた。
威力もない何の変哲もない拳、だがそれでも俺が放った拳である。
その一撃で本松は大きく体を後ろに逸らし、そのお陰で俺は完全に刀を奪い取る事に成功した。
「はぁはぁ……ぐっ」
こちらはボロボロなのに対して、相手は拳一発分のダメージしか受けていない。
それに妖刀は奪い取ったとは言え、まだ相手には刀がもう一本ある。
ここからが本番と言った所だ。
「まだ、ここからぁぁぁぁっ!」
肋骨の隙間に刺さった刀を引き抜いて全力で遠くに放り投げた。
そして、しっかりと胸の筋肉を使って圧迫止血を行い、血を止めると、改めて俺は気を練り直して構えを取った。
少しでも時間を稼いで傷と体力を回復させる待ちの構えである。
後はここから粘れるだけ粘る。
俺は回復チートのおかげで1日あればどんな怪我だろうが完全に完治できる。
かなりの大怪我とは言え、この程度の傷であれば俺は数時間で完治できる。
完治にこだわらなければ30分といった所か?
それに俺は流しを基本として戦う流水岩砕拳の使い手、受けに対してはかなりの自信がある。
傷が治るまで守りきれば一気に攻め込んで俺の勝ちだ。
「ではゆくぞ!」
「くぉぉぉぉ!」
やって来たのは首を狙った見事な居合。
前動作を完全に隠して腰を切る事によって放たれる、目に見にくい斬撃。
だが、俺はその斬撃を完全に流しきった。
「残念だが、
そう、
そんな拳を何度も見ながら目と拳を研ぎ澄ましてきた俺がこの程度の斬撃を流せないはずがない。
「なんのぉ!」
「くぅッ!?」
避けれる攻撃は避け、流せる攻撃は流し、ここぞというタイミングでカウンターを合わせる。
だが怪我のせいで受け流しがいくらか遅れ、簡単な攻防を十数度繰り返す度にかすり傷が1つ1つと増えていく。
「はぁッ!」
「ぬぅ……」
だが、それは相手も同じだ。
こちらのカウンターを受けきれずに攻防を続ける度にかすり傷とは言え怪我が増えていく。
現状はほぼ互角、ならばオートヒールがある分俺の方が遥かに有利だ。
「ああ、そうだ。
死ぬ気でかかってこい!」
ならば相手がどういう手を取るかは一目瞭然だ。
全力全開の特攻、これに尽きる。
ならば俺はそれに対してカウンターの回数をぐっと減らし、猛攻に耐える。
これで俺が万全の状態ならば逆に攻め込むのだが、既にかなりのダメージを負っているので耐久力を武器にした戦い方は取れない。
相手もそれを読んでいるのか、守りを完全に無視した捨て身の攻めである。
「なんと、これを捌きおるか!?」
確かに俺の方がダメージも負っている。
そしてそのダメージのおかげで確かに俺の方が反応速度が遅い。
さらに、筋肉で血管を圧迫しているとはいえ、かなりの血を流している。
この差は技量。
純粋なる技量だ。
「さて、そろそろ攻め手も無くなるか?」
通常ならば完全に攻めに入るのは確かにいい選択だと言えるだろう。
本来ならばそれで決着がついていただろう。
だが受け流しに特化した俺に対して完全に攻めに入るのは完全な悪手だ。
一手向こうが攻める度に回避を交えず受け流す。
そして、徐々に徐々にと相手から取れる選択肢を奪っていく。
確かに相手が特攻に切り替える事でかすり傷を負う回数自体は増えたのが致命傷となるような攻撃は完全にゼロだ。
「まさかお主!?」
俺への
より不利な体勢へ、よりこちらが有利な体勢に持ち込む。
この約10分間程度の攻防で、俺は相手に悟られないように自然に打てる手を奪い取り続けていたのだ。
「ようやく気が付いたかよっと!」
「ば、馬鹿な……ありえぬ!」
そう言って体勢を立て直そうとするが気が付いた所でもう遅い。
体勢を立て直す為に距離を離そうとも、この体勢からだと完全にこちらが有利を保ったまま追従できる上に、そもそもそんな事をする暇を与えずに殴り込める。
「だが気が付いた所でもう遅い!」
「くっ!」
完全に死に体で切り込まれた一撃を流しながら体捌きで相手の内側へとするりと入り込んだ。
ここから俺が放つのは全力の貫手。
一撃で相手の命を吹き飛ばす為に、狙うのは喉。
ヒヤヒヤして少し楽しかった戦いもこれで終わりだ。
「さぁ、死に晒せ!」
俺の貫手はそのまま本松の首を貫き、その命をあっさりと奪い取った。
どうやらランキングトップになってエタりかけていた作者がいるらしいですね。
しかも、別作品書いてたらしいですね。
( ゚∀゚) ∀゚) ∀゚) ∀゚) ∀゚):∵グハッ!!
どんなヒロインが良いですか?(感想欄ダメなみたいなので修正しました。)
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